本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(109)

著者: 本間宗究(本間裕) ほんまそうきゅう:ほんまゆたか : ポスト資本主研究会会員
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障害児の出産

最近、茨城県の教育委員会で、「障害児の出産」について、いろいろな議論が噴出したが、このテーマについては、私自身も、長く考え続けてきた。そのために、今回は、この論点を整理したいと思うが、問題は、最初に、「障害」と「個性」との「違い」であり、また、「障害」にも、「先天性」と「後天性」の区別が存在するものと考えている。つまり、「障害」にも、いろいろな程度の区別があるように、どのような人にも、それぞれの「個性」や「能力」の違いがあるために、「障害者」と「健常者」の間で、実際に、どのような線引きがなされるのかが気に掛かるのである。

また、「健常者」と考えられていた人が、突如として、「肉体的、あるいは、精神的な障害者」となるケースも存在するために、一概に、「障害者」と「健常者」を区別することには、大きな抵抗感を感じざるを得ないが、確かに、「先天性の障害児」を持った親は、ほとんどの場合に、「この子と一緒に死のう」という考えを、最初に持つそうである。しかし、時間の経過とともに、考えが変わり、実際には、「この子が生まれて良かった」と考え直す場合も多いようであり、また、「障害児」として生まれてきた子供も、「生んでくれてありがとう」と感じるケースも、数多く存在するようである。

そして、より重要なテーマとしては、「人生の意味」でもあるが、私自身も、当初は、「なぜ、障害児が生まれるのか?」を考えた時に、「前世の因縁」とか「宿業」というような「誤った考え」を持っていたようだ。つまり、「親の因果が、子に報われる」というような「時代錯誤の考え方」に染まっていたようだが、現在では、「健常者と障害者のどちらが、それぞれの人生で、より大きな学びを得られるのか?」が気に掛かるのである。

別の言葉では、「精神のレベル」というものが存在し、実際には、「精神レベルの高い人ほど、人生で、より大きな悩みを抱えるのではないか?」とも想定されるのである。具体的には、「人類の罪を、すべて背負って亡くなった」と言われる「キリスト」や、あるいは、「誰でも、仏になれる」と説いた「仏陀」などを筆頭にして、「科学技術」や「宗教」などの面で、「人類の発展」に貢献した人ほど、実は、大きな「悩み」や「苦しみ」を抱えていたようにも思われるのである。

つまり、「人生の目的」が「精神的な成長」にあり、「あの世」に帰った時に、どれほどの「宝物」を持ち帰ることができるのかということだが、実際には、「障害者」と言われる人々の方が、「健常者」よりも、より大きな「財産」を得られるようにも感じている。
(2015.11.28)

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マイナス金利の功罪

現在では、世界的な「マイナス金利」が、当たり前の状態となっているようだが、この点については、実に大きな「リスク」が内在しているものと考えている。つまり、「3ヶ月物のマイナス金利の国債を買い、満期まで保有する」ということは、「購入者が、3か月後に、確実に損をする状況」を表しており、一方で、「国債を発行した国家」は、その分だけ利益を得られるものと思われるからである。

別の言葉では、「マイナス金利の国債」を発行することは、「国家財政」にとって、「プラスの要因」とも言えるのだが、反対に、「国債の購入者」にとっては、大きな損失に繋がることも理解できるのである。そのために、「誰が、この国債を買っているのか?」が、最も重要なポイントとも言えるのだが、実際には、「日銀」や「ECB」などの「中央銀行」が、最後の買い手となっているのである。つまり、「中央銀行が、高値で国債を買い付けている状況」が、現在の「マイナス金利」を生み出した要因とも考えられるが、この時に、憂慮すべき点は、「中央銀行に、どれだけの損失が発生しているのか?」ということである。

より詳しく申し上げると、現在では、実質的に、「中央銀行の損失により、国家が利益を得ている状況」という「前代未聞の時代」となっているが、このような異常事態が存続可能な要件としては、やはり、世界的な「ゼロ金利政策」、あるいは、「超低金利政策」が指摘できるのである。別の言葉では、「量的緩和」という名の「国債の買い支え」が、現在の「歴史的に見ても、きわめて異常な金融政策」を可能にしているものと考えているが、問題は、「12月」にも実施されようとしている「アメリカの利上げ」とも言えるのである。

具体的には、「このままの超低金利状態が継続すると、過剰なリスクを抱えるとともに、金融システムの安定性が失われる恐れがある」という「危機感」を抱いた「イエレンFRB議長」が、「利上げ」を実施する可能性が高くなっているが、問題は、「この時に、どのような事が起こるのか?」ということである。つまり、「日本だけが、現在の超低金利状態を維持できるのか?」ということだが、かりに、「日本の利上げ」が実施されると、「日銀の資金繰り」に関して、重大な問題が発生することも予想されるのである。

そして、このことは、「当座預金への付利金利」のことだが、現在では、「約240兆円の当座預金」に対して、「0.1%の金利」を支払っており、今後、「付利金利の上昇」が起き、かりに、「0.5%」にまで上昇すると、「金利支払額」だけで、「約1.2兆円」もの金額にまで増えることも予想されるのである。(マイナス金利の功罪

現在では、世界的な「マイナス金利」が、当たり前の状態となっているようだが、この点については、実に大きな「リスク」が内在しているものと考えている。つまり、「3ヶ月物のマイナス金利の国債を買い、満期まで保有する」ということは、「購入者が、3か月後に、確実に損をする状況」を表しており、一方で、「国債を発行した国家」は、その分だけ利益を得られるものと思われるからである。

別の言葉では、「マイナス金利の国債」を発行することは、「国家財政」にとって、「プラスの要因」とも言えるのだが、反対に、「国債の購入者」にとっては、大きな損失に繋がることも理解できるのである。そのために、「誰が、この国債を買っているのか?」が、最も重要なポイントとも言えるのだが、実際には、「日銀」や「ECB」などの「中央銀行」が、最後の買い手となっているのである。つまり、「中央銀行が、高値で国債を買い付けている状況」が、現在の「マイナス金利」を生み出した要因とも考えられるが、この時に、憂慮すべき点は、「中央銀行に、どれだけの損失が発生しているのか?」ということである。

より詳しく申し上げると、現在では、実質的に、「中央銀行の損失により、国家が利益を得ている状況」という「前代未聞の時代」となっているが、このような異常事態が存続可能な要件としては、やはり、世界的な「ゼロ金利政策」、あるいは、「超低金利政策」が指摘できるのである。別の言葉では、「量的緩和」という名の「国債の買い支え」が、現在の「歴史的に見ても、きわめて異常な金融政策」を可能にしているものと考えているが、問題は、「12月」にも実施されようとしている「アメリカの利上げ」とも言えるのである。

具体的には、「このままの超低金利状態が継続すると、過剰なリスクを抱えるとともに、金融システムの安定性が失われる恐れがある」という「危機感」を抱いた「イエレンFRB議長」が、「利上げ」を実施する可能性が高くなっているが、問題は、「この時に、どのような事が起こるのか?」ということである。つまり、「日本だけが、現在の超低金利状態を維持できるのか?」ということだが、かりに、「日本の利上げ」が実施されると、「日銀の資金繰り」に関して、重大な問題が発生することも予想されるのである。

そして、このことは、「当座預金への付利金利」のことだが、現在では、「約240兆円の当座預金」に対して、「0.1%の金利」を支払っており、今後、「付利金利の上昇」が起き、かりに、「0.5%」にまで上昇すると、「金利支払額」だけで、「約1.2兆円」もの金額にまで増えることも予想されるのである。(2015.12.7)

本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion5834:151230〕