本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(324)

著者: 本間宗究(本間裕) ほんまそうきゅう:ほんまゆたか : ポスト資本主研究会会員
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5年間に及ぶ日銀の長短金利操作

8月9日付けの日経新聞に「日銀、長短金利操作5年の功罪」という記事が掲載され、「長短金利操作は、できるかできないかのフィージビリティの議論と、すべきかすべきではないかという規範的な議論を分ける必要がある」という、当時の「雨宮現副総裁のコメント」が紹介されていた。そして、このことは、「政府の御用新聞」とも揶揄されがちな「日経新聞」にとっては、きわめて異例な事態のようにも感じられたが、実際には、「BISのギブアップ宣言」からも理解できるように、「日銀が先導役となった先進各国の異常な超低金利政策」に関して、大きな転換点が訪れた可能性も想定されるのである。

具体的には、「日本国政府が、76年前と同様に、大々的なインフレ政策を実施し始める可能性」のことであり、実際には、「名目GDPや税収の急拡大により、国家の借金を棒引きにする政策」のことである。つまり、「2015年9月」に日銀が掲載した「戦後のハイパーインフレ」のコラムのとおりに、今後、日本の金融政策が実施されるものと思われるが、このことには、数々の落とし穴が潜んでいるものと想定されるのである。

別の言葉では、これから予想される「世界的な大インフレ」については、「決して、過去の例から推定されるような規模のものではなく、空前絶後の状態に陥る可能性」を考える必要性のことである。ただし、一方では、「第二次世界大戦時とは違い、世界的な生産設備のインフラが保存される可能性」も想定されるために、これから予想される「金融界の白血病」については、今回のオリンピックの「池江選手」のように、「短期間で回復する可能性」も想定されるのである。

そして、その後は、「量子力学」や「分子生物学」などのように、「高度な次元にまで発展した自然科学」を見習って、「経済学や哲学、あるいは、心理学などの社会科学が、より高度な次元にまで発展する可能性」も予想されるのである。つまり、「人類の絶えざる進化と創造」が、今後も継続するものと考えているが、残念な点は、「私自身が、年齢的に、どこまで、この発展を見届けることが可能か?」ということである。

ただし、安心できる点としては、「人類の驚異的な発展」の理由として「文字による智慧の移転」が指摘できるようだが、特に、現在のような「インターネットで情報が瞬時に得られることができ、また、AIにより短時間で翻訳可能な時代」においては、「真理の光が世界を照らし、一人ひとりが、それぞれの才能をフルに発揮する時代の到来」も、それほど遠い将来とは言えないものと感じている。(2021.8.9)

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マネーの大洪水

8月9日の日経新聞に掲載された「マネーの大洪水」に関する記事には、根本的な誤りが存在するために、決して、内容を鵜吞みにしてはいけないものと考えている。つまり、「正しい分け方ができないために、現状が分からなくなっている可能性」が指摘できるようだが、私自身の経験則としては、「正しく分ければ、全てが分かる」という事実が存在するものと感じている。ただし、現時点での感想としては、「マネーに関する分け方」は理解でき、その結果として、「お金の謎」は、ほとんど解明できたものの、一方で、「マネーの大膨張」を産み出した原因である「人々の欲望」、そして、「心の謎」については、道半ばの状況とも思われるのである。

そのために、今回は、「米国金融市場の実情」を振り返りながら、「日経新聞の記事に、どのような誤りがあるのか?」を分析したいと思うが、実際には、「FRBのバランスシート」において、「負債であるリバースレポの残高が急上昇している理由」が指摘できるものと考えている。つまり、「現在のFRBは、資金繰りの問題に直面した結果として、短期間の資金手当てに追われている状況」となっているものの、今後は、「資金手当ての方法」において、劇的な変化が発生する展開も想定されるのである。

より詳しく申し上げると、「2008年前後に発生した金融の大地震」以降、「世界各国の中央銀行は、長短金利の操作により、デリバティブのバブル崩壊が表面化する危機を抑え込んでいた状況」だったのである。つまり、「2%のインフレ目標を達成する」という「大本営的な発表」を繰り返すことにより、「国民の預金が、実物市場に流れ込まない状況」を維持することに腐心してきたのである。

別の言葉では、「どのような通貨が、どのような商品に流れ込んでいたのか?」という点において、「デジタル通貨が金融商品に流れ、その結果として、既存のインフレ指数が低く抑え込まれていた状況」だったのである。しかし、現在では、「金融界のブラックホール」とでも呼ぶべき「デジタル通貨が造り出した闇の世界」という状態から、「徐々に、リアル通貨である紙幣が、実体経済に流れ出した状態」とも言えるのである。

そして、今後は、「大量の紙幣が、現実世界の全体に流れ込む状態」、すなわち、「インフレの大津波」が想定されるわけだが、この時に必要なことは、金融界の「ノアの箱舟」であり、実際には、「心の謎」が解明されることにより、「社会科学や人類精神の次元上昇」という、いわゆる「霊的アセンション」のようにも感じている。(2021.8.10)

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世界の始まり

キリスト教の「ヨハネの福音書」では「はじめに言葉ありき」と説かれているが、この点を、「仏教」の観点から眺めると、違った姿が見えてくるようにも感じている。つまり、「ビッグバン」と思われる「神の言葉」、すなわち、「光あれ」という波動が発せられる前の状態については、東洋の「空」が当てはまる可能性のことだが、実際には、「ビッグバン」とともに「大自然界」という「目に見える世界」が始まり、この時には、「空」とは違った「物質の有無」が重要な意味を持ち始めたものと考えられるのである。

より具体的には、「ビッグバン」の前の状態が「法界(ほっかい)」という「神の世界」であり、その後、「大自然界」という「大宇宙」や「地球」が産み出され、その後に、「人間社会」が形成されたものと考えられるのである。つまり、「神の精神」と「動物の肉体」を併せ持った「人類」の誕生により、「神の意志」が「人間社会」に反映される仕組みが出来上がったものと思われるのである。

そして、人類は、現在までの「数千年」、あるいは、「数万年」という期間に、急激な成長を見せてきたわけだが、実際には、「分業体制」と「智慧の獲得」により、高度な社会を形成してきた状況のことである。つまり、「貨幣の発明」や「農業の発展」、あるいは、「文字の発明」などのことだが、この時の問題点は、「11次元にまで上昇した自然科学」と「いまだに三次元に留まる社会科学」との格差とも考えられるのである。

別の言葉では、過去数十年間、「現代の神様」となった「デジタル通貨」に惑わされ、「お金儲け」に狂ったために、「人類が、大自然から淘汰され始めた状況」のことでもあるが、実際のところ、現在の「地球温暖化」については、今後、「人類が、地球に生存可能なのか?」という段階にまで進展する可能性も存在するのである。そして、このような状況下では、「デジタル通貨が役に立たなくなる事態」、すなわち、「物価上昇により、現代の通貨が紙切れになる展開」も想定されるのである。

しかし、驚くべき点は、「2021年8月」という時期においても、いまだに、「お金儲け」を「人生の目的」とする人が、世界的にも、多数を占めている状態となっており、「大自然の災害」については、ほとんど気にしていない状況とも言えるのである。つまり、「明治維新」や「第二次世界大戦」の時と同様に、「直後に訪れる大変化に関して、誰も気付かない状況」となっているわけだが、今後の注目点は、やはり、「人類が、どれほどの驚きと変化を見せるのか?」だと感じている。(2021.8.11)

本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion11282:210911〕