沖縄基地問題・ふざけた話し二つ

今日(25日)、24日24日付の琉球新報が送られて来ました。別刷り特集が凄い。びっくり仰天です。1ページが普通の新聞2ページ分の大きさの『夏の甲子園優勝記念特集』3枚に、東京スポーツ全盛期でも見なかった様な10センチぐらいの活字で「興南春夏連覇」と横組みの大見出しが打たれ、縦に、「県勢初の夏頂点」、「東海大相模に13-1」とデカデカです。

東スポが社運を賭けた「猪木対アリ」戦より確実に大きいのですから、沖縄の興奮は格別なのでしょう。普天間基地移転の原動力になった2007年9月の11万人沖縄県民大集会の時よりも大きい紙面作りです。もちろん今年4月の、鳩山首相の「5月末決着」を後押ししようとした9万人県民大集会よりも大きい。写真だけなら、11万人集会の時の方が勝っていると思いますが、紙面作りは春夏連覇の勝ちです。

で、ふざけた話と謂うのは此の事では有りません。本紙紙面のトップ記事と2面の第2記事のことです。

一つ目のふざけた話は、「飛行経路の説明誤り」、「辺野古・普天間代替施設案 米、日本に是正要求」、「騒音被害地が拡大」と1面に有り、「辺野古飛行経路 面目優先、地元配慮なし」、「移転計画のずさんさ露呈」と2面に解説され、「飛行経路説明米が是正要求 『日本政府うそつき』」、「北部の不信感 限界に」と社会面に反応が伝えられている事実です。要するに過去してきた自民党政府と外務省と防衛省の、国民に対する辺野古移転後の飛行経路と騒音影響地域の説明は過小に粉飾された嘘だった、と云う事なのですが、それにアメリカが改めて「飛行機が台形に飛べるはずがない。標準的な楕円形の経路で飛ぶ。沖縄に正直に説明すべきだ」と、是正を要求した、と謂う事です。

日本側公務員の主権者を「被統治人民」として扱い続けて来た対応も「ふざけた話」ですが、アメリカ帝国主義権力の、普天間基地移転は不可能、海兵隊はほとんど解体、と謂う事態になって日本国主権組織を主権者の批判に曝して日本側の更なる譲歩を求める策動も「ふざけた話」です。諜報戦、地下戦で圧伏させられている日本帝国主義の現状を遺漏なく曝しています。

一言脱線しておけば、9条護憲派の皆さんは、「戦争放棄」、「軍事力不保持」だったら、憲法的国体は「諜報国家」、「地下戦国家」を志向しているのだと了解してくださいね。国連(連合国)依存とも、日米安保受諾とも憲法が関係のないことは、歴史年表を見れば歴然たる事です。

二つ目のふざけた話は、「軍用地料1%増再提示」、「防衛省減額を転換 土地連拒否、増額要求へ」と云う事実です。此れは、私が昨日投稿した記事のどんでん返しです。「差当たりは駆け引きの為である事は明白」と書いて置いて私も恥を掻かずに済みました。

此れは、防衛省からする菅首相への挑戦なのでしょう。駆け引きの相手が、昨日の時点では私も土地連以外は、財務省ぐらいしか思いつかなかったのですが、民主党政権首脳に防衛省官僚が挑戦しているのでしょうね。しかし、概算要求以前の段階でこんな事をして、もし菅首相に骨が在ったら如何するのか。

もちろん、菅首相が易く見られているからこうした事態が発生するわけですが、「ふざけた話」です。政治主導について、自身が独自の考えを持っていそうに無い、と見切られているわけです。

民主党の奇妙な党首選の様相については、安東さんが論じていましたが、それはその通りであるけれども、政局論に戻るより他ない「オリジナルアイデアなき政治家群像」しか持てていない日本では、経綸なき政争と謂う「ふざけた話」も止むを得ないのではないでしょうか。(了)

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/

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