検定済教科書のデタラメさについて、作家の彦坂さんとの往復メール

皆様

こんばんは。増田です。これはBCCでお送りますので、重複、長文、ご容赦を!

昨日の中野アソシエ講座のご案内の中で、文科省検定済合格の中学校歴史教科書が、「日米開戦」について、どのように記載しているか御紹介しました。

それに対し、あるMLで作家の彦坂諦さん…『ひとはどのようにして兵となるのか―ある無能兵士の軌跡』(罌粟書房)等…から、以下の返信をいただきました。長くなりますが、私の返信も含め、ご紹介します。

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増田さん、

ついつい口をはさみたくなりました。

あきれたものですね、こんな教科書なんかないほうがましです。

こういった教科書でもみごとに使いこなせる教師は、あなたが教壇から追放されたあとには、いったいどれほどいるのかしら?

内閣に開戦を決定する権利などなかった。

東条は、けっして、ヒトラーのような独裁者ではなかった、ありえなかった。

たんなる優等生にすぎなかった。

彼は天皇をこよなく崇拝してたから、近衛や木戸たちは、彼を首相にすれれば陸軍を

おさえて開戦をふせげると誤算した。

じじつ、東条は天皇の一語一句に恐懼して天皇の意志を一所懸命まもろうとした。

その結果、崇拝する天皇の意志まで無視する行為に出た。

あくまで天皇の意を体しているつもりで。

こんなヘンチキリンナ、政治過程などと到底言うことなどできないお芝居が

オオマジメ・クソマジメに演じられていき、その結果が「大東亜戦争」だっていうのだから、ったく、こんな国家がこの地球上にあったとは信じられない。

「だれもが反対なのに戦争になってしまった……?」

これは、わたしの『兵はどのようにして殺されるのか・上』の冒頭の章のタイトルです。

「になります」「になっております」式の言いかたが、いったい、いつまで幅をきかせるのか?!

九月の御前会議など諷刺喜劇の絶好の舞台でしょうね。

明治天皇の御製「よものうみ」を、開戦の決定権を握っている唯一絶対最高の権力者である「はず」の(気ヲツケ!)天皇陛下がしずしずと読みあげる光景なんぞは、抱腹絶倒の場面である「はず」です。

彦坂 諦

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ひこさん
こんばんは。増田です。早速、返信いただき、ありがとうございました! 反応があると、とってもとっても嬉しいです!

内閣に開戦を決定する権利などなかった。

東条は、けっして、ヒトラーのような独裁者ではなかった、ありえなかった。たんなる優等生にすぎなかった。

彼は天皇をこよなく崇拝してたから、近衛や木戸たちは、彼を首相にすれれば陸軍をおさえて開戦をふせげると誤算した。

本当に、その通りなんです! それなのに、文部科学省=日本政府は、こんな見え透いた歴史「偽造」を行っている俗悪本を「中学生歴史教科書」として合格させて、中学生に、誤った歴史認識を育むことを恥じないのです。犯罪的ではないでしょうか? 

こんなヘンチキリンナ、政治過程などと到底言うことなどできないお芝居が

オオマジメ・クソマジメに演じられていき、その結果が「大東亜戦争」だっていうのだから、ったく、こんな国家がこの地球上にあったとは信じられない。

それで、310万人も自国民を殺し、2000万人という他国民を殺し、その内外の国民に対する責任を自らとったヒトはゼロでしたよね…ヒロヒトさんに申しわけない、って、腹切ったヒトはいたようですけど…

でも、ヒロヒトさんはじめ、岸信介含め、本来の「責任者」は誰も責任を取らないで、シャーシャーと生き延びて、その後裔たちが、またぞろ、「こんな国家がこの地球上にあったとは信じられない」ような国家を再現しているんじゃないでしょうか? 

「だれもが反対なのに戦争になってしまった……?」

これは、わたしの『兵はどのようにして殺されるのか・上』の冒頭の章のタイトルです。

「になります」「になっております」式の言いかたが、いったい、いつまで幅をきかせるのか?!

まったくまったく…教育出版の教科書ときたら「東条英機が首相になりました」!? ですよ。まるで自然現象であるかのように…竹の子が竹になるように、自然に「東条英機が首相になりました」!?(笑) 

誰が、東条を首相にしたのか? 

育鵬社教科書(扶桑社教科書)は、確信犯ですから積極的に歴史偽造をしますが、他の出版社は、さすがに歴史「偽造」まではいかないものの、文科省検定を意識してか、一番重要な真実は書かないのです。書けないんでしょうけど…

九月の御前会議など諷刺喜劇の絶好の舞台でしょうね。

明治天皇の御製「よものうみ」を、開戦の決定権を握っている唯一絶対最高の権力者である「はず」の(気ヲツケ!)天皇陛下がしずしずと読みあげる光景なんぞは、抱腹絶倒の場面である「はず」です。

その「九月の御前会議」では、心配で心配でしょうがなかった天皇が、121日の開戦正式決定の御前会議では、「御上は説明に対し、一々うなづかれなんら御不安のご様子を拝せず、御気色麗しきやに拝し、恐く感激の至りなり」( 杉山メモ)という状況を対照させれば、「風刺喜劇」が完成するのではないでしょうか?

でも、今の政治屋たちも、このレベルとほとんど変わりはしない、「今もこんな国家」ではないかと思うと、情けなさすぎですね

今、私がゼミ講師をしている予備校の生徒は、キチンと明治以降の歴史を知りって、まだ、日清戦争を終えたところですけど以下のような感想を書いてくれました。

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こういう、日清戦争の真実や朝鮮王妃殺害の歴史を知らない日本人が多いままでは、日本が、中国・韓国の人たちの意識から、ずれまくってるのはしかたないなー、と思った。日・中・韓が、手を取り合うのは、このままじゃ夢のまた夢だな、と思った。

「日露の戦争は、何故、止められなかったか」とか、昔、TVでやってた気がするが、なんだか、「結局、なんなんだ?」「『何故、止められなかったか』ちっとも分かるようになってない」、と思った思い出がある。朝鮮王妃殺害のことも話さなかったしこれならTVを見ても、いまいち、「日露戦争は何故、止められなかったか」頭に入ってこなかったのも納得だ。

こういう歴史の事実を今日知って、今のネットの状態「中国・韓国が悪い、悪い」と言っているを思い浮かべると、火に油を注いでいる!? 誰かが、これを止めて、日本人を「井の中」でなく、外を見せないといけないのに、日本人のほとんどは歴史の事実を知らない上、知ったところで何もできないこのままで、日・中・韓は関係を修復できるのだろうか文科省が、いけないのか?

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若い人たちはって、年齢には関係ないですけど(笑)キチンと真実を知れば、どうすべきか、煩悶しながらよく考えていきます。この中で、どうすべきか、理解できてくると確信しています。

そうさせないための、文科省検定!? 日本政府の愚民化政策!?

なにしろ、無力に近い微力ですけど、できることは、やっていくつもりです! 楽しみながら!