本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(195)

著者: 本間宗究(本間裕) ほんまそうきゅう:ほんまゆたか : ポスト資本主研究会会員
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堕落の極み

現在の「加計学園問題」などに対する「政府や官僚の対応」を見ていると、「日本人の堕落は、ここまで窮まったのか?」と憂えざるを得ないようだ。具体的には、マスコミの報道のとおりに、「国会議員や官僚の、貴重な時間とお金」を使いながらも、「事実の解明」が、ほとんどなされていない状況のことである。そして、「国民の不信感」が高まりながらも、一方では、「景気や外交など、より重要な問題に、国会での時間を使うべきではないか?」というような意見も出始めているが、この時に考えなければいけない点は、「信用の本質」でもあるようだ。

つまり、今までに発生した「世界的なマネーの大膨張」については、基本的に、「国民の信用」が根底に存在していたことが、根本の要因でもあったが、現在では、すでに、「全ての信用が、国債の大量発行により食い潰された状況」とも考えられるのである。そのために、今後は、「国民の覚醒」とともに、本格的な「金融大混乱」が発生するものと想定しているが、私自身としては、「なぜ、同じような歴史が繰り返されるのか?」と考えざるを得ない状況でもある。

別の言葉では、今までの「さまざまな事件」を見た時に、「神も仏も存在しないのではないか?」と真剣に悩まされたことが思い出されるのである。しかし、現在では、「悲母観音」や「慈悲」などのように、「悲」という言葉が使われている理由が、ある程度、理解できたようにも感じている。つまり、人類は絶えざる進化と創造を継続しているが、時代の大転換期において、人類の覚醒のために、あえて、厳しい状況が与えられる可能性である。

具体的には、「可愛い子には旅をさせよ」という言葉のとおりに、「人類全体も、辛く厳しい経験をしなければ、精神的な成長が達成できない可能性」であり、この時に、「天や神は悲しみながらも、慈しみながら見守っている状況」のことである。別の言葉では、「人知」では理解できない「深い思惑」が存在する可能性でもあるが、過去の歴史を見ると、世界全体に、大きな歪みや矛盾が発生した時に、人類全体が悩み苦しむ状況が発生しているようにも感じている。

具体的には、かつての「第二次世界大戦」や、今回の「世界的なマネー大膨張」のことだが、基本的に、「大混乱」は短期間で終了し、その後は、まったく違った時代が到来するということが、過去の歴史から読み取れることでもある。そのために、決して、一時的な闇の状態に惑わされず、希望の光を見失わないことが重要だと感じている。(2018.6.3)

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ポピュリズムの悪循環

最近、海外では、「ポピュリズムの悪循環」という言葉が使われ始めたが、このことは、「不満を抱えた有権者」と「無責任な公約」が悪い結果を生み、それにより、「有権者がさらに不満を募らせ、公約がもっと無責任なものになり、より、一層ひどい結果をもたらす」というものである。そして、このことは、現在の「イタリアの混乱」を象徴する状況として使われているようだが、実際には、「日本」や「アメリカ」でも、同様の状況となっているものと思われる。

つまり、「国民」が望むものは「好景気」や「所得増」であり、結果として、「選挙」では、現在の「アベノミクスを標榜する自民党」のように、国民の希望を実現する可能性が高い政党が選択されているのである。しかし、実際には、前述のとおりに、「無責任な公約」となり、国民が不満を募らせている状況とも言えるようだが、この点に関して、最も注目すべき事実は、「国家債務の大膨張」や「日銀のバランスシート急拡大」により、「景気の拡大」が実現されてきたことである。

別の言葉では、「将来の国民が背負う借金」を当てにして、「ポピュリズム(大衆迎合主義)」が成り立っていたわけだが、現在では、世界的に、この方法が行き詰まってきたのである。つまり、「世界的な金利上昇」、そして、「中南米諸国のハイパーインフレ」は、すでに、「ポピュリズムの限界点」が露見し始めた状況とも言えるが、今後は、「体力の弱い国から順番に、今までの付けを払う状況」も想定されるようである。

具体的には、「金利上昇」と「通貨価値の下落」のことだが、この結果として発生することは、「今まで先送りされてきた国家の借金が、一挙に、国民に降りかかる事態」である。つまり、「インフレ税」により、「国家の債務が、急速に消滅する状況」でもあるが、この点については、「戦後の日本人」が、すでに経験したことであり、また、「間もなく、我々に襲い掛かってくる恐怖」とも考えられるようである。

そのために、現時点で必要なことは、「これから想定される金融大混乱期を、どのようにして生き延びるのか?」を考えることでもあるが、この点に関して、「日本」と「海外」とでは、大きな違いが存在するようだ。具体的には、海外で、すでに、「自己防衛の動き」が始まっていながらも、日本では、きわめて「呑気な状態」となっている状況のことだが、この点については、実際のところ、「金融面における一億総玉砕」となる可能性が高まっているようにも感じている。(2018.6.3)

本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion7788:180703〕