世界に拡大中の反政府デモ
現在、世界各地で「反政府デモ」が発生しているようだが、この原因としては、基本的に、「リーマン・ショック以降に発生した、世界的な資金の奪い合い」が指摘できるものと考えている。具体的には、「マネー経済」の実情として、「2007年から2008年に、歴史的な残高のピークを付けた」という点が理解できるが、問題は、「その後に、どのようなことが起こったのか?」ということである。
つまり、「実体経済」に比べて「約10倍」というように、きわめて異常な規模にまで膨れ上がった「マネー経済」の内部で、「内部分裂」が発生していたわけだが、実際には、「政府」と「国民」との間で、「資金の奪い合い」が起こっていたのである。別の言葉では、「通貨の堕落」の一手法である「中央銀行の資産を大膨張させて、国債を買い付ける方法」が実施されていたわけだが、実際には、「ケインズ」が述べたとおりに、「百万人に一人も気付かずに、事態が進行する状況」となっていたのである。
より具体的には、「江戸時代の貨幣改悪」のように、「通貨の質」が落ちていたのだが、実際には、私が提唱する「信用本位制」という、人類史上、まったく初めての通貨制度となっていたために、実情に気付く人は、ほとんど存在しなかったことも理解できるのである。つまり、「江戸時代の人々」は「小判の色が白くなった時に、初めて、貨幣の改悪に気付いた」という状況だったが、現代人は、「キャッシュレス社会の到来」を信じ込み、「単なる数字」という「将来的に価値が無くなる可能性が高い通貨」を、喜んで受け入れたのである。
その結果として発生したのが、前述の「資産の奪い合い」であり、実際には、「中央銀行が、国民の預金を使い、国債を大量に買い付けた状況」、すなわち、「国家が、国民の資金を使い、国家財政の破綻を先延ばしした状況」とも考えられるのである。別の言葉では、「サステナビリティ(持続可能性)」に問題があり、将来的に、間違いなく「ティッピングポイント(臨界点)」に見舞われる手法を取っていたわけだが、実際には、「臭いものには蓋」というような態度により、ほとんど実情が知らされていなかったのである。
しかし、「このような状況には、必ず、『限界点』や『臨界点』が訪れる」ということが「歴史の教える真理」であり、現在では、すでに、この段階に到達したものと考えられるわけだが、私が最も危惧していることは、「日本が、何時、このような状態に陥るのか?」ということである。(2019.12.20)
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干支から見る2020年
2020年は「庚子(かのえ ね)」という暦になるが、「庚」は「更」に通じ、「今までの流れが転換する様子」、あるいは、「10年毎にバブルの崩壊が発生しやすい状況」を表している。また、「子」は「ネズミが増える様子」を意味しており、二つを合わせると、「今までとは違った展開が、一挙に進展する状況」が予想されるが、今回は、「800年に一度」の「西洋文明から東洋文明への交代期」とも重なっているために、想定以上の大変化が発生するものと考えている。
具体的には、「西洋の時代」を特徴付けてきた「マネー(お金)」に関して、劇的な変化が発生する可能性のことであり、実際には、「生命を取るのか、それとも、お金を取るのか?」という選択肢が、人類に突き付けられている状況とも感じられるのである。つまり、「債務の宴」と呼ばれたような「借金漬けの過剰消費」を今後も継続し、「人類が、地球に住めないような状況を作り出すのか?」、それとも、「地球環境に適合する技術を選択し、全人類が、この方向に向かって動き出すのか?」ということである。
別の言葉では、「ニュートン」の頃から始まった「自然科学の発展」と同様に、今後、「経済学」や「哲学」などの「社会科学」が、「どれほどの発展を見せるのか?」ということでもあるが、この時に、重要な意味を持つのが、「心の謎」だと考えている。つまり、「自然科学」については、「ケプラーからニュートンへ」という言葉のとおりに、「ニュートンが重力を発見して以降、飛躍的な発展を遂げた」という状況だったが、ご存知のとおりに、「技術を使いこなす人間」については、依然として、「天動説のような経済学」を信奉している状況とも言えるのである。
具体的には、「データや知識がマネーを生み出す」というような驚くべき意見が信じ込まれている状況のことだが、「2020年」は、このような「富のバブル」が完全崩壊する展開を想定している。つまり、「お金の謎」が解けることにより、「新たな時代」が始まる可能性のことだが、実際には、今までの「無明(むみょう)」という「仏教が教える混迷の時代」が終了し、今後は、「真理の光」が照らし出される状況のことである。
つまり、本格的な「インフレ」が始まることにより、「現代人が、さまざまな問題を根本から考え始める状況」、すなわち、「何故(なぜ)」を考え続けた後に「閃き」や「霊感」が得られる状況のことだが、現在、求められているのは、この態度であり、今後は、「世界的な常識」になる可能性があるものと感じている。(2019.12.23)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion9371:200121〕