本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(159)

著者: 本間宗究(本間裕) ほんまそうきゅう:ほんまゆたか : ポスト資本主研究会会員
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世界同時サイバー攻撃

「5月12日」に発生した「世界同時サイバー攻撃」については、きわめて大きな意味を持つとともに、「約2か月後の7月半ば」に注目する必要性が出てきたものと考えている。つまり、現代の「通貨」である「コンピューターマネー」に関して、「何らかの大事件」が発生する可能性を危惧しているが、この点については、「過去数十年間に、世界の金融界で、どのような変化が発生したのか?」を詳しく認識し、理解することが求められているようだ。

具体的には、「1971年のニクソンショック」をキッカケにして、「世界の通貨」が、「目に見えない、単なる数字」に変化した点であり、また、「コンピューターネットワーク」の中を、ほぼ瞬間的に、行き来している状況のことである。しかも、現在では、世界各国の「金融システム」が、密接、かつ、複雑に関連しあっているために、「一国の金融システムに問題が発生すると、世界全体に、大きな影響を与える状況」となっているのである。

また、「なぜ、7月に注目するのか?」については、基本的に、「末尾に7の付く年」の特徴が気に掛かるからだが、実際に、「2007年7月」については、「サブプライム問題」が発生したことも記憶に新しく、しかも、「約2か月前から、その兆候が出ていた」という状況でもあった。また、この点については、「1997年8月」から始まった「世界的な信用収縮」についても、ほとんど同様の状況だったことが思い出されるために、今回も、相当な危機意識が求められているものと感じている。

具体的には、私が最も注目する「デリバティブ(金融派生商品)」に関して、「バブルの崩壊」が発生する可能性だが、この点については、今までに述べた通りに、「量的緩和(QE)により、問題の先送りと時間稼ぎが行われていた状況」だったものと思われるのである。しかし、現在では、「米国の利上げ」や「日銀のテーパリング懸念」などにより、問題が隠しきれなくなった状況とも想定されるが、その後に発生する現象は、典型的、かつ、古典的な「インフレ」だと考えている。

つまり、現在の、世界的な「株価」や「土地価格」の上昇については、「トランプ効果」によるものではなく、「世界的な資金移動」が、最も大きな要因だと考えている。そして、これから必要なことは、本当の「インフレ(通貨価値の下落)」に関して、「どのような理由で発生し、どのような事態が発生するのか?」を理解することだと考えているが、実際には、大混乱が終わった後に、全容が解明される可能性も存在するようだ。(2017.5.24)

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時間と空間の謎

「経済学」を始めとした「社会科学」の基本は、「時間と空間の謎」を解明することだと考えているが、具体的には、「時の推移とともに、世の中が、どのような変化をするのか?」に関する「メカニズム」を理解することでもあるようだ。つまり、「人々が、どのように結びつき、どのような社会を形成するのか?」という点だが、実際には、「文明法則史学」が教えるとおりに、世界の歴史は、「唯物論」を中心の価値とした「西洋文明」、そして、「唯心論」を基にした「東洋文明」とに大別されるようである。

また、この時には、「求心力」や「遠心力」が重要な意味を持つものと推測されるが、実際のところ、「西暦1200年から西暦2000年」までの世界では、「お金」という「目に見える物質を代表する商品」が、現在の「グローバリズム」と呼ばれる社会の「求心力」となり、また、「お金の遠心力」が社会を広げたものと考えている。そして、「西暦400年から西暦1200年」までの「東洋文明」においては、「神」という「目に見えないものの代表」が、その役割を果たしたようにも思われるのである。

つまり、現在のような「お金だけが唯一の価値観」となった社会では、「空間の広がり」、すなわち、「世界各国の人々が、お金で、密接、かつ、複雑に絡み合った、一つの輪のような状態」が発生したものと想定されるのである。その結果として、実に多くの問題や犯罪などが発生している状況でもあるようだが、実際には、「お金儲けのためなら、犯罪でも厭わない」と考える人々が増えた状況とも言えるようである。

しかし、現在では、「空間の広がりが限界点に達するとともに、新たな価値観が支配し始めた状況」、すなわち、「お金よりも、人生や家族の方が大切だ」と考える人々が増加し始めているようだが、このことは、典型的な「東洋文明社会の始まり」を意味しているものと考えている。そして、今後の「800年間」で、「大順主義」という、全く新たな価値観を持った社会が形成されるものと考えているが、残念ながら、この点については、「後世の人々に、結果を確かめてもらうしか方法がない状況」でもあるようだ。

ただし、今回の「時代の大転換期」において最も注目すべき点が、「お金の性質が、大きく変化した事実」であり、実際には、現在の通貨が、「目に見えない、単なる数字」になったことである。つまり、現代人が、最も欲しがる「お金」そのものが、「時代の先取り」をしていた可能性のことだが、この点については、「今後の数年間で、私の考えが正しいかどうか?」、実際に、検証できるものと想定している。(2017.5.24)

本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion6745:170621〕