レッドラインを超えた北朝鮮!?
現在、「北朝鮮情勢のレッドライン」が、マスコミの話題となっており、具体的には、「北朝鮮が、どのような行為を実施した時に、アメリカが反撃体制に入るのか?」という点である。また、この時に、「北朝鮮の核攻撃」などにより、「日本」や「韓国」などが、甚大な被害を受ける可能性も危惧されているが、実際には、全く違った展開になる可能性も存在するようだ。
つまり、「北朝鮮国家の運命自体が、レッドラインを超えた可能性」、具体的には、「金正恩委員長が失脚する可能性」のことだが、この点については、「中国」と「アメリカ」との間で、綿密な作戦が計画されている状況のようにも感じている。具体的には、「金正恩委員長」が失脚し、「南北朝鮮の統一」が、水面下で目論まれている可能性のことだが、基本的な認識としては、「国家権力の世襲制」自体が、現在では、時代錯誤の状況となっているようにも思われるのである。
その結果として、「売り家と、唐様で書く三代目」という言葉のとおりに、今後は、「金正恩委員長が失脚し、北朝鮮の国家そのものが崩壊するのではないか?」と考えているが、実際には、「三種類の失脚方法」が存在するようにも感じている。つまり、最初が、「イラクのフセイン大統領が、命を奪われたような方法」であり、また、二つ目が「ルーマニアのチャウシェスク大統領が、公開処刑されたような方法」、そして、最後が、「フィリピンのマルコス大統領が、国外亡命したような方法」のことである。
そのために、現在では、「本当に、北朝鮮との戦争状態が発生するのか?」に注目しながら、同時に、「水面下で、どれほどの経済制裁が実施されるのか?」についても、大きな注意を払う必要性があるものと考えている。つまり、「北朝鮮の国内外で、どれほどの変化や混乱が発生し、また、人々が、現在の緊張状態に、どれほど耐えることができるのか?」という点である。
別の言葉では、「中国からの石油輸入」がストップした時に、「北朝鮮の内部で、どれほどの問題や不満が発生するのか?」という変化に注目しているが、同時に感じることは、「北朝鮮」が、現代社会の縮図となっている可能性である。具体的には、「過大な権力が、歪んだ社会を生み出している状況」であり、実際には、「今後、世界各国の過剰な金融コントロールが、どのような展開を見せるのか?」ということだが、現時点では、こちらの方が、より重要な意味を持っているようにも感じている。(2017.4.25)
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西ローマ帝国のデナリウス銀貨
最近の海外レポートで、最も興味深かったのが、「西ローマ帝国のデナリウス銀貨」に関する考察だった。具体的には、「西暦60年前後からの約200年間に、銀の含有量が、約90%から、ほとんどゼロの状態にまで落ち込んだ」という内容だったが、私自身としては、「二重の意味」で感慨深く読ませていただいたようにも感じている。つまり、一つは、「1987年のブラックマンデー」の時に、「私自身が、大きなショックを受け、その後、徹底的に過去の歴史を検証した想い出」が蘇ってきたからである。
具体的には、「世の中は、いったい、どのような仕組みで動いているのか?」という問題を、真剣に悩み、さまざまな資料を読み漁った記憶のことだが、この時、最後に行き着いたのが、「西ローマ帝国の通貨制度や経済状況」だったのである。そして、「1996年」に、「過去2000年間の歴史」を検証し終えた時、私自身としては、納得のいく答えが得られたようにも感じたのだが、実際には、それまでに「約10年」という時間が必要だったのである。
また、今回は、「100年に一度の金融混乱」といわれた「2008年のリーマンショック」から、「約10年」が経とうとしているために、海外でも、「私と同様の疑問を抱き、同じような検証がなされているのではないか?」とも考えている。つまり、「西ローマ帝国」と「現在」との間に、数多くの共通点が存在する状況のことだが、特に注目すべき点は、二つ目の感慨である「通貨の質と量との関係性」とも言えるようである。
具体的には、「経済成長」と「貨幣の質」が、反比例している関係性のことだが、前述のように、「銀の含有量が急減した状況」が意味することは、「その裏側で、急速な経済成長が発生していた事実」を物語っているのである。また、この点については、「文明法則史学」が教える「歴史の1600年サイクル」のとおりに、「世の中が動いている事実」を証明しているものと考えている。
そして、私自身としては、以前に、「通貨の質が最悪だったのが、西暦400年前後だった」、そのために、「この前後に、マネーの残高がピークを付けた」という理解ができたのだが、この点を、現在と照らし合わせて考えると、実に、興味深い事実が浮かび上がって来るようだ。具体的には、「パンとサーカス」に熱中した人々が、「財政赤字」と「インフレ」に悩まされている状況のことであり、このことは、「歴史は繰り返す」という言葉のとおりに、今後の展開を、はっきり示唆しているようにも感じられるのである。
(2017.4.25)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion6682:170520〕