魂と世界
シュペングラー著の「西洋の没落」では、いろいろと興味深い表現が見受けられるが、具体例としては、「魂と世界」であり、また、「成ったことと成ること」が挙げられるものと感じている。つまり、「時間と空間」との関係性、すなわち、「どのような時代に、どのような社会、あるいは、社会秩序が形成されるのか?」が、人類の、長年の疑問点の一つであり、この点に関して、シュペングラーは、彼なりの結論を導き出そうとしたのである。
そして、この問題に関して、私自身は、「弘法大師の両界曼荼羅」が当てはまるものと感じているが、実際には、「MLBで活躍する大谷選手の利用する曼陀羅」が、現実世界で有効な「金剛界曼荼羅」の可能性である。また、もう一つの「胎蔵曼荼羅」については、「あの世(彼岸)」と「この世(此岸)」との関係性を表しており、この点を理解するために役立つのが、私自身の「心の仮説」とも言えるようである。
つまり、シュペングラーの「世界」という言葉には、「見えるものを見る眼(肉眼)」が当てはまり、一方で、「魂」という言葉については、「見えないものを見る眼(心眼)」が当てはまるものと思われるのである。別の言葉では、「肉体に魂が入った時に、心が誕生する可能性」を想定しているが、この仮説のもとに、「人間社会の仕組みや変化」を理解するためには、「精神」と「魂」を区別する必要性があるものと考えられるのである。
より詳しく申し上げると、「金剛界曼荼羅」については、「現実世界における対応」でありながら、一方の、「胎蔵曼荼羅」については、「阿頼耶識」という「真相世界で、どのようにして、神の智慧を獲得するのか?」が説かれているものと想定されるのである。具体的には、「99%の汗と1%の霊感」という「エジソンの言葉」のように、「現実世界において、さまざまな苦労をした結果として、霊感や気付きで真理を得ること」である。
そして、この点を解明する努力は、今後、「社会科学の次元上昇」に対して、大きな貢献をするものと考えているが、実際には、「シュペングラー」や「村山節」が指摘するように、「時間や文明のサイクル」を理解し、「未来予測」が可能になる状況のことである。つまり、「仏教の四苦八苦」が指摘する「人類の悩みや苦しみ」に関しては、多くの場合が、「お金の謎」や「時間のサイクル」、そして、「心の謎」が解明されていない点が挙げられるものと感じているが、現在の「世界的な金融大混乱」については、「すべての謎が解明される絶好の機会」であり、また、「人類の精神的な進化が発生する時期」が到来した状況のようにも感じられるのである。(2022.9.20)
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現代のパラレルワールド
最近の「ロシア」と「ウクライナ」とでは、「パラレルワールド」、すなわち、「ある世界(時空)から分岐し、それに並行して存在する別の世界(時空)」が形成されていると言われている。つまり、「戦争状態のウクライナ」と「平和状態のロシア」のことだが、この点に関する注目点は、今回の「ロシアにおける部分的動員法案」が、二つの世界の垣根を壊した可能性だと考えている。
つまり、ロシア国民が、戦争の危機を感じた結果として、「デモ行動」に訴えたり、「国外脱出」を図ったりしている状況のことだが、この点については、現在の「世界的な金融システムについても、同様の展開となっているものと感じている。具体的には、「金利やインフレ率の上昇」をキッカケとして、それまでの「超低金利状態」が終焉した状況のことだが、この時の「パラレルワールド」としては、「デジタル通貨やコンピューターネットワークが機能する仮想世界」と「実物資産が機能する現実世界」が指摘できるものと考えている。
より詳しく申し上げると、「デリバティブの大膨張」によって産み出された「大量のデジタル通貨」が、「超低金利の世界」を創り出し、その結果として、多くの人々が、「スマホの中に、新しい未来が待っているのではないか?」と錯覚した可能性である。しかし、実際には、「デジタル通貨の枯渇」の帰結として、「金融界のホーキング噴射」、すなわち、「仮想現実から現実世界への資金移動」が始まったものと考えられるのである。
そして、このことが、現在の「世界的なインフレと金利上昇」の真因とも言えるのだが、「三次元の経済学」や「実体経済だけの経済学」だけに捉われている現代人にとっては、「訳が分からず、状況把握が困難な状態」となっているようにも感じている。つまり、「既存の常識」に固執して、「間もなく、かつての世界が復活するのではないか?」という希望的観測に捉われている状況のことである。
別の言葉では、「失われた30年間の日本人」と同様に、「かつての栄光が忘れられずに、世界の変化についていけない状況」のことでもあるが、現在では、「四次元のパラレルワールド」が発生する可能性も想定されるのである。つまり、「800年ごとの文明大転換」が意味するように、「唯物論が主導する西洋文明」から「唯心論が主導する東洋文明」への移行状態のことである。つまり、「1600年前の西ローマ帝国崩壊」の後に、「東洋の新たな文明」が発展した状況のことだが、この時には、それまでの「大量に創られたマネー」が、ほとんど消滅したことも見て取れるのである。(2022.9.23)
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宗教への聖なる献金
9月20日に開かれた「旧統一教会による3度目の記者会見」では、「テッシー」と呼ばれた「勅使河原氏」が、「宗教への聖なる献金」という表現を使い、「宗教組織への献金は、我々にとって、重要な行為である」というようなコメントを述べていた。しかし、このことは、キリスト教本来の「教え」である「あなたがたは、神と富とに兼ね仕えることはできない」という言葉に反した状況だったようにも感じられた次第である。
より詳しく申し上げると、「文明法則史学」が指摘する「東洋と西洋の文明が800年ごとに交代する事実」からも明らかなように、「西洋文明は富の時代」であり、また、「東洋文明は神の時代」とも考えられるのである。つまり、現在は、「お金が神様となった時代」であり、本来の「神様」については、「神は死んだ」という「ニーチェ」の言葉のとおりに、ほとんど忘れ去られた状況となっているものと想定されるのである。
そして、結果としては、「宗教組織を維持するための献金」が、今回のコメントのように、「人生において、もっとも大切なことの一つである」というような解釈がなされたわけだが、この点については、「実際の信仰とはかけ離れた状況」のようにも感じている。つまり、本当の信仰とは、「弘法大師」が主張するように、「国法よりも仏法に従うこと」であり、実際のところ、「当時の弘法大師は、仏法に従うために、国法を犯して、大学を中退し、また、留学を途中で終えた」という状況だったのである。
ただし、このことは、「国法を、常に、軽視してもよい」ということではなく、「やむにやまない状況下で、おのれの心に従った」という事態だったものと想定されるが、今回の「旧統一教会への高額献金」については、実質的な「犯罪」のようにも感じられるのである。つまり、「美辞麗句を並び立てて、あるいは、恐怖心などにより、人々に対して、宗教的な教えとは違った行動を取らせる事態」のことである。
そのために、今後の展開としては、「旧統一教会」に対して、「さまざまな罰」が与えられる状況を想定しているが、実際には、「国法」だけではなく、「仏法」という「天や神の思惑」に反する行為がもたらす「不都合な事態」である。より詳しく申し上げると、「多くの人々に恐怖心を植え付けながら、金銭的な被害を与えた状況」に関して、今後、多くの反動が発生する可能性のことだが、実際には、「世界中に真実が知れ渡った結果として、宗教組織そのものが存続不能になる可能性」であり、また、「宗教組織の内部から、多くの信者が離反を始める可能性」とも考えている。(2022.9.24)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
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〔opinion12475:221022〕