ウクライナ問題が示唆するもの
「2月の相場」に関しては、「暦のフラクタル(相似形)」の応用による「未来予測の可能性」の観点から、大きな注目をしていたが、結果としては、予想以上の成果が得られたものと感じている。具体的には、「2月18日前後に、どのような事件が発生するのか?」に注目していたわけだが、実際には、「2月24日に、ロシアがウクライナを軍事侵攻した」という「驚くべき大事件」が発生したのである。
そして、このことから予想される展開は、「今年の10月から11月にかけて、世界的な金融危機が表面化する可能性」だと考えているが、この点については、「1991年のソ連崩壊以降、どのような変化が世界の金融界に発生したのか?」を振り返る必要性があるものと感じている。つまり、「東西の冷戦に敗北し、分裂したソ連が、その後、ロシアとして、徐々に、力を蓄積した状況」のことであり、また、「この過程で、世界の金融市場において、デジタル革命が進展した展開」のことである。
より詳しく申し上げると、「30年ほど前の1991年に、ソ連崩壊により、共産主義が全面的な敗北を喫した」という大事件が発生したが、その後の展開としては、「すでに資本主義国化していた中国とロシアが金融市場に参戦したことにより、人類史上、未曽有の規模で、マネーの大膨張が発生した」という状況だったのである。別の言葉では、「デリバティブとデジタル通貨が作り出した金融界のブラックホールとでも呼ぶべき状況」であり、また、「世界中の人々が、お金儲けに奔走した時代」のことである。
そして、現在では、「金融ブラックホールの蒸発」とともに、「実体経済とマネー経済との関係正常化」を意味する「インフレ」や「金利上昇」が発生し、このような背景のもとに勃発したのが、今回の「ウクライナへの軍事侵攻」だったのである。つまり、「国内の経済問題」から目をそらし、より大きな国民の支持を得ようとした「プーチン大統領」が、「世界的な核戦争」までちらつかせて、「自爆テロ的な行動」を仕掛けた状況のことである。
そのために、これから注目すべき点は、「いつ、どこまで、ロシアの軍事侵攻が継続するのか?」であるが、実際には、「国内外からの批判に耐え切れず、短期間で収束する可能性」が高いものと考えている。また、今回の出来事は、「独裁者による信用破壊」であり、結果として発生する出来事は、前述のとおりに、「10月から11月にかけて、デリバティブの崩壊に伴う、金融システムや通貨制度の崩壊危機」、すなわち、「実体経済」と「マネー経済」との比率調整だと考えている。(2022.2.25)
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メスとドスの教訓
「ロボコンの父」と呼ばれる「森政弘先生」の言葉に、「メスとドスの違い」があるが、このことは、「同じ刃物でも、医者がメスとして使用すると、人類の役に立つが、一方で、ヤクザがドスとして使用すると、人類に危害を与える」というものである。つまり、「進化した現代の科学技術」についても、現在の「原子力」のように、「役に立つ技術」として使われるか、それとも、「破壊兵器」として使われるかの違いのことである。
そして、この理由としては、やはり、「11次元にまで進化した自然科学」と「3次元のレベルにとどまっている社会科学」の「次元格差」が指摘できるものと思われるが、この点については、現在の「プーチン大統領の暴走」が典型例のようにも感じている。つまり、「地球の温暖化がもたらす異常気象などにより、人類の淘汰が危惧されるような状況下で、人類同士が殺し合いを行っている状況」については、「将来の人類が、理解に苦しむのではないか?」とも思われるのである。
より詳しく申し上げると、現在の世界情勢は、「神様となった現代のマネー(デジタル通貨)を求めて、人類同士が、奪い合いや戦いを実施している状況」であり、このことは、「悪魔のひき臼で、人類の精神が粉々になった状態」とも想定されるのである。そして、結果としては、今回の「ロシアによるウクライナへの軍事進攻」という惨事につながったものと思われるが、これからの注意点は、やはり、「大膨張したマネー経済」や「デリバティブバブル」の行方とも言えるようである。
つまり、今回の大事件は、「値上がりした原油価格」などにより、「ロシア経済の復活」、そして、「西洋諸国の没落」を信じた「プーチン大統領」が、「21世紀のヒットラー」のような状態になったことが、原因の一つだったものと想定されるのである。そして、今後は、「実体経済の混乱」が「マネー経済の混乱」に繋がるものと思われるが、具体的には、「デジタル通貨が紙幣に変化し、流通に混乱が発生する状況」のことである。
しかも、今回は、「時間的な余裕」が無くなっている状況でもあるために、現時点で必要なことは、「できるだけ多くの人々が、貴金属の現物を保有すること」であり、また、「お金の歴史」を研究し、「DX革命の正体」を理解することだと考えている。つまり、現在の「デジタル通貨」は、「メス」なのか、それとも、「ドス」なのかを考えることでもあるが、私自身の希望は、この過程で、「1971年のニクソンショック」以降、「お金の魔力」に狂い始めた人類が、徐々に、「正常な状態」に戻ることである。(2022.3.2)
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独裁者の暴走と社会の木鐸
「20世紀のヒットラー」と同様に、「21世紀のプーチン」が、将来、人々の記憶に、永遠に残るものと思われるが、この点に関して、我々が解決すべき問題は、「人々が、なぜ、独裁者の暴走を許したのか?」ということである。そして、この理由の一つとしては、「非理法権天」という言葉のとおりに、「多くの人々が、国家の法律などに縛られ、結果として、仏法や天地自然の理から離れていった状況」が指摘できるものと感じている。
具体的には、「唯物論」を基本的な理念とした「西洋社会」に関して、「西暦1200年から2000年という期間に、どのような変化が発生したのか?」を考えた時に、どのような「独裁者の暴走」についても、基本的には、「社会の木鐸」と呼ばれる「マスコミ」などの機能不全が、原因の一つとして挙げられるものと思われるのである。つまり、「フェイクニュース」や「真実の隠ぺい」のことでもあるが、この点は、現在のような「デジタル万能の社会」において、より一層、注意すべき問題点とも言えるようである。
より詳しく申し上げると、「言語の二面性」のことでもあるが、実際には、「言葉や文字などには、表面上の意味と、内面に隠された思いが存在する状況」となっており、今後は、この点に対する深い理解が必要となる状況のことである。そして、このことは、現在の「デジタル通貨」に関しても、「表示された金額や数字、あるいは、価格で、どれほどの実物資産が購入できるのか?」が、今後、疑問視されるものと想定されるのである。
そのために、これから必要なことは、「第二次世界大戦時の日本」や「現在のロシア」などで頻発した、「平気で噓を付く権力者」や「権力者に忖度して、真実の報道を行わない人々」を見逃さないことだと感じている。しかも、このことには、「簿外取引(オフバランス)で取引されてきたデリバティブ」や「実体経済だけに終始して、マネー経済が無視された既存の経済理論」なども含まれるものと思われるのである。
つまり、これから予想される展開は、「真理を理解した人々が、無事に金融混乱期を切り抜ける状況」であり、また、「虚偽の報道に踊らされた人々が、大きな損失を被る状況」という「真理と虚偽との二極化」とも考えられるのである。より具体的には、「デジタル通貨」を盲信する人々が、戦後の日本人のように、「ある日、突然に、時代の大転換を認識させられる可能性」のことでもあるが、このような観点から、今回の「ウクライナへの軍事侵攻」を考えると、実際には、「軍事力による第三次世界大戦の始まり」ではなく、「資金力による第三次世界大戦の終焉」を意味しているようにも感じている。(2022.3.3)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
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〔opinion11913:220402〕