新着情報 No.5 2019年9月26日
すでに本ホームページでも紹介済みのように、本年3月末に、日本金属学会欧文誌編集委員会(以下JIM編集委員会)は、井上明久東北大学元総長の3つの論文を撤回する声明を出しました。この論文撤回措置は、当該論文に認められる疑惑部分の要因を単なる著者のミスや記載不備に帰することが適切ではないことを意味します。すなわち、東北大学がHP上で公表した2016年12月15日付の「調査報告書」の結論と相容れないものです。しかし、東北大学は、この公的学会の判定・措置が公表されたにも拘わらず、沈黙を続けています。そのようなことでは、学術研究の信頼回復が望めません。それに加えて当該論文3編の筆頭著者である元総長は、「20年~22年前の論文で、撤回が特別な意味を持つとは思えない」(朝日新聞2019年3月27日)、「(取り違いミスに)早い時期に気づくか、指摘を受けていれば訂正で対応できた」(週刊金曜日1227号、2019年4月5日, p.6)等と、自分に都合の良いコメントを連発しています。例えば、後者について言えば、フォーラム関係者らが2013年には試料写真の疑惑を指摘していますが、著者らは訂正等の対応を取っていません。それにも拘わらず今頃になって「指摘を受けていれば訂正で対応できた」とは、呆れた弁解です。
このような「学術研究の信頼回復」が滞っている現状を憂いた名誉教授7名が、2019年5月10日に東北大学の研究担当理事に面会し、「報告書を再点検して適切な対応を取るように」との要望書を提出されました。この要望書提出で注目すべきことは、東北大学の「調査報告書(2016年12月15日付)」の作成に関わった調査委員会のメンバー複数が参加されていることです。
同様に、東北大学がひたすら沈黙を続けることに疑問を抱く有志65名が、2019年9月26日、大野英男東北大学総長、同大学役員会・教育研究評議会・経営協議会の構成員に、「躊躇なく元総長の研究不正を認定する」ことを求めました。
名誉教授ら7名が、東北大学の研究担当理事に面会して、要望書を出したことを報じる新聞記事、および有志65名の文書は、以下をクリックすればダウンロード可能である。
https://chikyuza.net/wp-content/uploads/2019/10/323c8978a5137c8ae9b21c90e082112c-1.pdf
◆ 名誉教授7名の要望書提出を報じる新聞記事
https://chikyuza.net/wp-content/uploads/2019/10/1860f95849ad87e22bafc28d333c4972.pdf
初出:「東北フォーラムホームページNo.4 井上元東北大総長の研究不正疑惑の解消を要望する会」より許可を得て転載:https://sites.google.com/site/forumtohoku4th/
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔study1065:191011〕