本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(484)

著者: 本間宗究(本間裕) ほんまそうきゅう:ほんまゆたか : ポスト資本主義研究会会員
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40年前から始まっていた国家財政の連鎖破綻

「マネーの膨張」は、「バランスシートの拡大」、すなわち、「資産と負債の残高増加」につながるとともに、「貧富の格差」を増長させる効果があるものと考えているが、この点が世界的な規模で実験されたのが、「1971年のニクソンショック以降の世界」だったものと感じている。つまり、「1980年代の中南米諸国」や「1990年代の東欧諸国」、そして、「2000年代のアフリカ諸国」で発生した「国家の財政破綻とハイパーインフレ」に関しては、「バランスシート大膨張の恩恵を受けた国家」と「受けることができなかった国家」の運命を表している状況のようにも思われるのである。

より詳しく申し上げると、「1980年代初頭」から始まった「先進諸国の金利低下」や「米国の株価上昇」については、前半が、「日本における民間金融機関のバランスシート大膨張」、そして、後半が、「先進諸国の民間金融機関におけるデリバティブの大膨張」が主な原因だったものと考えられるのである。つまり、「通貨発行益を手にした国々」と「享受できなかった国々」との間で、「貧富の格差」が広がるとともに、「国家財政の連鎖破綻」が、ゆっくりと進展していった状況のようにも感じられるのである。

別の言葉では、「コンピューターネットワーク拡大」の恩恵を受けて、「デジタル通貨が、世界各国を瞬時に往来できる環境」が作り出されたことにより、「デリバティブの大膨張」と「国家間における貧富格差の拡大」が発生したものの、今後の注意点としては、「大膨張した負債を、どのように処理するのか?」が指摘できるものと思われるのである。つまり、「民間金融機関におけるオフバランスも含めたバランスシート大膨張」については、現在、「資産価格の下落により、膨大な金額の不良資産を発生させている状況」であるために、今後の対応策としては、「CBDC(中央銀行デジタル通貨の大量発行」か「紙幣の大増刷」による「中央銀行の通貨発行益」しか残されていない状況とも想定されるのである。

そのために、現時点で必要なことは、「信用だけを本位とした現在の通貨制度」、すなわち、「単なる数字が貨幣(デジタル通貨)となり、大きな影響力を世界に及ぼしている状況」そのものが崩壊の危機に瀕している事実を理解することとも想定されるのである。つまり、「貨幣の歴史」をたどりながら、「現在のデジタル通貨が、どのようにして生み出されたのか?」、あるいは、「現在、どれほどの資産と負債が世界に存在するのか?」などを理解する必要性のことでもあるが、私自身としては、「1600年前の西ローマ帝国が、実際に、どのような崩壊の過程を辿ったのか?」、そして、「これから、どれほどの規模で世界的なハイパーインフレが発生するのか?」などの研究に励みたいと感じている。(2024.9.5)
 
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現代社会の霊的水準

いまだに継続する「ロシアによるウクライナへの軍事侵攻」や「ガザの虐殺」、そして、「核兵器を使用した第三次世界大戦勃発の危機」などから見えてくることは、「人類の霊的水準が、いまだに極めて低いレベルに位置するのではないか?」ということのようにも感じている。別の言葉では、「ケプラー(西暦1571年-1630年)」や「ニュートン(西暦1643年-1727年)」の頃から始まった「神が創った世界の研究である自然科学」の次元上昇が、現在、「11次元」にまで達している状況下で、「人が造った世界の研究である社会科学」は、いまだに、「3次元」にとどまっている状況のことである。

つまり、現在は、「高度な技術」を持ちながらも、「使い方を誤っている人類」の存在により、「地球の存在」そのものが危機的な状況に陥っているものと思われるために、これから必要なことは、「社会科学の次元的な上昇」、あるいは、「人類の霊的水準の上昇」のようにも感じられるのである。そして、このことが実現されるために、「村山節(みさお)の文明法則史学」が指摘する「800年ごとの東西文明の交代」、すなわち、「富の時代と神の時代の交代」が発生する必然性が存在する可能性も考えられるようである。

そのために、今回は、「弘法大師が説かれた十住心」を参考にしながら、「現代社会の霊的水準が、どの段階に位置するのか?」を考えてみたいと思うが、実際には、第一段階の「異生羝羊心 – 煩悩にまみれた心」から第二段階の「愚童持斎心 – 道徳の目覚め・儒教的境地」の間に位置する状態のようにも感じている。つまり、いまだに、「軍事力や資金力による奪い合い」が主な原動力となっている「現代社会のダイナミズム」は、今後、「社会科学の次元的な上昇」により、急速に、「より高度な霊的水準」に移行するものと思われるが、このキッカケとなるのが、「四次元の経済学」の発展のようにも感じられるのである。

具体的には、「お金の謎」や「歴史の全体像」が理解され始めることにより、「人類全体の覚醒」が進展する可能性のことだが、実際には、「裸の王様」となった「現代のデジタル通貨」の実態が暴かれるとともに、「人類の将来的な展望」が見え始めることにより、「人々の意識と行動に劇的な変化が発生する可能性」のことである。つまり、「人類の光と闇」とも言える「ビッグバン以降の光の状態」に加えて、「ダークマター」などの「ビッグバン以前の闇の状態」に関する研究が盛んになることにより、「社会科学の次元的な上昇」が加速する可能性のことだが、実際には、「世界的な宗教対立」が終焉の時を迎えるとともに、「弘法大師の十住心」が指摘する「仏教的な霊的水準の上昇」、すなわち、「人と神とのコミュニケーション方法の向上」が見られるものと感じている。(2024.9.9)
 
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公約と膏薬

「投資の要点」の一つとしては、「理屈と膏薬はどこにでも付く」という言葉を思い出しながら、「屁理屈に惑わされず、真理を追究すること」が挙げられるものと考えているが、一方で、今回の「米国大統領選挙」や「自民党の総裁選挙」などから、私自身が思いついた言葉は、「公約は、化けの皮と同様に、すぐ剥がれるのではないか?」ということだった。別の言葉では、同じ発音である「膏薬と公約の違い」について考えさせられるとともに、「政治家は、国民に受けの良い言葉を羅列するだけで、決して、根本的な問題を解決しようとしないのではないか?」という思いを抱かされたのである。

つまり、現在は、「民主主義から衆愚政治への転換点」を経験している状況であり、また、その結果として、「日米の政治家が、国家の財政問題に関して、ほとんどコメントしなくなった状況」のようにも思われたが、この理由としては、やはり、「歴史のダイナミズム」が指摘できるものと思われるのである。具体的には、「1600年前の西ローマ帝国崩壊時」と同様に、「誰が政治家になろうとも、財政破綻の流れを止めることができない状態」のことであり、また、最後の段階で、「1945年の日本」などと同様に、「紙幣の増刷により、国家の財政赤字を解消する動き」が目論まれている可能性のことである。

より詳しく申し上げると、「日本」では、「自民党」も「立憲民主党」も「ばらまき政治のオンパレード」というような状況であり、「財源については、ほとんどコメントされないような状況」となっているのである。別の言葉では、「海外とは違い、日本人だけが、いまだに財政危機を憂慮していない状況」とも思われるが、実際には、「海外の投資家が、日銀の動向と日本の財政危機を注視している状態」とも言えるのである。

具体的には、「誰が、今後、日本国債を買うのか?」ということだが、実情としては、「日銀に資金的な余裕が無くなっている状況」を理解しながら、「日銀が、今までと同様に、新たな金融政策を始める可能性」を睨んでいる状況のことである。つまり、「CBDC(中央銀行デジタル通貨)の発行」、あるいは、「大量の紙幣増刷」が、日銀発で実施される可能性であり、そのキッカケとなりそうな事件としては、やはり、「OTCデリバティブの完全崩壊」や「1991年のソ連のような国債価格の暴落」が想定されているのである。

そのために、今後の注目点は、「政治家の公約」に関して、「いつ、化けの皮が剥がれるのか?」を見守ることであり、タイミングとしては、「早ければ、今回の選挙運動中にも、何らかの事件が発生する可能性」も想定されるようである。(2024.9.10)
 
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion13930:241025〕