本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(319)

著者: 本間宗究(本間裕) ほんまそうきゅう:ほんまゆたか : ポスト資本主研究会会員
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世界の構造と仕組み

数学者の「岡潔博士(1901年-1978年)」は、「世界は法界(ほっかい)、自然界、そして、社会から成り立っている」と理解していたようだ。つまり、「神の意志も包摂した大宇宙」が「法界」を表し、また、その中に浮かぶ「地球」が「自然界」、そして、「地球に住む人類が、コミュニケーションや絆などで結びついている状態」が「人間社会」とも考えられるのである。

別の言葉では、「約138億年の歴史を持つ大宇宙」や「約46億年と言われる地球の歴史」、そして、「わずか数万年にすぎない人類社会」に関して、「法界と人間社会を結びつける仕組み」、すなわち、「神の意識が人間社会に伝わる仕組み」が存在するものと思われるのである。そのために、現在では、いろいろな有識者が、「量子力学」などを参考にしながら、「目に見えない世界」を研究し始めた状況とも想定されるのである。

より具体的には、「ライプニッツ(1646年-1716年)の予定調和」のように、「世界の歴史は、神の計らいのとおりに進展している」、そして、「今後は、量子力学と認知言語学などの応用により、より高度な智慧の獲得が可能である」という理解のことである。つまり、現在の「統計学」については、「100年程度の歴史しか持たず、また、きわめて限られた世界しか対象となっていない状況」のために、「経済学」のみならず、「自然科学」においても、不信感が生まれている状態とも想定されるのである。

そのために、現在では、「ユングの心理学」などのように、「世界全体は、いったい、どのような成り立ちとなっているのか?」、あるいは、「人間の心とは、いったい、どのようなものなのか?」を考える人々が増えている状況のことである。別の言葉では、「マネーの大膨張」によって結び付けられている「人間社会の現状」を憂いている人々が、「仏教」や「哲学」などを、改めて研究し始めた状況のことである。

そして、このことが、「西洋から東洋への文明移行」を象徴する出来事の一つとも考えているが、この点に関して、興味深い事実は、「100年ほど前から、すでに、いろいろな兆候が出ていた事実」のことである。つまり、「神は死んだ」という言葉で有名な「ニーチェ」の時代において、すでに、「神の意志」などの知識を必要とする「ユングの心理学」や「量子力学」などが理解され始めた状況のことでもあるが、この点に関して残念な事実は、やはり、「現在の経済学が、いまだに、天動説のレベルにとどまっている状況」とも言えるようである。(2021.7.1)

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チャイナ・アズ・ナンバーワン

7月1日に行われた「中国共産党創立100周年式典」で、「習近平総書記」」は、歴史に残る「迷演説」を行ったようだが、具体的には、「歴史を教訓とせず、また、未来の可能性を潰すような内容」だった可能性のことである。つまり、すでに時代遅れとなった「マルクス主義」に関して、「党の魂と旗印であり、中国共産党の指導思想である」と述べているわけだが、このことは、「資本主義の崩壊後に、社会主義の時代が訪れる」という「誤った考え」を踏襲している状況のようにも感じられるのである。

別の言葉では、「中国5000年の歴史」を無視して、「西洋の誤った思想」を取り入れた状況とも思われるが、本来、「中国哲学」と呼ばれるものは、「インド仏教や道教、あるいは、儒教などを基礎にした人間哲学」とも言えるのである。つまり、「共産党の一党独裁」、あるいは、「独裁者の崇拝」とは、全く正反対の位置にあるわけだが、今回の演説では、悪名高き「中華思想」が全面に押し出されていたようにも感じている。

より具体的には、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という「ほめ殺しの言葉」により「自滅の道を辿った日本」から想定されるように、現在の中国は、「指導者そのものが、チャイナ・アズ・ナンバーワンと自画自賛するような状況」とも思われるのである。別の言葉では、「1945年の敗戦」から「約45年後」に、「実体経済の成長が引き起こしたバブル」が、日本で崩壊したわけだが、現在の中国については、「デリバティブのバブル」が引き起こした「マネー大膨張」の恩恵を受けて、「奇跡的、かつ、未曽有の規模での経済成長を達成した段階」とも言えるのである。

ただし、今後の注目点としては、「マネーの根幹である信用」に関して、「中国共産党の戦狼外交が、世界全体を敵に回す可能性」、すなわち、「中国の信用が、一挙に崩壊する可能性」も考慮すべき状況とも思われるのである。そして、結果としては、「共産主義(コミュニズム)」の真意である「コミュニティーへの回帰」が発生するものと思われるが、このことは、「中国の三国志」が復活するような展開とも言えるのである。

つまり、「中国の統一」ではなく、「中国の分裂」のことでもあるが、この点については、「1991年のソ連」が典型的な例であり、現在の中国は、この事実を反面教師として成功したのである。しかし、実際には、「資本」という「お金」を頼りにした国家が、「国家の財政問題により、あっという間に崩壊する展開」が想定されるわけだが、この点については、「先進各国」も「中国」と同様に危機的な状況とも言えるようである。(2021.7.2)

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インドラの網

仏教に「インドラの網」という言葉があるが、このことは、「インドラ(帝釈天)が住む宮殿を飾っている網」を意味し、具体的には、「その無数の結び目の一つ一つに宝珠があり、それらは互いに映じ合って、映じた宝珠が更にまた互いに映じ合う」というものである。そして、このことは、「人間社会」を表しており、ユングが指摘するように、「一人ひとりが宝珠の玉であり、また、深層心理で結びついている状況」とも思われるのである。

別の言葉では、現在の「インターネット」のように、「人間の魂が、すべて繋がっている状況」、すなわち、「神様のネットワーク」のようなものが存在する可能性のことでもあるが、実際には、「量子力学」などの「微視的物理理論」が指摘するような状況とも思われるのである。つまり、「ライプニッツの予定調和」のとおりに、「神様が、100年ほど前から、いろいろな準備をしていた可能性」が指摘できるものと考えられるが、具体的には、「1971年のニクソンショック」を境にして、それまでの約50年間が、「微視的物理学の勃興期」であり、また、その後の約50年間が、「インターネット網の構築と、デジタル通貨の大膨張が実現された時期」だった展開のことである。

より具体的には、「西洋の物質文明」から「東洋の精神文明」への「橋渡し」として、「目に見えるインターネット網」を構築することにより、「目に見えないインドラの網(神のネットワーク)」の存在に気付かせようとした可能性のことである。別の言葉では、「大膨張した現代のマネー」に関して、「目に見える紙幣や金貨」などから「目に見えないデジタル通貨」へと質的な移行をし、その後、「大インフレ(通貨価値の激減)」を発生させることにより、一挙に、「神のネットワーク」がつながる展開のことである。

つまり、「お金の魔力」に惑わされた現代人が、「1945年の日本人」のように、「一挙に、価値観の大転換を経験する状況」のことでもあるが、この時に必要とされる条件は、「心の仕組み」の理解とも言えるようである。具体的には、過去の哲学者が、異口同音に指摘しているように、「外的に知覚されたものと、内的な観念とを比較し、両者が一致するか否かを判断すること」である。

別の言葉では、「肉体」と「精神」との関係性において、「心が、どのような役割を果たしているのか?」を理解することでもあるが、この点については、「過去の哲学者が、洋の東西において、どのような意見を述べているのか?」を深く研究することにより、正しい答えが得られるものと感じている。(2021.7.3)

本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion11176:210807〕