本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(389)

著者: 本間宗究(本間裕) ほんまそうきゅう:ほんまゆたか : ポスト資本主研究会会員
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中央銀行の破たんメカニズム

現在、「中央銀行の破たん危機」が、世界的に危惧され始めるとともに、「どのようなメカニズムで破たんが発生するのか?」についても、理解が深まってきたものと思われるが、実際には、「中央銀行の負債と自己資本との関係性」が、重要なポイントとも言えるようである。つまり、「中央銀行も、民間企業などと同様に、債務超過に陥った時に、破綻の危機を迎える」という事実のことだが、「民間企業」と「中央銀行」との違いとしては、「政府からの資本注入が無制限に可能である」という点が指摘できるのである。

より詳しく申し上げると、「2008年のリーマンショック」以降、「世界の政府や中央銀行は、こぞって、超低金利政策を選択するとともに、中央銀行のバランスシート増額を図ってきた」という状況だった。別の言葉では、「中央銀行の負債を増やしながら、国債などの資産を買い付けてきた」という展開のことでもあるが、この手法の問題点としては、「短期の資金を借りて、長期の資産に投資する」という状況が指摘できるのである。

つまり、「超低金利状態が継続する限りは、中央銀行の黒字が達成可能な状況」でありながら、「2022年に発生した変化」としては、「インフレの発生や資金的なひっ迫により、急速な金利上場が始まり、中央銀行の利益に問題が発生し始めた」という点が理解できるのである。より具体的には、「日銀のバランスシート」からも明らかなように、「約500兆円もの資金を借りて、ほぼ同等の投資を行ってきた」という状況に関して、「利息の支払い負担が、投資収益を上回る可能性」が危惧され始めたのである。

そして、この点については、すでに、欧米諸国で問題が発覚し始めるとともに、「今後、どのような変化が、世界の金融界に発生するのか?」が懸念されているが、実際には、「中央銀行の自己資本減少と、その後の債務超過」が、現実の危機となり始めているのである。つまり、「アメリカ」や「イギリス」などで、この議論が活発に行われ始めているが、より深刻な国家としては、やはり、「日本」が当てはまるのである。

具体的には、「7月のイエレン財務長官の来日」以降、「日銀のバランスシート残高が急減している状況」となっており、このことは、「金利上昇の実現が難しい国家」の「焦り」が現れている状況とも言えるようである。つまり、「利上げをせずに、できるだけ時間稼ぎを行いたい」という「黒田総裁の思惑」が滲み出ているようにも思われるが、この結果として発生する変化は、やはり、「急激な円安」と「インフレ率の上昇」であり、また、「国債の買い手消滅による、意図せざる金利上昇」だと考えている。(2022.11.8)
 
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絵画と音楽の芸術性

シュペングラーの「西洋の没落」という書では、今まで気付かなかった「奇抜なアイデア」が、いろいろと述べられているが、この一つが、「絵画と音楽の芸術性」だった。具体的には、「二次元の平面に遠近法を取り入れることにより、三次元の空間を作り出す方法」であり、また、「遠近法」が作り出したものが、「遠さ」という「時間的な感覚」、すなわち、「四次元の時間的な意味合い」までをも包摂している状況のことである。

そして、「時代とともに、絵画や音楽が、独自の発展を遂げている状況」についても、詳しく述べられているが、この点に関して、私自身が気になった事実は、「言葉と音楽との関係性」でもあった。つまり、人間社会におけるコミュニケーション(意思伝達)の方法としては、最初に、「言葉」が思い浮かぶが、実際には、「以心伝心」という言葉のとおりに、「一種のテレパシー」のようなものが存在するものと思われるのである。

そして、この点については、物理学の「量子のもつれ」などと同様に、将来的に解明される現象とも思われるが、現時点における「私自身の仮説」としては、「西洋の音楽」が、「弘法大師の真言声明」などと同様に、「異次元間の意思伝達方法」とも言える可能性である。つまり、「ケプラー」が解明しようとした「星座と音楽との関係性」、あるいは、「東洋の四柱推命学や易学」などのように、「人間社会(此岸)」と「法界(彼岸)」との意思伝達方法である可能性のことである。

より詳しく申し上げると、「11次元にまで進化した自然科学」については、「物質面における秘密」に関して、過去数百年間で、いろいろな解明が可能だったが、一方で、「人間とは何か?」、あるいは、「我々は、どこから来て、どこに行くのか?」という「ギリシャ・ローマ時代からの疑問点」については、現在、ほとんど解決できていない状況とも言えるのである。そのために、シュペングラーは、ありとあらゆる観点から、この問題の解明に挑んだものと思われるが、「後世に生まれた我々の使命」としては、この点を、より深く追及することのようにも感じられるのである。

具体的には、私自身のライフワークである「お金」と「時間」、そして、「心」の謎を解明することにより、「より高次元の社会科学の発展に繋がる可能性」のことである。そして、この点については、間もなく、「デジタル通貨そのものが、神から紙へ変化する状況」となった時に、世界中の人々が、さまざまな真実に気付かされ、その後、「新たな模索の時代」が始まるものと考えられるようである。(2022.11.10)
 
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金利上昇による世界的な債務負担の急増

11月9日に発生した「FTXの金融混乱」は、今後、世界の金融システムに、大きな悪影響を与えるものと思われるが、現在の状況は、「目に見えない金融ツインタワー」、すなわち、「約500兆ドルものOTC金利デリバティブ」と「約330兆ドルもの世界債務」に関して、「2001年の9・11事件」の時のように「タワーにジェット機が突入した状況」のようにも感じている。つまり、今回の事件をきっかけにして、世界の金融システムが完全崩壊するものと考えているが、この点に関して、今後、最も注目すべきポイントの一つは、「金利上昇により、世界的な債務負担が、どれほど膨らむのか?」ということである。

より詳しく申し上げると、「約330兆ドルもの世界債務」に対して、すでに始まっている「価格下落」に加えて、「3%の金利上昇が、どのような影響を与えるのか?」ということであり、実際には、「約10兆ドルもの金利負担増」が予想されるのである。つまり、「先進各国を中心にして、今後、利払い費用の急増が懸念される状況」のことであり、このことは、今後、さらに、「国債価格の暴落」を引き起こす可能性も憂慮されるのである。

しかも、このような状況下で、「デリバティブに関連するメガバンクの破たん」が発生すると、その時には、「大恐慌か、それとも大インフレか?」の議論が再燃する可能性も考えられるのである。つまり、「メガバンクを救済するのか、それとも、破産させるのか?」という政府の選択のことでもあるが、実際には、「政府が印刷した銀行券を、中央銀行へ無制限に資本注入する方法」が選択されるものと考えている。

そのために、これからの心構えとしては、「実体経済」と「マネー経済」との区別を確認しながら、「目に見えない金融ツインタワーの完全崩壊までは、現在の金融混乱が継続する可能性」を覚悟することだと感じている。つまり、「1923年のドイツ」や「1945年の日本」などと同様に、「ハイパーインフレ」から「デノミ」、そして、「新たな通貨制度の確立」という展開に備えることである。

しかし、一方で、このような状況下では、「戦争のための資金確保」が難しくなるだけではなく、「生活苦による国民の反抗」も想定されるために、「中国」などで、「独裁者の暴走」が転機を迎える可能性も想定されるのである。つまり、「シュペングラー」が指摘する「皇帝主義の完成」は、基本的に、その後の「崩壊」を含むものと思われるが、今後、最も注目すべき点は、「貨幣に支配された人々が、貨幣の消滅とともに、どのような行動を取り始めるのか?」が指摘できるものと考えている。(2022.11.13)
 
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魂の言語

シュペングラーの「西洋の没落」では、「時間と空間の関係性」を表す「四次元の社会科学」を超えて、「魂の研究」という「五次元の社会科学」にまで踏み込んでいるが、今回は、この点に関する興味深い表現について、私の「心の仮説」と照らし合わせてみたいと思う。具体的には、「魂の言語」に関して、「内生活の奏鳴曲は第一主題が意志であり、第二主題が思考と感情である」というものだが、「内生活の奏鳴曲」については、基本的に、「精神と肉体との関係性」を表わしているものと考えている。

また、「第一主題の意志」については、「自分の理想とする人生」、そして、第二主題の思考と感情」については、「現実の生活における苦悩」を表しているものと思われるが、実際には、「現実の生活や社会を経験した時に生まれる心の葛藤」とも言えるようである。つまり、私自身の「心の仮説」は、「肉体に、魂(精神)が入った時に、心が生みだされる」というものであり、また、このような状況下では、「肉眼」と「心眼」との「違い」が発生することも想定されるのである。

より詳しく申し上げると、「現実と理想との差異」に関して、「なぜ、このようなことが起こるのか?」という「思考」、すなわち、「疑問」が生じるとともに、さまざまな「感情」が発生するものと思われるのである。つまり、「ヘーゲルの弁証法」や「仏教の悟り」のとおりに、「現実と理想との違いを理解し、また、問題を乗り越えるために、いろいろな努力をする状況」の結果として、「真理」に近づく展開のことである。

そして、この点については、「ケプラーの占星術」や「東洋の四柱推命」などで、深く研究されたことでもあるが、実際には、「いまだに多くの謎が存在する状況」とも言えるのである。別の言葉では、「西方浄土」という「理想の世界」を、「人間社会」に実現しようとするのが、「天や神の意志である」という認識のもとに、「天と人間との関係性」を、具体的な数字や言葉で説明しようとするものである。

より具体的には、「文明法則史学」や「四柱推命」が教える「歴史や時間のサイクル」を理解するとともに、「言霊(コトダマ)」や「数霊(カズタマ)」の研究により、「天や神の智慧」に辿り着こうとする努力のことである。つまり、「般若心経」が教えるとおりに、「色」という「現実世界」に対して、「受、想、行、識」という順番で、「神の智慧」を得る方法のことだが、今回、私自身が驚かされたことは、やはり、「ドイツ哲学において、100年以上前に、この点が研究されていた事実」である。(2022.11.15)
 
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
 
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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