11月16日投開票の沖縄県知事選について、朝日新聞は7~8日の両日、沖縄タイムス社、琉球朝日放送と共同で電話調査を行った。朝日9日付朝刊によると、前那覇市長の翁長雄志氏(64)が優位に立ち、現職の仲井真弘多氏(75)が追っている。元郵政民営化担当相の下地幹郎氏(53)は伸び悩んでおり、前民主党県連代表の喜納昌吉氏(66)も支持の広がりが限定的だ。
翁長氏がリード、仲井真・前知事が追う
知事選への関心は「大いに関心がある」が57%、「少しは関心がある」が35%で、約9割の人が関心を示している。投票態度を明らかにした人を分析すると、翁長氏は幅広い年代から支持されており、全体の7割を占める無党派層にも浸透している。支援を受けている社民、社大、共産支持者を固め、自主投票の民主も大半が支持している。 仲井真氏は推薦を受けた自民の支持者の約8割を固めた。年代別では20~40代で一定の支持を集めている。無党派層で引き離されている。
天皇裕仁の政治責任は重い
最近読んだ「沖縄の<怒> 日米への抵抗」(ガバン・マコーマック豪州国立大名誉教授、乗松聡子氏共著)に痛く感動したので、その一部を紹介して参考に供したい。
「戦後、分離された沖縄は米国の『太平洋の要石』とされた。天皇裕仁は(1901~1989年)自身、分離と米国による軍事占領を希望した。自らの政治権力を全て剥奪した1947年憲法には受諾しておきながら、憲法施行数日後、裕仁はマッカーサー元帥に、『日本の安全を図る為には、アングロサクソンの代表者である米国がそのイニシアチブを執ることを要請するのでありまして、このため元帥の御支援を期待しています』と伝えている」。
また、「1945年2月、前首相で天皇の側近である近衛文麿は敗戦必至であり、共産化を防ぎ国体を維持するためにも早期和平を探るよう天皇に進言した。天皇は合意せず、『もう一度戦果を挙げてからではないと難しい』と答えた。日本本土で敗戦を論じるときは、8月15日ポツダム宣言を受諾して降伏したという、いわゆる天皇の聖断が注目されるが、沖縄では逆に、天皇がこの〝近衛上奏文〟にもかかわらず戦争を続行した責任に重点が置かれる。この決断により多大の損害を受けたのは沖縄だけではない。広島と長崎の原爆を含め約50万人と推定されている日本本土の空襲などによる民間人死者の大半が、このときの戦争続行決断の後に殺されている」と、天皇の戦争責任を指弾している。
沖縄人の心情を投影した県知事選挙、結果のいかんを問わず、米軍沖縄基地打開への道は険しい。
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