本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(386)

著者: 本間宗究(本間裕) ほんまそうきゅう:ほんまゆたか : ポスト資本主研究会会員
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シュペングラーの預言

10月23日に発表された「中国共産党の新たな最高指導者のメンバー」を眺めると、改めて、「100年ほど前のシュペングラーの預言」の正しさを再確認するとともに、「中国共産党の未来」が危ぶまれる状況のようにも感じている。つまり、「西洋の没落」という著書で、「シュペングラー」は、「19世紀と20世紀が、貨幣や民主主義が支配する事態となり、経済力が政治的形式と権利に浸透する時代になる」と述べていたのである。

そして、「21世紀と22世紀は、皇帝主義の完成により、貨幣に対する暴力政策の勝利する時代」となり、この時には、「大都市的な性格を備えた無形式の大衆が、内的に無形式の群衆に崩壊する展開」も想定していたのである。つまり、「貨幣の奴隷」となった「大都市的な性格を持つ大衆が、崩壊する貨幣価値に恐れおののきながら、信用できる人々と、小さな共同体を形成し始める展開」のことである。

別の言葉では、「習近平氏が目指しているマルクス主義的な社会」というのは、実際のところ、「大都市を中心に形成された高度な資本主義社会が崩壊し、数多くの小さな共同体(コミュニティー)へ分裂した状態」を意味しているものと思われるのである。より具体的には、「中国の歴史における三国志のような状況」のことであり、このことは、「14億の国民が、今後、分裂を始める事態」を意味しているものと考えている。

つまり、今回の共産党大会で明らかになった「中国共産党の内部分裂」は、今後、「中国全体の内部分裂」へと移行を始める事態が危惧されるが、この点に関して、大きな役割を果たすのが、実は、「習近平氏が期待している西洋諸国の金融混乱」とも考えられるのである。別の言葉では、「資本主義が崩壊後に、共産主義の時代が訪れる」というような「誤った考え」に囚われている「習近平氏」は、今後、「中国やロシアなどの国内が、西洋諸国以上の金融混乱に見舞われる可能性」を無視しているものと思われるのである。

より詳しく申し上げると、「デリバティブの大膨張」に関して、「最も恩恵を被ったのが、実は、中国だったのではないか?」と思われるために、すでに始まっている「世界的な金融混乱」に関して、「最も大きな被害を受けるのが、中国となる可能性」を想定している次第である。しかも、「14億の国民」を抱えているために、「食糧難やエネルギー難などに対して、どれほどの対応が可能なのか?」が危惧されるとともに、「独裁色」を強めた「習近平政権」、あるいは、「時代錯誤的な社会主義革命」に対する風当たりが、より一層、強くなる状況も予想されるものと感じている。(2022.10.24)
 
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感覚と感情の対比

シュペングラー著の「西洋の没落」では、「感覚と感情の対比」が説明されているが、このことは、「魂と世界の対比」と同様に、「肉体と精神との関係性」、あるいは、「ビッグバン以前の世界とその後の世界との関係性」を表しているようにも感じている。つまり、「仏教」が教える「法界」が、「ビッグバン以前の世界」、そして、「大自然界や人間社会」が、「ビッグバン以降の世界」を表しているものと思われるのである。

そして、「感覚」については「肉体が、外界から受け取る刺激」、そして、「感情」については、「感覚を持った時に、精神や魂に沸き起こる刺激」を意味しているものと考えている。別の言葉では、「人間社会」において、「言語」が「人々のコミュニケーション」の手段であるように、「感情」や「霊感」については、「法界」と「大自然界や人間社会」のコミュニケーションの手段である可能性のことである。

より詳しく申し上げると、「時間と空間の関係性」に関して、シュペングラーは、「時間は空間を生み出し、空間は時間を殺す」と述べているが、実際には、「未来にしか向かわない時間」の作用として、「空間における秩序の形成と崩壊」が指摘できるものと思われるのである。つまり、「過去数千年の人類史」や「過去数十億年における地球形成の歴史」については、基本的に、「ライプニッツの予定調和説」のとおりに、「より完全な形への進化」が進展している状況のようにも考えている。

より具体的には、「西洋と東洋の文明交代」が繰り返されることにより、「大自然の仕組み」を解明する「自然科学」のみならず、「人間社会の仕組み」を解明する「社会科学」が発展する状況のことである。そして、この時には、「株式などの相場」と同様に、「山や谷などの波動」が発生することにより、「感覚が感情を呼び起こす作用」、すなわち、「人間社会と法界と関係性が認識され、理解される状況」が起こるものと想定されるのである。

別の言葉では、「般若心経」が教える「神の智慧に到達する方法」のことでもあるが、実際には、「色」という「現実」を見ることにより、「受」、「想」、「行」、そして、「識」という順番で、「理想社会」への認識や理解が深まる展開のことである。つまり、「エジソン」が教える「99%の汗(パースピレーション)」が「現実世界における苦悩」であり、その結果として、「1%の霊感(インスピレーション)」という「天や神の智慧」が得られる状況のことであり、このことが、冒頭に示された「感覚と感情の対比」が意味することのようにも感じている。(2022.10.26)
 
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習近平体制の末路

異例の三期目を迎えた「中国の習近平体制」に関しては、「奢れるものは久しからず」という言葉が、ぴったり当てはまる状況のようにも思われるが、この点については、党大会の直後に始まった「世界的な中国からの資金逃避」が象徴的な出来事のようにも感じている。つまり、「習近平の中国」については、「プーチンのロシア」を連想させるような状況となっており、実際のところ、「中国が台湾への軍事侵攻を実行した場合に、現在のロシアの二の舞となる可能性」も想定されるのである。

より具体的には、「共産党原理主義者が求めるものは、軍事力や経済力による世界制覇ではないか?」という疑念が、世界的に高まっているものと思われるが、この点については、「100年ほど前のシュペングラーの預言」が、より詳しく状況を説明しているものと考えている。つまり、現在が、「皇帝主義の完成」、そして、「貨幣に対する暴力政策の勝利」の時期のことでもあるが、このような状況下では、「政治的な形式において、原始的な性格が増加する事態」も述べられているのである。

別の言葉では、「大都市的な性格を備えた大衆が解体して、無形式の群衆となった状況」において、「軍事力や資金力を背景にした国家権力が、暴力的、あるいは、抑圧的な政策を実施する状況」のことである。そして、この点については、「共産原理主義諸国」のみならず、「西洋の資本主義諸国」においても、同様の状況のようにも感じられるが、この時に、最も大きな役割を果たすのが、「貨幣価値の暴落」とも想定されるのである。

より詳しく申し上げると、これから憂慮される事態は、「中国共産党」に象徴されるように、「内部分裂」であり、実際には、「不満を持った人々が、既存の権力に対して、反乱を起こす可能性」とも想定されるのである。そして、この点については、現在の「ロシア」が、典型的な代表例とも思われるが、実際には、「軍事力だけでは、国民が制御できなくなりつつある状況」、あるいは、「国民が国外逃亡を実施する状況」のことである。

つまり、「政府や国家への信用」が崩壊することにより、「国家の統治」が不能になる状況のことだが、実際には、「フーセンの破裂」と同様のメカニズムが働いている状況のようにも感じている。具体的には、「国家の内外で、さまざまな圧力差が働くことにより、国家そのものが破裂する可能性」のことでもあるが、実際には、「西暦400年頃から始まった世界的な共同体の巨大化」、そして、この時の必要条件である「マネーへの信用増加とマネー残高の増加」が、根本的な要因だったものと考えている。(2022.10.31)
 
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
 
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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