森下俊三NHK経営委員長の再任に断固反対する。

(2021年1月29日)

森下俊三氏のNHK経営委員再任に強く反対する各界有志 記者会見

2021年1月29日(金)10時30分~12時
衆議院第一議員会館
出席者
 小田桐 誠(ジャーナリスト/大学講師)
 小玉美意子(武蔵大学名誉教授)
 澤藤統一郎(弁護士)
 醍醐 聰 (「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」代表/東京大学名誉教授)
 長井 暁(NHK・OB/大学教員)
 皆川 学(表現の自由を市民の手に全国ネット事務局/元NHKプロデュ-サー)

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NHKの信頼回復のために、森下俊三経営委員再任を許してはならない。

弁護士・澤藤統一郎

ことの発端は、「クローズアップ現代+」の「かんぽ保険の不正販売問題」報道である。これに、日本郵政の鈴木康雄上級副社長が噛みついた。日本郵政のバックには総務省があり、さらには政権のご威光があった。
NHKという公共放送の自主権への露骨な政治干渉である。この干渉は、NHKの受難ではあったが、一面NHKに対する国民の信頼回復のチャンスでもあった。
2001年「ETV・問われる戦時性暴力」番組改竄問題において、安倍晋三ら右派議員の政治圧力に屈したNHKは、良識ある国民からジャーナリズムとしての信頼を失い、「アベチャンネル」という揶揄にさえ甘んじる存在となった。
しかし、「かんぽ保険の不正販売」報道は、NHKが日本郵政とそのバックの政治勢力の威光を忖度することなく、「アベチャンネルとは言わせない」という、番組制作者のジャーナリズム魂を示すものであった。このような番組制作の姿勢こそがNHKに対する国民の信頼を復活する所以であり、当然に予想される外圧から全組織をあげて貴重な番組制作の現場を守り抜かねばならない。ところが、この番組制作に対する圧力は、意外なところから生じた。それが経営委員会である。
経営委員会は、「NHKのガバナンス上の瑕疵」という訳の分からぬ理由で会長厳重注意として露骨な番組潰しを進行させた。このことによって、NHKに対する国民の信頼回復のチャンスがあえなく潰された。この番組潰しを、一貫してリードした森下俊三委員(当時委員長代理・現委員長)の責任は極めて重大である。
同氏は、外部からの圧力の防波堤となるべき立場にありながら、番組潰しに狂奔したと言うべきで、ジャーナリズムの責務、NHKの使命、経営委員会の職責をまったく理解していないと判断せざるをえない。

いまNHKの報道姿勢の公正さにも運営の透明性にも、国民からの信頼は地に落ちた感さえある。その信頼回復のためには、同氏の委員長辞任だけでなく、経営委員即時辞任が必要であった。その実現ないままに、まさかの再任を許してはならない。

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2021年1月29日

各党党首 各位
衆参総務委員会委員 各位

日本郵政がNHKに圧力を加えるのに加担し、

放送法に違反した森下俊三氏が、

NHK経営委員に再任されることに断固反対します!

各界有志一同(賛同者名簿 別紙)

NHK経営委員長の森下俊三氏が、今国会で経営委員に再任されることが承認され、経営委員長を続投する見通しになったとする新聞報道に接し、我々は驚きと怒りを禁じ得ません。
森下氏は、「かんぽ保険の不正販売問題」を取り上げるNHKの「クローズアップ現代+」の放送を止めさせようとする日本郵政の鈴木康雄上級副社長の要請を受け、2018年10月23日に開かれた経営委員会が、「郵政3社にご理解いただく対応が出来ていないことは遺憾」「視聴者目線に立った適切な対応を行う必要がある」などと、上田良一NHK会長を「厳重注意」するのを主導した人物です。毎日新聞の報道(2020年6月29日)によれば、当時経営委員長代行だった森下氏はこの時、「今回の番組の取材は極めて稚拙で、取材をほとんどしていないということ。4月の番組は郵政には取材を全然していない」「番組の作り方の問題と執行部は考えるべきだ。ネットをうのみにしたのは問題だ」「本当は、郵政側が納得していないのは取材内容だ。納得していないから、経営委に言ってくる。本質的なところはそこで、向こうは今も納得していない」と述べています。これは、経営委員が個別番組の編集に関与することを禁じた放送法第32条に明らかに違反する行為です。
さらに、森下氏は、いわれのない会長厳重注意をした経営委員会の議事録を、全面公開すべきとの「NHK情報公開・個人情報保護審議委員会」の答申をも無視して、非公開に固執する経営委員会の議論を主導しました。こうした森下氏の言動は、「放送法」第41条が定めた議事録の作成、すみやかな公表に違反する異常・無法な行為です。
この「会長厳重注意」の2日後の10月25日、「クローズアップ現代+」から「かんぽ保険の不正販売問題」の内容を全てカットすることが決められ、番組は内容を変更して10月30日に放送されました。
本来は外部からの圧力の防波堤となるべき経営委員が、日本郵政がNHK執行部に圧力を加えるのに加担し、その結果、放送内容が変更された事実は大変重大です。しかも、この「会長厳重注意」によってNHKはその後「かんぽ保険不正販売問題」について長く放送せず、ようやく放送したのは日本郵政が問題を認めた後の、2019年7月の事でした。
その間も被害者は増え続けていました。いつでも放送できるだけの材料を持ちながら、問題を放送しなかった公共放送NHKは、「被害者を見捨てた」と言われても仕方がありません。
このような事態を引き起こした森下経営委員長の責任は誠に重大です。私たちはこのような人物をNHK経営委員に再任することに断固反対いたします。

〔個人賛同者〕

岩崎貞明(『放送レポート』編集長)
右崎正博(獨協大学名誉教授)
太田武男(政府から独立したNHKをめざす広島の会)
小田桐誠(ジャーナリスト/大学講師)
小野政美(教育ジャーナリスト/愛知県元教員)

加藤 剛(日本ジャーナリスト会議会員)
黒古一夫(筑波大学名誉教授/文芸評論家)
河野安士(「NHK問題大阪連絡会」代表)
小玉美意子(武蔵大学名誉教授)
小中陽太郎(元NHKテレビディレクター/作家・評論家)
小林 緑(国立音楽大学名誉教授/元NHK経営委員)
小山帥人(ジャーナリスト)

阪口徳雄(森友事件真相解明の会共同代表/弁護士)
佐久間敬子(弁護士)
佐々木江利子(児童文学者・日本児童文学者協会会員)
佐藤真理(弁護士/奈良NHK裁判弁護団長)
澤藤統一郎(弁護士)
清水雅彦(日本体育大学教授)
白井浩子(元大学教員)
杉浦ひとみ(弁護士)
須藤春夫(法政大学名誉教授)
砂川浩慶(立教大学社会学部教授/メディア総合研究所所長)
関 耕平(島根大学法文学部教授)

醍醐 聰(「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」代表/東京大学名誉教授)
田島泰彦(早稲田大学非常勤講師・元上智大学教授)
田中重博(「NHK問題とメディアを考える茨城の会」代表/茨城大学名誉教授」)
鶴田廣巳(関西大学名誉教授)

長井 暁(NHK・OB/大学教員)
永田浩三(武蔵大学教授/元NHKプロデューサー)
浪本勝年(立正大学名誉教授)
根本 仁(元NHKディレクター)

長谷川勝彦(元NHKアナウンサー)

松村高夫(慶應義塾大学名誉教授)
皆川 学(表現の自由を市民の手に 全国ネット事務局/元NHKプロデューサー)

安川寿之輔(名古屋大学名誉教授)
山中 章(三重大学名誉教授)

〔団体賛同者〕

「NHKとメディアを考ええる会(兵庫)」(共同代表 貫名初子・長尾粛正)
「NHKメディアを考える京都の会」(共同代表 倉本頼一・隅井孝雄・中島晃)
「NHK問題を考える奈良の会」(共同代表 佐藤真理・池田順作)
「NHKを考えるふくい市民の会」(世話人 伊藤洋子・金森洋司・佐野周一)

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賛同者メッセージ

「ジャーナリズムの法的・社会的使命を負うNHK経営委員長という立場にありながら、その責務に背を向け続け、ただひたすらNHKを政権の広報機関にすべく活動してきた森下俊三氏が経営委員長に再任されることなど常識では考えられないことです。森下氏が再任されるとすれば、その時は【みなさまのNHK】の看板は外すべきでしょう。」

(根本 仁・元NHKディレクター)

 

「森下俊三氏は、「かんぽ生命保険の不正販売」を取り上げた『クロースアップ現代+』をめぐって、上田会長への厳重注意を行うことにより、放送法違反である放送現場への介入を行い、被害を拡大させた張本人です。そうした人物が公共放送の最高意思決定機関の長に再び就くことは断じて許されません。政権への忖度を繰り返すNHKが、本来あるべき姿に立ち戻るために、森下氏に代わる新たな経営委員長が選出されることを強く希望します。」

(永田浩三・武蔵大学教授/元NHKプロデューサー)

 

「よこしまな圧力に加担して、NHKの放送をねじ曲げた森下委員長の責任は重大です。再任は断じて許されません。」

(小山 帥人・ジャーナリスト)

 

「日本郵政グループの不当な圧力に沿って積極的に放送番組への介入を行うとともに、NHK会長を厳重注意とする放送法違反を行ったばかりでなく、速やかな経営委員会の議事録開示を求めるNHK情報公開・個人情報保護審議委員会の答申を無視して、議事録を未だに公開しないという二重の放送法違反の行為を繰り返す元凶である森下俊三経営委員の再任には絶対反対です。「森下再任」はNHKを危篤状況に陥れます。」

(浪本勝年・立正大学名誉教授)

 

「表現の自由、報道の自由の維持・発展を使命とする機関にあってはならない行動です。経営委員長としての資質を欠くものと言わざるをえません。権力者や上層部の圧力を感じながらも頑張っている現場の職員の貴重な志に答えること、それが経営委員長の責務です。」

(佐久間敬子・弁護士)

 

「いまNHKの報道姿勢の公正さにも運営の透明性にも疑惑を禁じえず、国民からの信頼は地に落ちた感さえあります。その責任は、一に経営委員長森下俊三氏の言動にあり、これまで同氏の即時退任要請が天の声となってきました。その国民の声に敢えて逆らうごとき同氏再任予定との報には驚くほかありません。NHKの信頼回復のために、絶対に反対いたします。」

(澤藤統一郎・弁護士)

 

「放送法に違反する人物を再任することは、公共放送であるNHKにとって、また国民の知る権利、メディアの政府監視、民主主義の観点などから、許されないと考えます。」

(田中重博・NHK問題とメディアを考える茨城の会代表/茨城大学名誉教授)

 

「番組制作の手法にまで踏み込んで批判し、現場への介入を行った森下経営委員長の放送法違反は明白です。当然公開すべき経営委員会議事録を隠し通そうとする姿勢を見ても、公共放送の経営に責任を持つ立場である経営委員長の資格はありません。その続投人事をすんなり認める他の経営委員や政府にも、猛省を求めます。」

(岩崎貞明『放送レポート』編集長)

 

「NHKは安倍政権の擁護のために政治部の岩田記者などに話させ、実に政権よりの報道をしてきた。菅政権になっても、岩田なる記者が出なくなったようだが、政権擁護の基本姿勢は変わらない。」

(阪口徳雄・弁護士)

 

「再任する理由や審議の経過は国民に明らかになっているのでしょうか。疑問です。」

(佐々木江利子・児童文学者/日本児童文学者協会会員)

 

「経営委員会は、昨年5月にNHK情報公開・個人情報保護審議委員会の「2018年10月23日作成の議事録を開示すべき」との答申を無視しました。「ガバナンスが効いていない」のは、経営委員会自身です。経営委員全員が辞任すべき事態です。」

(皆川 学・表現の自由を市民の手に 全国ネット事務局/元NHKプロデューサー)

 

「公共放送の何たるか、公共放送がいかにあるべきかについて見識も理解もまったく欠如した人物を、NHK経営委員会の長に再任することは到底容認できません。権力の意向をうかがい、忖度し、ひたすら阿るような人物は公共放送に関わるべきではないと考えます。再任は、公共放送の役割を決定的に貶めるだけでなく、番組改善に努力しているNHK職員、また視聴者、国民全体に対する冒涜であり、暴挙です。」

(鶴田廣巳・関西大学名誉教授)

 

「森下俊三氏のNHK経営委員再任に断固反対します。

彼は経営委員が個別番組の編集に関与することを禁じた放送法第32条に明らかに違反する発言・行為をした。彼はこう述べているという。「今回の番組の取材は極めて稚拙で、取材をほとんどしていないということ」「本当は、郵政側が納得していないのは取材内容だ」彼は非難されるべき郵政の利益を守ろうとしたのみではない。非難されるべき郵政を告発しようとした取材現場を攻撃し貶めようとしたのだ。許されない行為である。」

(長谷川勝彦・元NHKアナウンサー)

 

「今回の問題、国家権力制限規範である憲法を研究する者として看過できません。ジャーナリズムに権力監視の役割を期待しているからです。日本郵政は株式会社化されましたが、前身は郵政省という国家機関です。また、当時の鈴木康雄日本郵政上級副社長は元郵政・総務官僚でした。このような国家権力の側にいた人物の要請に応えた森下俊三氏に、権力監視が期待されるNHKの経営委員を務める資格はありません。再任に断固反対します。」

(清水雅彦・日本体育大学教授)

 

「森下俊三氏のNHK経営委員再任を絶対に認めることはできません。森下氏は「かんぽ保険問題」の番組に放送法違反の介入を行っただけでなく、当時のNHK会長への厳重注意を検討した経営委員会議事録の開示をいまだに拒んでいます。森下氏はNHKの報道の自由をないがしろにした恥ずべき行為をした人物です。経営委員としての資質をまったく欠いており再任に強く反対します。」

(須藤春夫・法政大学名誉教授)

「放送法で禁じられた個別番組に口を出し、「官製値下げ」経営計画を決める”百害あって一理なし”の森下経営委員長。再任など論外。国会の見識が問われる。」

(砂川浩慶・立教大学社会学部教授/メディア総合研究所所長)

 

「メディアに関する世論調査(新聞通信調査会)では、どの世代でもNHKテレビへの信頼度は民放テレビよりも高く、60代70代においては圧倒的です。市民はマスメディアからの情報をたよりに「かろうじて」主権者たり得ているのです。

それゆえマスメディア自らが矜持を持つべきです。

報道の核心である番組編集の自由(放送法3条)に圧力をかけた森下氏を、NHKはなお委員に留めるのですか。」

(杉浦ひとみ・弁護士)

 

「以前なら自重されていたような暴挙が平然と行われるようになっています。そのことに鈍感になることが一番怖いと思います。諦めずに声を挙げ続けるしかないということですね。」

(浮田 哲・羽衣国際大学現代社会学部教授)

 

「森下俊三氏は放送法が禁じている番組制作への介入や経営委員会の議事録の隠蔽などを平然と行い、NHKを政府の広報機関にするべく、政権への忖度・追随・同調に励んでいます。

ジャーナリズムの使命と責務についてなど、一度でも考えたことがあるのでしょうか。このような人物を経営委員長の座に置くことは断じて許されません。」

(池田恵理子・アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)/元

NHKディレクター)

 

「NHKにおいて、経営委員会幹部が政権寄りの立場を改め、真実を報道することに徹すれば、世界と日本の隅々に張り巡らされた取材のネットワーク、視聴率があることから、この日本を人が人を大切にする暖かい国に変える大きな力になります。アピールに賛同します。

報道と制作の現場で歯を食いしばって頑張っている人達へ。

皆さんの存在を心ある人々は知っています。くじけないで良心を根拠として、日々を過ごしてください。」

(梓澤和幸・弁護士)

 

「森下俊三NHK経営委員再任は国民・視聴者への挑戦です。放送法に違反した人物を、あえて選任することは放送法を無視しても構わないという国民への裏切り公認です。許すことはできません。」

(「NHKとメディアを考える会(兵庫)」共同代表・長尾粛正)

 

「法的にも倫理的にも公共放送の守り手として最もふさわしくない森下氏がこれ以上経営委員長としてとどまるなら、NHKは致命傷を負うことになります。すでに政権の広告塔と化したニュースに加え、良心的な記者や製作者が守ってきた多くの番組も失われかねません。再任反対を強く求めます。」

(石塚直人・元読売新聞記者)

 

「これ以上の報道の自由への侵害を許してはなりません。時代の流れを戦前の戻そうとするような自民党の政治に何時になったらこの国の人びとは決別できるのでしょうか。」

(大鹿康廣・退職教員)

 

「放送法違反に当たる行為を繰り返してきた森下俊三氏をNHK経営委員に再任するなら、違反行為をお咎めなしとして追認することにつながります。また、そうした人物が経営委員に居座るなら、NHKへの信頼も大きく損なわれます。法の支配とメディアの健全性という観点から、同氏の再任に強く反対します。」
(小野塚知二・東京大学経済学研究科教授/東京大学アジア研究図書館長)

 

「公共放送の使命を果たそうと必死になって努力した同僚たちの、その熱意と使命感を踏みにじり、番組の放送を妨害し、被害を拡大させる結果を招いた森下氏の行為は、到底許されるものではありません。

森下氏が経営委員長を続ければ、私たち現場の職員は、いつまた番組に介入されるかわからないという不安にさらされるでしょう。NHKの現役職員として、森下氏の経営委員再任に強い危機感を持って反対します。」

(匿名希望NHK現役職員A)

 

「趣旨に賛同させて頂きます。再任はNHKの将来性、存在意義に影響する事を懸念します。NHKの多様性を守りたい。反対いたします。」

(匿名希望NHK現役職員B)

 

「アピールに賛同致します!上層部への忖度が蔓延するNHKの職場環境を変えていくためには、まず経営委員会から放送法を遵守する強い姿勢を示す必要があります。森下経営委員長の委員再任に反対です。」

(匿名希望NHK現役職員C)

 

「森下経営委員長再任に反対するアピールに賛同します。森下氏は経営委員会の透明性を失わせ、国民のNHKの運営への信頼を失わせる行動を意図的かつ継続的に行っていることが、公表された情報だけで十分判断できると思います。」

(匿名希望NHK現役職員D)

 

「森下氏の再任は、かんぽ問題の経緯を注視してきた多くの職員の、士気やモチベーションに悪影響を与えます。反対します。」

(匿名希望NHK現役職員E)

 

「森下経営委員長の委員再任の緊急アピールに賛同します。」

(匿名希望NHK現役職員F)

 

「NHKの現役職員です。かんぽ問題では、被害者救済という確固たる目的を持って取材を重ね放送も決まっていたにもかかわらず、介入により放送が実現しませんでした。そのショックは大きく、職員の中にトラウマとして蓄積しています。森下氏の再任によって、また介入が起きるのではないか、視聴者第一の報道姿勢が揺いでいくのではないかと恐れています。視聴者の信頼低下を防ぐためにも、森下氏の経営委員再任に反対します。」

(匿名希望NHK現役職員G)

 

「視聴者に信頼される公共メディアたるべく、私たちは日々現場で放送の仕事に向き合っています。変わりゆく情報環境に対応するための改革。受信料の価値を最大化するための努力。ファクトをつかむための地を這う取材。深いテーマをわかりやすくお届けするための知恵と工夫。そうやって私たちは1ミリずつ、公共メディアとしての「信頼」を積み上げています。しかし森下経営委員長は、こうした現場の積み上げを台無しにしてきました。森下氏による番組への介入が制作現場に及ぼした混乱と不信は、未だに現場に深い陰を落としています。そして当該の議事録すら、全うに公開すらしないその姿勢。視聴者からの信頼を毀損する人物を経営委員長として再任することに、1人のNHK職員として納得ができません。断固反対いたします。」

(匿名希望NHK現役職員H)

初出:「澤藤統一郎の憲法日記」2021.1.29より許可を得て転載

http://article9.jp/wordpress/?p=16251

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/

〔opinion10509:210129〕