デジタル革命の正体
現在、多くの人が想定していることは、「デジタル化の進展により経済が成長し、また、新たな収益源になる」という状況とも思われるが、私自身は、この点について、かつての「ビッグデータ資源説」と同様に、本末が転倒した意見のようにも感じている。つまり、手段と目的が混同されている可能性のことだが、実際には、「お金儲け」が目的であり、「デジタル化」は手段の一つに過ぎないものと想定されるのである。
別の言葉では、現代の「お金儲け」が、「どれだけ多くのデジタル通貨を獲得できるのか?」という状況となっており、このことは、「1971年のニクソンショック」以降に生まれた概念とも言えるのである。つまり、それまでの「金本位制」から、私が提唱する「信用本位制」に変化した結果として、「お金儲けの方法論」が激変したわけだが、実際には、「コンピューターネットワーク」の中で、「コンピューターマネー(デジタル通貨)」を獲得することが、現代人の目的の一つとなってしまったのである。
より具体的には、「お金持ちになれば、素晴らしい人生が送ることができる」、あるいは、「お金が人生の全てである」というような錯覚や誤解を持った人々が、世界全体に充満した結果、目に見えないデジタル通貨を求める人が増えたものと考えられるのである。そして、手段と目的とが混同され、「デジタル化の進展により、デジタル通貨はさらに増える」という誤解が発生しているようだが、この点には、二つの落とし穴が存在するものと考えている。
具体的には、「お金」の「量と価値の関係性」のことだが、実際には、かつての「ゴールドラッシュ」からも明らかなように、「商品の量が変化しない状況下で、金の採掘により通貨の量が増えると、物価が上昇する」という厳然たる事実が存在するのである。そして、もう一つの誤解は、世界的に認識されている「2006年から2009年のGFC(金融大混乱)」の時が、実は、「デジタル通貨残高のピーク」であり、現在では、実質上、「デジタル通貨が枯渇し始めた状況」となっている事実である。
つまり、現在は、すでに役に立たなくなり始めた「デジタル通貨」の獲得のために、「デジタル化の発展」に対して、巨額な費用が投資されているわけだが、私自身としては、「デジタル通貨」の発展が「世界のデジタル化」を促進し、その結果として、「デジタル技術が、今後、社会科学の発展に貢献する可能性」に期待している。具体的には、「AIの応用」により、哲学や経済学などが発展し、その結果として、「人生の最善手」が発見され、「地球との共生」、あるいは、「争いのない時代」が可能になる展開のことである。(2020.9.29)
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DXバブルの崩壊
「2020年9月」は、将来的に、「DXバブルが崩壊を始めた月」と言われるものと考えているが、この点については、実際のところ、「半年程度の遅れが存在した状況」のようにも感じている。つまり、私自身は、「2000年の3月」に崩壊した「ITバブル」と同様に、今回の「DXバブル」についても、「2020年の3月前後に崩壊する展開」を想定していたが、実際には、「コロナ・ショック」により、最後の波動に関して、時間的な歪みが発生した状況だったようにも思われるのである。
別の言葉では、「DX(デジタルトランスフォーメンション)」という言葉が使われるとともに、「将来の成長産業は、デジタル関連銘柄である」という認識が、世界的に広がり、バブルのような状況となった可能性である。つまり、かつての「ニューエコノミー」と同様の状況のようにも感じているが、実際には、大量に生み出された「デジタル通貨」に関して、「回光返照(かいこうへんしょう)」という「ローソクが燃え尽きる前の最後の輝き」のような状態だったものと考えている。
より具体的には、「実体経済のマヒ状態」を反映する「動き」の一つであり、かつての「ビットコイン」と同様のバブルだったものと考えているが、今後の注目点は、やはり、「残された巨大バブルの崩壊」だと考えている。具体的には、以前から指摘してきた「デリバティブと国債のバブル」のことだが、現時点では、「全面的な崩壊」が近くなっており、実際には、今後の数か月間が要注意の時期のようにも感じられるのである。
つまり、「暦のサイクル論」からは、「2006年から2009年のGFC(金融大混乱)」と「2020年の10月から2021年の1月」の期間が、「暦のフラクタル(相似性)」の関係となっているのである。そのために、「この期間に、大事件が発生する可能性」を憂慮しているが、実際のところ、今回の「DXバブルの崩壊」は、これから想定される「デリバティブのバブル崩壊」と比較すると、規模的に小さかったことも理解できるのである。
より具体的には、これから想定される「金利の急騰」、そして、「世界的な紙幣の大増刷」については、「私自身も予想が付かないほどの衝撃を、世界全体に与える可能性」が存在するものと思われるのである。そのために、現時点では、今まで以上の緊張感をもって、相場を注視している状況でもあるが、実際には、「日々刻々と、私が想定する最終事態に向かって動いている展開」であり、今後の大変化については、全く予断を許さない状況とも言えるようである。(2020.9.30)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion10221:201022〕