20年間の空白期
現在、きわめて不思議な感覚を味わっているが、具体的には、「日本」のみならず、「世界」で「国債バブル」が発生している状況のことである。つまり、私自身は、「1999年」に、今回のような「国債バブルの発生と崩壊」を想定していたが、実際に起こったことは、「ゼロ金利の実施」と「デリバティブの大膨張」だったのである。別の言葉では、「20年間の空白期」を味わったわけだが、現時点における感想は、「このことにも、大きな意味が隠されていたのではないか?」ということである。
具体的には、「この期間に、人類の歴史を学ぶことができ、その結果として、自然科学と社会科学の関係性などが深く理解できた状況」でもあったが、一方で、「憂慮している点」は、「20年間の遅れが、今後、どれほどの違いを生み出すのか?」ということである。つまり、「20年の空白期」に発生した「デリバティブのバブル」が、今後、世界の金融界を、大きく荒らし回る状況が想定されるために、私自身としては、「何故、このようなことが起こったのか?」を考えざるを得ない状況となっているのである。
そして、結論としては、やはり、「天の計らい」や「神の思惑」という言葉が浮かぶ状況でもあるが、実際には、「ニュートンによる重力の発見以降、急速に発展した自然科学」が、大きな意味を持っていたものと考えている。つまり、「実体経済の急成長」が、その後、「マネー経済の急成長」に繋がり、最後の段階では、「人類史上初めて、通貨と実物資産との切り離しが実施された状況」となった展開のことである。
より具体的には、私が提唱する「信用本位制」というように、「単なる数字」が「本位通貨」となり、「世界のコンピューターネットワークの中で、コンピューターマネーが大膨張した」という状況のことである。ただし、この結果として発生した事態は、更なる「技術的な進化」であり、実際には、「AI(人工知能)」を筆頭にして、「未来の技術」が、幅広く開発されたことも見て取れるのである。
つまり、私自身としては、「自然科学」の発展が、今後、「社会科学」の発展に繋がる状況を想定しており、この時に必要な条件が、「心の謎」を解明することだと考えている。別の言葉では、「20年間の空白期」に、「自然環境」が破壊され、「心の闇」が世界的に広がったわけだが、このことにも、「人智を超えた思惑」が存在するものと思われるが、この点については、「国債のバブル」が世界的に崩壊した時に、すべてが明らかになる可能性が高まっているようにも感じている。(2019.8.9)
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断末魔の叫びを上げ始めた現代社会
現在、世界の金融システムは、「断末魔の叫び」を上げている状況とも言えるようだが、実際のところ、「オーストリアの100年国債価格」や「アルゼンチンの株価」などを見ると、「何らかの異常事態」が発生している可能性も想定されるのである。つまり、「1971年のニクソンショック」から始まった「信用本位制という通貨制度」や「約200年前から始まった資本主義」、そして、「約800年前からスタートした西洋の時代」の全てが、崩壊の危機を迎えている可能性のことである。
より具体的には、「断末魔」という言葉が意味するとおりに、「末魔」という「急所」が断たれ、世界全体が悲鳴を上げている可能性のことだが、この点に関して重要なことは、「何が、現代社会の急所なのか?」ということでもあるようだ。別の言葉では、現在の「世界的な金融混乱」を理解するためには、少なくとも、「過去百年間に、世界の通貨制度が、どのような変化を経験したのか?」、また、「資本主義の時代に、実体経済が、どれほどの成長をしたのか?」、そして、「実体経済とマネー経済との関係性に、どのような変化が発生したのか?」を理解する必要性が存在するものと想定されるのである。
つまり、「現在の混乱」だけを理解しようとしても、「三次元の経済学」という言葉のように、「何が何だか、訳が分からない状態」に陥る可能性が高くなり、そのために、「四次元の経済学」という、「過去数百年、あるいは、過去数千年間に、どのような推移を経て、現代社会が形成されたのか?」を理解する必要性が存在するのである。
具体的には、「西暦1200年頃」から始まった「西洋の時代」において、「唯物論」という「目に見えるもの」に価値観が、「人々の意識や行動を、どのように変化させたのか?」ということである。そして、この点に関して、最も大きな役割を果たしたのが「信用」であり、実際には、「人々の絆」が「信用」を生み出し、その結果として、「西暦1600年頃」に「時は金なり」の思想が誕生したのである。
また、現在では、大膨張した「マネー」が、「人の心」までをも支配した状況とも言えるようだが、この時に、「現代の末魔(急所)」を考えると、やはり、「信用の消滅」が想定されるようである。つまり、現在の「世界的な国債バブル」は、世界に存在する「信用」を、完全燃焼している段階であり、今後、最も注目すべき点は、「国債バブルの崩壊」により、世界の「信用」、そして、「お金(マネー)」が、ほぼ瞬間的に蒸発する可能性だが、現在は、まさに、その最終局面に差し掛かっているようにも感じている。(2019.8.15)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
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〔opinion8984:190910〕