本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(223)

著者: 本間宗究(本間裕) ほんまそうきゅう:ほんまゆたか : ポスト資本主研究会会員
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ストレス発生のメカニズム

私自身の「心に関する仮説」を使うと「ストレスが、どのようにして発生するのか?」が説明可能なようだが、実際には、「心が対象物に執着した時に、ストレスが発生する可能性」である。つまり、健全な「心」は、「ころころ」が語源であるように、常に、「いろいろな対象に向かって、動き続けている状態」でもあるが、一方で、「四書五経の一つである大学」で述べられているように、「心ここにあらざれば、見れども見えず、聞けども聞こえず」というような状態の時に「ストレス」が発生するものと思われるのである。

別の言葉では、「特定の対象」に囚われ、「憎しみ」や「苦しみ」などの「感情」が生まれ、その結果として、「理性」に対して「心」が向かわなくなった状態のことである。つまり、「執着」という言葉のとおりに、「ある特定の人物や現象」に対して、「常に、心が向かい続けている状態」のことだが、この時には、「魂から心へ発せられる光や熱」が失われるようにも思われるのである。

その結果として、「心の闇」が発生し、「精神」のみならず、「肉体」までもが変調をきたす可能性があるものと思われるが、この時に重要な役割を果たすのが、「目配り」や「気配り」だと考えている。つまり、「目に見えるもの」にたいして「視線」を向けながら、「目に見えない心」で「他人を思いやる状況」のことだが、実際には、「電車に乗った時に、周りを見渡しながら、困った人がいないだろうか?」と考えるような状況のことである。

別の言葉では、「心の訓練」であり、「常に、心を動かす方法」だと考えているが、この結果として発生することは、「自分のことよりも、他人を思いやる行動」であり、また、「争いや諍(いさか)いのない社会」だと考えている。つまり、現代人が求めたものは、「物質的な豊かさ」であり、実際には、「心が、お金や地位、そして、名誉などを求め続けた状態」でもあったようだが、その結果として発生したのが、「過剰な執着心」と「心の闇」だったようにも感じられるのである。

そのために、今後、必要とされることは、「精神的な豊かさ」であり、実際には、「心が他人に向かう状況」により「精神的な満足感」が得られる可能性である。具体的には、「スーパーボランティア」と呼ばれた「尾畠春夫氏」のように、「自分自身のことを考えず、常に、困った人に対して、目配りや気配りをする状況」のことだが、このような状態になると、「精神的なストレス」が消滅するとともに、「残るのは、喜びだけではないか?」とも感じられるのである。(2019.3.19)

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みずほの巨額損失

4月1日の日経新聞に、「みずほの巨額損失」の記事が掲載されたが、具体的には、「6800億円の巨額損失」を計上した理由として、「ファンディング(資金調達)コストと運用利回りの差がマイナスになっているものを、一気に処理する」と述べられている。つまり、現在では、「地銀」のみならず、「メガバンク」にまで、「マイナス金利」や「超低金利状態」の副作用が表面化し始めたものと思われるが、少しだけ想像力を働かせると、「次に、どのような問題が起こるのか?」は、一目瞭然の状況とも言えるようである。

具体的には、「超低金利状態」に関して、「誰がメリットを受け、また、どのようにして実施されてきたのか?」を考えると、実際には、「日本の国家は、マイナス金利により、国債の発行で利益を得ている状況」とも言えるのである。また、「日銀」については、現在、「約0.24%前後の国債投資による金利」を得ている状況でありながら、一方で、「資金の調達コスト」が「約0.1%」という低水準のために、現在では、「数千億円もの利益」が出せる状況となっている。

別の言葉では、「デリバティブの大膨張」を背景に、「国民」に対して「20年以上もの間、実質上のゼロ金利政策が継続できた」という理由により、現在でも、「歴史的に、きわめて異常な超低金利政策が実施可能な状況」となっているのである。つまり、典型的な「短期借り、長期貸し」という手法が採用されているものの、現在の「超低金利状態」が継続している間は、「日銀の利益」が確保可能な状況とも考えられるのである。

しかし、このような異常事態が、永続できるはずもなく、間もなく、大きな環境変化の発生が予想されるが、実際には、「日銀の資金調達コスト」が「0.3%」に上昇するだけで、「日銀の損失発生」が想定されるのである。つまり、現在は、「日銀の国債買い付け余力」が、ほとんどなくなった状況であり、また、「金利の上昇」が発生すると「国債価格が、一挙に暴落する可能性」が高い状況となっている。

そのために、今後は、「国家」や「日銀」の「資金繰り」に関して、重大な問題が発生するものと思われるが、実際には、「最後の貸し手」である「日銀」が、「急速に、資金難に陥る可能性」である。つまり、現在では、「紙幣の増刷」しか、残された手段が無くなりつつある状況とも思われるが、このことが、以前から危惧していた「1991年のソ連」のような状況であり、間もなく、「日本」においても、より巨大な規模で始まろうとしているものと考えられるようである。(2019.4.11)

本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion8631:190510〕