本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(461)

著者: 本間宗究(本間裕) ほんまそうきゅう:ほんまゆたか : ポスト資本主研究会会員
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国家イスラエルの将来

現在、「イスラエルという国家の将来像」に対して、世界的な規模での不安感が高まっている状況とも思われるが、この理由としては、「アウシュビッツの収容所などで、歴史的な悲劇を味わったユダヤ人が、反対の立場になると、同様の行動を取り始めていることへの驚き」が指摘できるものと感じている。つまり、「ユダヤ人のみならず、人類全体への不信感が高まっている状況」とも言えるようだが、この点については、「1600年前の西ローマ帝国の崩壊時と同様の状況ではないか?」とも考えている。

具体的には、「お金(マネー)が基本的な価値観となった共同体の崩壊」のことでもあるが、実際には、「マネーの根本である信用」が使い果たされた結果として、「何も信用できない社会」が形成され始めた可能性のことである。別の言葉では、1600年という時間をかけて、世界的に形成された「グローバル共同体」の崩壊のことでもあるが、この点の理解に役立つのが、「無人島に流れ着いた人々の話」のようにも感じている。

より詳しく申し上げると、25年ほど前、「マネーの逆襲」という著書を上梓した時に理解できたことが、「信用とマネーの関係性」であり、実際には、「無人島に一人で存在する場合には、すべてを自分で行う状態」のために、「お金」も「分業」も存在しないことが見て取れるのである。しかし、この時の注目点は、「もう一人が流れ着いたときに、殺し合いか、あるいは、共同体が発生する可能性」、すなわち、「相手を信用して共同作業が始まるのか、それとも、信用できないために殺し合いが始まるのか?」が指摘できるのである。

そして、現在は、前述のとおりに、「信用消滅の結果として、世界的な分断が始まった状況」、すなわち、「1600年前と同様に、数多くの共同体へ分裂する過程が始まった段階」のようにも感じられるのである。つまり、冒頭の「イスラエルという国家」に関しても、「このままの状態で、国家が継続可能なのか?」、それとも、「1948年以前のように、国家が存在しない流浪の民にもどるのか?」が疑問視されている状況とも思われるのである。

より具体的には、「第五次中東戦争や第三次世界大戦が始まるのか?」までもが危惧され始めた状況とも想定されるが、この点に関する注目事項は、やはり、「お金(マネー)の存在」ではないかとも考えている。つまり、「無い袖は振れぬ」や「金の切れ目が縁の切れ目」などの諺のとおりに、「多くの国々で、マネーの枯渇が始まっている可能性」が指摘できるとともに、「対外的ではなく、国家の内部で、いろいろな紛争が始まる可能性」が想定される状況のことである。(2024.4.8)
 
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龍の如意宝珠

「海で千年、山で千年修業した蛇が金の龍となって天に駆け上り、世界助けをする」という「海千山千」の伝説には続きがあったが、それは、「龍(ドラゴン)の如意宝珠(ボール)」であり、具体的には、「昇竜は、その後、降龍に変化し、地上に降りるが、その時に、龍の如意宝珠を持ち帰る」というものである。つまり、「すべての願いが叶う」といわれる「龍の如意宝珠」が地上に降りることにより、世界が助かるというものだが、この点については、「人類が、正常な心を取り戻す状態」を表しているようにも感じている。

より詳しく申し上げると、1600年前に発生した「西ローマ帝国の崩壊」以降、数多くの「小さな共同体(コミュニティー)」に分裂した世界は、その後、長い時間をかけて、「グローバル共同体」にまで成長したものの、その過程で産み出されたのが「大量のマネー」であり、実際には、最後の段階である「過去50年余りの期間」に、大量に創られた「デジタル通貨」だったものと考えられるのである。

別の言葉では、「カール・ポランニー」が指摘する「悪魔の碾き臼」という言葉のとおりに、世界中の人々が、「西洋文明の象徴」ともいえる「お金(マネー)」に「魂を売り渡したような状態」となった可能性のことである。つまり、「海で千年、山で千年」という表現については、「西暦2000年」を意味するとともに、「西洋の千年王国」、そして、「東洋の千年間」を表している状況のようにも感じられるのである。

より具体的には、「人類社会の精神的な次元上昇」については、これほどまでの永い時間が必要な可能性のことでもあるが、今回、「地上の人類」にもたらされるものは、「心」という「光の玉」のようにも考えている。つまり、「孫悟空の如意棒」のように、「心」は「時間と空間を超えて、どこにでも到達可能」であり、また、「自分の心次第で、どのようなことも可能になる状況」が、人々に理解され始めるものと思われるのである。

そして、この真理を伝えるために、「3月1日に亡くなられた鳥山明氏」が、「約40年という長期間にわたり、ドラゴンボールのアニメを世界中に広めた」という状況だったものと思われるが、タイミングとしても、「村山節の文明法則史学」が教える「西洋の時代が終焉し、東洋の時代が始まる状況」を的確に表していたものと思われるのである。つまり、「金(ゴールド)」が「紙幣」となり、その後、「デジタル通貨」に変化した過程で、「人々の心」が失われたものの、現在では、「金価格の上昇」により、「魂の復活」あるいは、「心のルネッサンス」とでも呼ぶべき変化が発生している状況のことである。(2024.4.9)
 
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バイデン大統領の苦悩と焦り

「イエレン財務長官の中国再訪」や 「岸田首相の国賓待遇による訪米」などについては、「バイデン大統領の苦悩と焦り」を象徴している出来事のようにも思われるが、実際には、「自分自身の大統領選挙を控え、金融混乱の激化を防ごうとする思惑が見え隠れする状況」のようにも感じられるのである。つまり、「2008年前後のGFC(世界的な金融大混乱)」から始まった「先進各国のリフレーション政策」、すなわち、「民間資金を利用した国債の買い付けと超低金利政策」が、すでに限界点に達したために、現在では、「CBDC(中央銀行デジタル通貨)の採用による財政ファイナンス(債務の貨幣化)」が目論まれている状況とも想定されるのである。

そのために、現在では、「脱ドル化を目論むBRICS諸国」や「25年ほど前から世界的な金融政策の主導役である日本」に対して、いろいろな働きかけを実施している状況のようにも思われるのである。別の言葉では、「目に見えない金融ツインタワー」である「約600兆ドルのOTCデリバティブ」と「約330兆ドルの世界債務残高」が崩壊しないように、さまざまな方法が画策されている可能性のことである。

より具体的には、「先進各国の中央銀行とメガバンクが協調して、目に見えない金融ツインタワーを解消しようとする動き」のことでもあるが、実際には、「メガバンクが保有する不良債権を、中央銀行のバランスシート大膨張により吸収しようとする目論み」とも想定されるのである。つまり、最近の「日銀のバランスシートの変化」からも明らかなように、「最後の貸し手」と呼ばれる中央銀行が、「市中に対して大量の資金供給を実施しながら、国家の債務残高やデリバティブのバブルなどを解消しようとする思惑」のことである。

別の言葉では、「1945年から日本で実施された金融政策が、世界的に再現され始めた可能性」のことでもあるが、今回の問題点は、やはり、「1971年のニクソンショック以降、信用本位制と呼ぶべき通貨制度に変化した事実」が指摘できるものと考えている。つまり、あまりにも巨額の「デジタル通貨」が産み出され、また、「国民の保有する資産や財産」の内容が、大きく変化した結果として、今後は、「資産の裏側に存在する負債が消滅した時に、資産そのものが無価値になる可能性」も想定されるのである。

より詳しく申し上げると、「国家への信用」が消滅し、「80億人の換物運動」が発生する可能性であり、実際には、「世界中の人々が、一斉に、実物資産の購入に走り始めるとともに、CBDCが紙幣に変化し、金融システムが崩壊する可能性」のことである。(2024.4.11)
 
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion13711:240517〕