本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(186)

著者: 本間宗究(本間裕) ほんまそうきゅう:ほんまゆたか : ポスト資本主研究会会員
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一念三千

「天台宗」の根本教理に「一念三千」があるが、「三千世界」、すなわち、「十界×十界×十如是×三世間=三千」については、基本的に、「世界全体」を表しているようにも感じている。そして、「円通」、あるいは、「融通無碍」という言葉のとおりに、「特定の考え方や行動に囚われることがない様子」を表しているようだが、この点については、私自身が考案した「心の座標軸」と同じ意味を持っているものと思われる。

具体的には、上記のグラフのとおりに、「人々の心」については、「志」、または、「心指し」という言葉のとおりに、「ある一定の方向性」に向かっているようにも思われるのである。つまり、「2018年」については、徐々に、「見えないもの」、そして、「他人」の方に向かい始めているものと考えているが、基本的に、「心の指す方向性により、その時代の社会が形成される」という事実が指摘できるようである。

また、「西暦1800年から2000年」が「資本主義の時代」とも言われているが、この時の「心指し」は、「目に見えるもの」と「自分」の方に向かい、その結果として、「マネーの大膨張」が発生したものと考えている。別の言葉では、「お金が神様になった時代」とも言えるようだが、実際には、「人々の欲望」が「パンドラの箱」から出てきたことにより、「技術革新」とともに、数多くの「事件」や「戦争」などが発生した時期でもあった。ただし、今後は、「社会科学」という「人間の行動を研究する学問」が、「AI(人工知能)」とともに発展し、「人類の歴史」を俯瞰することにより、「何物にも囚われない、融通無碍、あるいは、一念三千の社会」が形作られるものと考えている。(2018.2.27)

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愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ

「ドイツの宰相」だった「ビスマルク」が残した言葉に「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」があると言われているが、内容としては、「愚か者は学ぶことなく行動し、その結果失敗して初めて間違いを知るが、賢明な者は、先人の知恵及び知識などから、予め言動の是非を知り、実際に行動する際に失敗しない」ということでもあるようだ。そして、この典型例が、現在の「国債バブル」のようにも感じているが、実際のところ、「1981年から2016年」までの「約35年間」、「金利が低下し続けてきた」という状況だったのである。

つまり、「ケインズ」が主張するとおりに、「30年間も一定の方向性が継続すると、人々は、そのことが永遠に続くと錯覚しがちである状況」となっているようだが、幸いなことに、私自身は、「1977年から1981年」までの「金価格のバブル」と「アメリカの高金利」を経験することができたのである。そのために、現在の「世界的な国債バブル」が、どれほど異常なものであるかを、身をもって感じているが、一方で、「約35年」も続いた「マネーの大膨張」には、たいへん驚かされるとともに、多くの「学び」を得ることができたものと考えている。

具体的には、「GFC(グローバル金融危機)」以降、「先進各国の金融当局者が、どれほど慌てふためき、デタラメな政策を実施したのか?」という点だが、最近、海外では、この事実に関して、「ドイツのハイパーインフレ」、あるいは、「ローマ時代のインフレ」を調べる動きが盛んになっている。つまり、私と同様に、「今後、未曽有の規模で大インフレが発生する可能性」を考慮しているようだが、この点については、「賢者は歴史に学ぶ」という言葉の「実践」とも言えるようである。

そして、結論としては、「ドイツのハイパーインフレ」の時に、「失業率がゼロ%になり、また、人々が投機に走った状況」が詳細に説明されており、まさに、現在の世界情勢を彷彿とさせるような展開でもあった。しかも、「最後の段階に至るまで、当時の人々が、大インフレの発生を予想していなかった」という事実についても、現在と同じような状況とも考えられるのである。

つまり、「今後の1、2年間で、誰もが信じられないような大インフレが発生する可能性」を、海外では危惧し始めたようだが、この点については、「経験し、失敗しない限り、間違いに気付かない状況」となる可能性が高まっているようにも感じている。(2018.2.27)

本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion7530:180402〕