半澤健市氏の「浜矩子教授の「「財政危機」」講演を聴く‐「「国債バブル」」は本当だろうか」は、浜矩子氏の著作や講演に接したことの無い小生にとっては、間接的ながら氏の論説を窺うことが出来て感謝しました。
しかし、浜教授には失礼ながら、冒頭の「ギリシャ財政問題の本質」から「問題誤認」についての一節で、呆れて読む気力を喪失。 アマゾンで教授の著作を覗いて購読しようかと思っていた矢先でしたが、急きょ取りやめ。
ギリシャ財政の問題で、EU各国が共同歩調を取れないのは当然で、各国は独自の内政問題を抱えていて財政事情も相違しています。 国家主権を抑制し、過度な民族意識に節度を保持出来るかどうかが今後の課題であるのは自明の理でしょう。 「ユーロ圏」の崩壊がカウントダウンに入ったのかどうかはともかく、圏内の南北問題に焦点が合って来たのは事実です。 しかし、「狼少年」よろしく危機感だけを煽るのは、低レベルのテレビ番組のコメンテーターとしてならともかく、大学教授としては如何なものでしょう。
また、「ユニクロ型デフレ」と経済・金融悪政下の日本においてでさえ、新規の成長産業の一モデルになったとも言える「ユニクロ」を悪役の典型例として攻撃されるのは、問題誤認の主は教授ご自身ではないのかとの疑念を抱かざるを得ません。 そもそも今日の日本が「デフレ」と言われること自体に、グローバル化した世界の経済を正確に認識されておられないと言わなければなりません。 まあ、これについては、私などより池田信夫氏の批判をご覧ください。
以後の教授の講演は、経済より精神訓話乃至宗教教学じみて来るようで理解不能。 半澤氏の労は多としながらも、本当に経済学者たるものがこの程度でお茶を濁しておられるのかどうか、一度教授の著作に当たってから再度感想をお送りいたします。