東電 全原発停止,再稼働(政府の暴走)を止め原発ゼロへ

2012年3月26日 連帯・共同ニュース第238号

■ 東電の原発で唯一稼働していた柏崎刈羽原発6号機は3月26日に停止した。現在、稼働している原発は北海道の泊原発3号機だけであり、これも5月はじめに稼働停止の予定だからこのまま進めば原発[ゼロ]の状態が実現する。これは多くの国民が望んでいることである。福島第一原発の事故は依然として収束していない現状で再稼働はありえない、これが多くの人たちの認識であり常識である。しかし、政府や原子力ムラは再稼働を急ぐ。彼らに取って国民の常識は非常識である。彼らにしてみれば福島第一原発事故はすでに「収束」したことになっている。そこでわざわざ「冷温停止状態」なる言葉も発明する程である。国会での事故調査委員会の検証過程を無視し、結果が出てはいなくても意に解さないのである。原発再稼働→原発保持の戦略(シナリオ)が先験的にありそれしか頭にない。彼らは原発ゼロ状態の実現、そのことによって明るみにでるものを怖れる。「原発がなければ電力が不足する」という神話が崩壊するのを怖れている。これはもう現実化されはじめた人々の意識だが、これが明瞭になるのが怖いのだ。だから泊原発3号機が停止する前に大飯原発を稼働させ「原発ゼロ」阻止をと焦っている。

■ 政府は原子力安全―保安院(経産省)や原子力安全委員会(内閣府)が原子力規制庁に統合・再編される前に第一次ストレステストの評価を確定し、再稼働の権威を得ようとしてきた。つまりこれらの原子力専門機関による安全保証確認で再稼働の正当性を得たいとしてきたのだ。しかし、第一に原子力安全―保安院や原子力安全委員会などが専門機関としての役割や機能を果たしていないことは自明である。だから、原子力規制庁の設置が決議されたのであるが、逃げ込むようにこれらの機関から再稼働の正当性の引き出そうしていることは常識では分からない。第二に第一次ストレステストで安全性が確認されるわけではない。原子力安全委員会の斑目委員長ですら公言している。これはよく分かってきたことだ。第三に仮に第一次ストレステストの評価を認めたにしてもそのやり方はあまりにも杜撰で稚拙であった(たった5分の会議や疑惑問題の処理など)。要するに政府は形式的に専門機関(?)の保証(墨付き)を得たかっただけである。

■ 政府の急ぐ再稼働の危険性や問題は明瞭である。政府の判断が国民の意志や意向とこれだけ食い違っているなら、政府の暴走というほかない。目下の状況である。経産省前テントを保持しあらゆる方法と知恵を出して政府の暴走を阻止し原発ゼロを実現しよう!(文責 三上治)