本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(243)

著者: 本間宗究(本間裕) ほんまそうきゅう:ほんまゆたか : ポスト資本主研究会会員
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「ドラえもん」と「のび太」の関係性

「自然科学」と「社会科学」の関係性を理解する時に、漫画の「ドラえもん」が参考になるものと考えている。具体的には、「ドラえもんの四次元ポケット」から出てくる「タケコプター」や「翻訳こんにゃく」などの「さまざまな道具」が、「過去数百年間、そして、将来的に発展し続ける科学技術文明」を表している可能性であり、具体的には、現在の「ドローン」が「タケコプター」、そして、「ポケトーク」が「翻訳こんにゃく」の役割を果たしているようにも感じられるのである。

また、数百年前の人類が考えた「千里眼」や「透視術」などの、いわゆる「神通力」については、すでに、「放送技術」や「レントゲン」などで実現された状況とも考えられるようである。つまり、「自然科学」については、「現代人の神通力」により、飛躍的な発展を遂げたものと思われるが、問題は、やはり、「経済学」や「心理学」などのように、「旧態依然とした状態に置かれている社会科学」とも言えるようである。

そして、この点を、「のび太の精神性」で考えてみると、「現代の戦争」は「ジャイアンにいじめられたのび太が、ドラえもんに最強の武器を頼んだ状況」とも想定できるようである。つまり、「けんかで勝つために、最強の武器をドラえもんに頼んだ状況」を考えると、実際には、「核兵器」が、この条件に当てはまるものと思われるが、このことは、「人々の命」や「周りの環境」などを無視して、「争いに勝つ」という条件だけを追求した結果として「人類が、核兵器を開発した状況」とも考えられるようである。

また、このことは、現在の「地球環境問題」にも応用が可能なものと思われるが、実際には、「利益追求」だけを目論んだ人類が、さまざまな「科学技術」を発明したものの、「使い方を誤った結果として、地球との共生が難しくなった状況」のことである。つまり、「のび太の精神性向上」という「社会科学の発展」が遅れているために、「四次元ポケットから出てくる商品」、すなわち、「人類が、霊感などにより、天や神から得た知識や技術」が誤って使われている可能性のことである。

そして、この点については、「西洋で、100年以上も前から指摘されていた状況」でもあったが、実際には、「富の支配」に甘んじていた現代人が、「自分の生活」が脅かされるまで「精神性の問題」を無視していたものと考えられるのである。しかし、一方で、この時に役立つのは、今から1200年ほど前に「空海」が著した「三教指帰(さんごうしいき)」や「十住心論」などの「人間の成長過程」を表した書物だと感じている。(2019.10.26)

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リーダーとガバナー

西暦1800年前後に「資本主義」が成立したと言われているが、「過去200年に、どのような変化が発生したのか?」を考えると、「イギリス(大英帝国)」や「アメリカ」が、「覇権国家」という「ガバナー(支配者)の役割」を果たしてきたことには、誰も異論がないものと考えている。しかし、一方で、「日本は、どのような立場だったのか?」については、基本的に、「リーダー(先導者)の役割」を果たしてきたようにも感じているが、実際には、第二次世界大戦後に、「実体経済の高度成長」を達成し、その後、「金融政策の」の面で、現在、世界の先導者となっている状況のことである。

具体的には、「金融システムの崩壊を防ぐために、ありとあらゆる手段を実施した状況」のことだが、この点を、より深く考えると、実際には、「明治維新以降も、同様の状況だった可能性」が浮かび上がってくるのである。つまり、「富国強兵」と「殖産興業」という「スローガン」、また、「廃仏毀釈」と「簡素化された神道」という「意識のコントロール」により、「明治維新から第二次世界大戦」まで、日本は、着々と、軍事国家への道筋を辿ったことも見て取れるのである。

そして、この時に重要な点は、「天皇陛下」に対して、突如として、「絶対的な権力」を付与したことだと思われるが、実際には、最後の段階で「現人神」と呼ばれるほどの「偉大な存在」と考えられたのである。つまり、「国民が、政府に反抗できないような状況」となったようだが、この点については、現在、「お金(マネー)」が「現代の神様」となり、「誰も、政府の異次元金融政策に反抗できない状況」が参考になるものと考えている。

また、この点に関する注目点は、「これから、どのような結末を迎えるのか?」ということだが、ご存知のとおりに、「明治維新から77年後に、日本は敗戦を迎えた」という状況でもあり、そのために、「敗戦から75年目を迎えた現在」が、たいへん気に掛かる状況とも言えるのである。つまり、「金融敗戦」が発生する可能性だが、この点については、「少子高齢化」や「老後の2000万円」などの「問題」により、多くの日本人は、心の底で、将来の予想を持ち始めた状況とも言えるようである。

具体的には、「国家財政の行き詰まり」が発生する可能性だが、この点については、現在、「恐いもの見たさ」という「心理」よりも、「恐いものは発生して欲しくない」という「願望」の方が勝っている状況とも言えるようだが、参考になるのは、「1945年の日本人」が「敗戦により、ほぼ瞬間的に、民主主義に転換した事実」だと考えている。(2019.11.1)

本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion9229:191202〕