認識のメカニズム
「哲学」や「心理学」などの勉強を始めると、「自分の無知さ」を認識し、基本に立ち返らざるを得なくなるが、具体的には、改めて、「認識とは何か?」などを問い始めている状況のことである。そして、この時には、「仏教の知識」や「心の仮説」が役に立つものと思われるが、実際のところ、「認」という言葉は「肉体が対象物を、直接的、あるいは、間接的に把握する状態」とも考えている。
また、「識」については、「般若心経」の「色受想行識」が当てはまるものと思われるが、実際には、「色」という「対象物」に関して、「受」で受け止め、その後、「想」で思いを巡らせ、また、「行」という実践により、本当の「識」が得られる状況のことである。つまり、今まで無造作に使っていた「認識」という言葉にも、これほど深い意味が込められていたわけだが、この点を、より深く分析することにより、「人間と動物の違い」や「言葉によるコミュニケーションのメカニズム」などが理解できるものと感じている。
より具体的には、「人間の感情や思考などが、どのようにして他人に伝わるのか?」、あるいは、「人々の経験を、どのようにして文字に残し、後世の人々に伝えるのか?」という点に関して、「目に見えない意識や感情が、どのようなメカニズムで、目に見える文字に変換され、他人に伝わるのか?」を解明する必要性のことである。別の言葉では、「自然科学の発展」が「数霊(カズタマ)の解明」という「数学の進化」により達成されたわけだが、今後は、「社会科学の発展」において、「言霊(コトダマ)の解明」という「心理学や哲学の進化」が必要とされる可能性のことである。
つまり、「今後、どのような社会が形成されるのか?」ということであり、この点に関して必要なことは、「過去の歴史を分析しながら、人々が、どのような意識で、どのような社会を作り上げてきたのか?」を詳しく分析する必要性である。具体的には、現在の「物質文明の社会」が「マネーの大膨張」によって形成され、このことは、「800年間にわたり、人々の物質的な欲望が具現化された状況」だったことを理解することである。
そして、今後の「800年間」においては、「精神文明の社会」が築き上げられるものと考えているが、現時点で重要なポイントは、「大膨張したマネーが、どのような展開により、収縮するのか?」を正確に理解することが大切だと感じている。つまり、これから想定される大混乱期を無事に乗り切りながら、次の時代の創造に向かって準備を行う必要性のことである。(2021.3.24)
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権力の魔力と罠
人類の歴史を振り返ると、「権力を握った人々は、多くの場合において、同じような罠に陥りやすいのではないか?」と言えるようである。具体的には、「中国の共産党」であり、また、「日本の自民党」のことだが、どちらも、「苦節の時代」を経て、現在の「絶頂期」が存在しながらも、「権力の魔力」に魅せられて、いつの間にか、「排除の論理」が導く「先細りの袋小路」に入りつつある状況のようにも感じられるのである。
つまり、「権力の源は、武力や資金力であり、また、自分に逆らう人々を排除する人事権」だと考えているが、現在の「中国共産党」と「日本の自民党」を見ていると、「独裁者に逆らうものは排除され、イエスマンだけが出世する組織」となっているようにも思われるのである。そして、結果としては、「排除された人々」が増えたために「独裁者とイエスマンが少数派になりつつある状況」とも思われるが、今回、特に気になった点は、「人権問題を指摘された中国共産党が、海外の商品をボイコットしている事実」である。
別の言葉では、「権力を構成する要素の一つ」である「資金力」を頼りにして、「中国共産党を非難した国は、自国の商品がボイコットされることにより、経済的な苦境に陥る」というような「脅し」をかけられた状況のことである。そして、今までは、このような外交政策が、ある程度、功を奏していたものと思われるが、現在、注目すべき点は、「お金と実物商品との関係性が逆転し始めている状況」とも言えるのである。
より具体的に申し上げると、40年ほど前、それほど裕福な国ではなかった「中華人民共和国」が、現在では、「武力と資金力を背景にして、世界の覇権国にのし上がろうとしている状況」となっているのである。そして、「台湾への侵攻」までもが危惧されている状況でもあるが、現在、私自身が危惧している点は、やはり、「金利の上昇とともに、デジタル通貨が役に立たなくなる可能性」であり、このことは、「米中が保有している資金が、ほとんど頼りにならなくなる展開」とも考えられるのである。
つまり、「権力の暴走」は、最後の段階で、「天地自然の理」によって阻止される場合が多いわけだが、今回は、最初に「人類が保有する資金」、そして、最後に「核戦争が引き起こす自然破壊により人類が淘汰される可能性」も想定されるのである。別の言葉では、「権力争いなどをしている余裕は既に存在せず、全人類が力を合わせて、環境問題などの難問に取り組むべきである」ということが、現時点における「天からのメッセージ」のようにも感じられるのである。(2021.3.27)
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連鎖破裂を始めたデリバティブの時限爆弾
野村証券が巨額の損失を被った「アルケゴス・キャピタルの株式投資における損失事件」は、以前から申し上げていた「デリバティブの時限爆弾が連鎖破裂を始めた状況」だと考えている。つまり、「2008年前後に約8京円で残高のピークを付けたデリバティブ(金融派生商品)」については、その後、「国債の大量買い付けにより、きわめて異常な超低金利状態が造り出された状況」、すなわち、「量的緩和(QE)」の名のもとに、実質的な隠ぺいが行われた状況だったものと想定されるのである。
より具体的には、「デリバティブの完全崩壊」を許すと、「世界の金融システム」までもが崩壊する可能性が存在したために、「日米欧の中央銀行」を中心にして、「国民の資金を借りて、国債の大量買い付けを実施した」という展開のことである。そして、この手段については、「中央銀行が、国民から資金の借り入れが可能な限り、また、国民が実情に気付かない限り、問題発覚の先送りが可能だった」という状況でもあったのである。
しかし、現在では、ご存じのとおりに、「世界的な金利上昇」という「爆弾が破裂する予兆」が発生しており、この結果として、「時間の問題でデリバティブ爆弾の破裂が始まる展開」が想定されたのである。別の言葉では、「四次元の経済学」から判断できたことが、「デジタル通貨の枯渇により、デリバティブに関して、巨額の損失が発生する可能性」であり、また、これから想定されることは、「デリバティブの時限爆弾が、今後、連鎖的に破裂し、数か月後には、残高がゼロ近辺にまで落ち込む可能性」とも言えるのである。
つまり、これから予想される事態は、もっとも巨額な残高を保有する「金利デリバティブ」に関して、巨額損失が発生し、その結果として、世界の金利が急騰する事態とも考えられるのである。そして、結果としては、「最後の貸し手」である「中央銀行」が、世界的に「紙幣の大増刷」を始める展開も想定されるが、この時には、以前から指摘してきたとおりに、「紙幣はコンピューターネットワークの中を流れることができない」という「金融界の白血病」が発生するものと思われるのである。
別の言葉では、「1971年のニクソンショック」から始まった、私が提唱する「信用本位制」という通貨制度が継続不能な事態に陥る可能性のことである。そして、この点については、「ケインズ」が指摘するとおりに、「どのような通貨制度も、50年程度が有効性の限界点である」という状況であるとともに、今後は、「未曽有の規模の大インフレを経て、新たな通貨制度が模索される展開」を想定している。(2021.3.30)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion10798:210427〕