四苦八苦の解消法(3)
「愛別離苦(あいべつりく)・怨憎会苦(おんぞうえく)・求不得苦(ぐふとっく)」の三苦の解消法に関しては、さまざまな相場の格言が有効な状況のようにも感じている。つまり、「相場は人生の縮図」と言われるように、「相場の実践、そして、気付き」により、いろいろな苦しみが解消される展開のことであり、具体的には、「銘柄に惚れずに株価に惚れよ」という格言のとおりに、「時間の推移とともに、それぞれの銘柄の価値が変化するために、決して、一つの銘柄だけに執着してはいけない」などの教訓が得られる状況のことである。
あるいは、「人の往く裏に道あり花の山」という諺のとおりに、「多くの人々が買い付いた銘柄群は、すでに高値の状態にあるために、決して、手を出さず、反対に、ほとんどの人が無始しているような銘柄群は、割安に放置されているために価値がある場合が多い」というような状況のことである。別の言葉では、「自分は、どのような対象に興味を持ち、また、限られた時間や資産を、どのように使うのか?」を考えることが、人生や相場で重要なポイントだと考えているが、実際には、「努力しても夢が実現しない場合」も、往々にして存在するのが実情とも言えるのである。
つまり、「求めても得られない場合」のことだが、この点に関する私自身の感想としては、「現時点で、自分の理解がどこまで進んだのか?」を考えることにより、「現在の自分が、常に、過去最高の状況を継続できるのではないか?」とも感じている。別の言葉では、「自分は、現在、どこまで理解できたのか?」、あるいは、「現時点で、何が理解できないのか?」を冷静に分析することにより、さらに進化できる可能性のことである。
別の言葉では、「神様が創られた大自然」を理解するのが「自然科学」であり、また、「人間が作った社会」を理解するのが「社会科学」だと考えているが、過去の歴史を振り返った場合に、「宗教や哲学、そして、お金の謎」などに関しては、現在、「宗教リテラシー」や「金融リテラシー」などの言葉が盛んに使われているように、「2500年前から、ほとんど進化していないのではないか?」とも感じられるのである。
そのために、現時点で必要なことは、「現実」と「理論」との「差」に関して、常に「何故」を考えながら、「自然科学」と「社会科学」の観点から「現在が、どの水準に位置するのか?」を判断することだと感じている。そして、今後の期待としては、「11次元の段階にまで上昇した自然科学」と比較して「いまだに三次元に留まっている社会科学」に関して、「生成AI」や「人工知能」などの活用により、急速な次元上昇が見込まれる可能性である。(2023.7.11)
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四苦八苦の解消法(4)
四苦八苦の中で、最も厄介なものは、最後の「五蘊盛苦(ごうんじょうく)」だと考えているが、その理由としては、武道における「守、破、離」、あるいは、ニーチェの思想における「ラクダ、ライオン、赤子」のように、「三段階を経る必要性」があるものと思われるからである。つまり、私自身の「47年間の投資実践」を考えた場合に、最初は、当然のことながら、「守やラクダ」のような「基本を学ぶ期間」があり、その後、「破やライオン」のような「学んだ理論と実践との比較の時期」に続き、その結果として、最後の「離や赤子」のような「全体像が見えるとともに、日々の出来事から真理が学べる期間」に移行していくものと考えられるのである。
そして、この点については、「2500年ほど前の仏教における般若心経」で説明されていることでもあるが、実際には、「五蘊」、すなわち、「色、受、想、行、識」のことである。つまり、「色」というのは、「大自然や人間社会において、実際に存在する状況や出来事」などのことであり、この時に重要なポイントは、「受」という言葉のとおりに、「色という現実を、正確に受け取ること」とも言えるのである。
別の言葉では、「素直な目で、日々の出来事を観察すること」であり、その結果として発生するのが「想」という「思いを巡らすこと」であり、実際には、「なぜ、このようなことが起こるのか?」などを、自分の知識を使って熟慮することである。その結果として、次の状態に移行するわけだが、具体的には、「行」という「自分の仮説や意見などを、実際に行使すること」である。
そして、この点については、「相場の実践」からもお分かりのとおりに、「日々、答えが出るために、自分の心に嘘が付けない状況」が発生し、その結果として、最後の「識」という「真理が得られる状態」へと高まっていくものと考えられるのである。つまり、私の場合には、過去3000年余りの「『お金の謎』と『時間のサイクル』、そして、『心の謎』」を考え続けた結果として、現在では、「人類の発展史」に関して、「時間と空間との関係性」が、ある程度、理解できたものと感じられるのである。
しかも、現在では、「将来の予想」と「実際の出来事」を、より詳しく比較することにより、「シュペングラーの預言」や「ライプニッツの予定調和説」などが信じられる状況であるとともに、今後は、「人工知能(AI)」や「チャットGPT」などの応用により、より進化した社会が形成されるものと考えている次第である。(2023.7.12)
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イエレン財務長官の中国訪問
イエレン米国財務長官は、7月6日から9日まで中国を訪問したが、この理由としては、「現在の世界的な金融混乱」が指摘できるものと感じている。つまり、過去20年余りの展開としては、「米国を中心とした西洋諸国が、デリバティブの大膨張と超低金利政策の実施により、巨額な資金を手にした状況」に対して、「中国やロシアなどの、いわゆるBRICS諸国が、金(ゴールド)を蓄積しながら、西洋諸国の金融混乱を待っていた可能性」も想定されるからである。
別の言葉では、「1991年のソ連崩壊」を目の当たりにした「中国」や「現在のロシア」は、「1971年のニクソンショック以降の通貨制度」に対して、大きな疑問を抱きながら、「金(ゴールド)を裏付けとする新たな通貨制度の模索」を行ってきたものと理解できるのである。具体的には、「8月22日前後」に発表が噂される「BRICSの新通貨」に関して、仮に、この噂が実現すると、今後の「米国の金融政策」に狂いが生じる可能性も考えられるのである。
つまり、現在の「米国の思惑」としては、「FRBの即時決済サ-ビスであるFedNow」を利用して、「メガバンクが保有するデリバティブや債券などを、一挙に、FRBに移行させる方法」を検討しているようにも感じられるのである。別の言葉では、「中央銀行のバランスシート膨張策」に関して、今までのような「QE(量的緩和)」が、技術的に利用できなくなったために、今度は、「デジタル通貨による紙幣増刷」を意味する「CBDCの発行」を、秘密裏に推進しようとしている可能性のことである。
より具体的には、「1971年のニクソンショック」や「2023年の債務上限問題」と同様に、「力ずくで、巨額の不良債権を処理し、問題の解決を図ろうとする意向」とも思われるが、この時の問題点は、「BRICSが推進する新たな通貨制度」とも理解できるのである。つまり、「金の裏付けがあるかどうか?」という「大きな違い」が存在するために、「米国などの西洋諸国」よりも「BRICSの国々」に対して、より大きな信用が集まる恐れが存在するのである。
ただし、より大きな問題点としては、「現在のマネー(お金)が、どのような歴史を経て、創られてきたのか?」を考えた場合に「1600年前の西ローマ帝国」にまで遡らざるを得ない事実であり、このことは、シュペングラーが指摘するとおりに、今後、「暴力政策による貨幣の破壊」が起こる可能性が高い状況を表わしているものと感じている。(2023.7.13)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion13174:230811〕