バブルとインフレとの関係性
過去800年間の「西洋文明」、すなわち、「唯物論が主要な価値観へと移行した時代」を振り返ると、当初の400年間は、「古代物質文明への回帰」という状況だったものの、その後の400年間は、「バブルが多発した時代」だったことも見て取れるようである。つまり、「1630年代に発生したオランダのチューリップバブル」を始めとして、さまざまな「バブル」が発生したことも理解できるが、一方で、20世紀に多発した「ハイパーインフレ」については、「1923年のドイツ」が、「歴史上、初めての、驚くべき物価上昇を記録した状況」だったものと考えられるのである。
別の言葉では、「19世紀の後半から20世紀の前半に設立された世界各国の中央銀行」、そして、「商品と通貨の関係性」が、「ハイパーインフレの発生要因」だったものと思われるが、実際には、「商品価格の異常な上昇」が「バブル」を表すとともに、「バブル発生後のマネー大膨張を収拾する手段」として、「紙幣の大増刷によるハイパーインフレ」が発生したものと考えられるのである。つまり、「中央銀行による最後の手段」は、「大量に発行された国債を、紙幣で返還する」という方法であり、この時に発生する現象は、「実物資産価格の急激、かつ、天文学的な水準への高騰」とも言えるのである。
より詳しく申し上げると、今回の「デリバティブの大膨張」、そして、「20年以上も継続した先進各国の異常な超低金利状態」については、基本的に、「中央銀行の役割」のみならず、「西洋の物質文明」そのものが、「質的な大転換」に迫られている状況を表しているようにも感じられるのである。つまり、「物理学が100年前から経験しているマクロからミクロへの変化」と同様に、「物質文明から精神文明への大転換」が発生している状況とも思われるのである。
別の言葉では、「神から紙への変化」という、「神様となった現代のデジタル通貨」が「単なる紙切れ」に大転換した時に、「人類が強烈なショックを受けるとともに、質的な大変化が発生する可能性」のことである。具体的には、「大リーグで話題となった大谷翔平選手」のように、「個人個人が、自分の実力をフルに発揮する状況」のことでもあるが、このことは、今から1200年前の「弘法大師」が、すでに解明したこととも思われるのである。
より具体的には、「全ての人が、生まれ持った才能を発揮する状況」のことでもあるが、実際には、このことが、私が期待する「自分自身の霊性の目覚め」であり、その結果として発生する事態が、「社会科学の次元上昇」とも言えるようである。(2022.1.15)
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金利と株価の関係性
最近の注目点は、「金利が上昇すると、どのようなことが起こるのか?」ということでもあるが、実際には、「金利が上昇すると株価が下がる」という「誤った認識」が広がっている状況のようにも感じている。つまり、「過去の歴史」を検証せず、また、「理論的な分析」を行わず、単に、直感的な意見を述べている人が多く見受けられるようだが、この点に関して必要なことは、「実体経済」と「マネー経済」とを正しく分けることだと考えている。
別の言葉では、「1945年の終戦」から「現在」までの状況について、「具体的な数字」で検証することにより、「全体の姿」が浮かび上がってくるものと考えているが、この時に、特に必要とされることは、「過去80年弱の期間」において、「前半が実体経済の成長期」であり、また、「後半が、大膨張したマネーが実体経済をコントロールしていた期間」だった点を理解することである。
より詳しく申し上げると、「犬の身体としっぽの関係性」のとおりに、前半は、「実体経済の成長」、そして、「追随するマネー経済」という関係性のとおりに、健全な経済成長の時期だったことも見て取れるのである。しかし、一方で、後半の部分については、「マネー経済が実体経済の約10倍の規模にまで膨れ上がった状態」となり、このような状況下では、「マネー大膨張の主因であるデリバティブ(金融派生商品)」に対する正確な分析と理解なしには、「相場への対応」が難しかったことも理解できるのである。
別の言葉では、「政府やメガバンクなどの権力者」、すなわち、「マネーの創造が可能な主体」の思惑どおりに、「金利や為替などの市場価格が操作された状況」だったわけだが、今回の「金利上昇」については、「1971年のニクソンショック」から始まった「新たな通貨制度」、すなわち、私が提唱する「信用本位制」が崩壊を始めた状況を意味しているものと想定されるのである。
そして、今後の展開としては、「マネー経済の質的、かつ、量的変化」に注目すべきであり、実際には、今までのような「デジタル通貨」から、古典的な「紙幣通貨」への大転換のことである。つまり、「1923年のドイツ」や「1945年の日本」、そして、「1991年のソ連」などと同様に、「国債の買い手が消滅した結果として、紙幣の大量増刷が実施される展開」のことでもあるが、このような状況下で、過去に発生した現象は、「金利の急騰」とともに、「価値のある株式や貴金属などへの資金移動」であり、また、「価値の無くなった国債の価格暴落」だったことも見て取れるのである。(2022.1.16)
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トンガの海底火山噴火
1月15日に発生した「トンガの海底火山噴火」については、「暦のフラクタル(相似形)」の観点から、たいへん大きな興味と関心を持ったが、その理由としては、「2021年8月に発生した福徳岡ノ場の海底火山噴火との関係性」が考えられるからである。つまり、「2021年(辛丑の年)」と「2022年1月(辛丑の月)」に、似たような出来事が発生し、しかも、「規模的には、今回の方がはるかに大きかった」という状況だったのである。
より具体的に申し上げると、「過去2年間」は、「コロナショックによる実体経済のマヒ状態」であり、また、「今後の2年間」が、「マネー経済のマヒ状態を意味する大インフレ」になるものと考えているが、この点に関して、大きな意味を持つのが「規模の違い」のようにも感じられるのである。別の言葉では、「2月(壬寅の月)」に発生する出来事が、「2022年(壬寅の年)」に、また、「3月(癸卯の月)」に発生する出来事が、「2023年(癸卯の年)」に、それぞれ「約10倍」という、「実体経済とマネー経済の規模の違い」で発生する可能性を想定しているが、今回の「海底火山の噴火」は、このことを象徴していた可能性があるようにも感じられるのである。
より詳しく申し上げると、「今回の海底火山の噴火が、今後、どのような影響を世界経済に与えるのか?」が気にかかる状況であり、実際には、「どれほどの軽石が噴出されるのか?」、あるいは、「どれほどの日照不足が世界的に発生し、世界の作物が、どのような悪影響を被るのか?」などのことである。つまり、すでに始まった「世界的なインフレ」が、今後、急速に加速する状況を憂慮しており、この点に関して、今回の火山噴火が、何らかの意味を持っている可能性を考慮している次第である。
別の言葉では、現在の世界情勢として、「人類史上、未曽有の規模での大インフレ発生前夜の段階ではないか?」、しかも、「今後の数か月間で、この点が予測可能ではないか?」とも感じられるのである。つまり、「暦のフラクタル」の有効性に関して、たいへん興味深い時期に入ったものと考えているために、「これから、どのような変化が発生するのか?」に関して、今まで以上の注意を払う必要性があるものと思われるのである。
そして、この点が、より明確になれば、「文明法則史学の800年サイクル」のみならず、「東洋学の60年サイクル、60ケ月サイクル、そして、60日サイクル」に関しても、「AIの活用により、より詳しい研究が可能ではないか?」とも感じているが、現時点では、残念ながら、「すべてが迷信である」と理解されている状況とも言えるのである。(2022.1.17)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
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〔opinion11748:220211〕