2022年から本格化した物価高騰が、市民の家計に大きな影響を及ぼしていることが、日本生活協同組合連合会(組合員3054万人)の「節約と値上げの意識についてのアンケート調査」で明らかになった。それによると、相次ぐ物価高騰に組合員は、ふだんの食事や外食で節約を余儀なくされており、日常生活は厳しくなる一方だ。
アンケート調査は、今年の5月9日~14日におこなった。調査はWEBを通じてのアンケートで、有効回答数は3278。昨年11月も同様の調査を実施している。
95%が値上げによる家計の負担を実感
アンケートの第1問は「食品・飲料の値上がりによる家計への負担を実感することがありますか?」(答えは一つ)である。
これに対する回答は、「とても感じる」65.1%、「やや感じる」30.0%、「どちらでもない」3.1%、「あまり感じない」1.6%。「とても感じる」と「やや感じる」を合わせると、なんと95.1%である。
日本生協連によると、昨年の調査結果は「とても感じる」53.8%、「やや感じる」37.6%で、合わせて91.4%だったから、今年の調査結果は昨年を3.7%上回った。日本生協連は「1年以上続く物価高騰に終わりがみえないことから、組合員には以前よりも値上げを実感している傾向が見られた」としている。
商品の値上がりにより購入頻度や量が減ったのは「デザート・スイーツ・アイス」「卵」「菓子・おやつ」
第2問は「食品・飲料・日用品で、値上がりにより、より安い商品に切り替えたもの、購入頻度や量が減ったものがあれば教えてください」(答えはいくつでも)である。
これに対する回答はどうだったか。「より安い商品に切り替えたもの」は、「パン」「紙製品」「牛乳・乳製品(チーズ・ヨーグルートなど)」「肉(冷凍含む)」「菓子・おやつ」がトップ5。「購入頻度や量が減ったもの」は「デザート・スイーツ」「卵」「菓子・おやつ」だったという。
日本生協連は「全体として、安い商品に切り替えるというより、購入頻度や量が減ったと回答した人が多かった」としている。
全体の93.3%が日頃から節約を意識
第3問は「あなたは、日頃、節約を意識していますか」(答えは一つ)。
結果は「強く意識している」23.1.%、「ある程度意識している」70.2%、「あまり意識していない」6.3%、[全く意識していない」0.4%。日頃から節約を「強く意識している」と「ある程度意識している」を合わせると、93.3%だ。
とくに、20代で、「あまり意識していない」人が昨年より13.0%減少しているのに対し、「ある程度意識している」人が14.4%増加していることから、日本生協連は「とくに若年層で節約の意識が高くなっている」とみている。
家庭での節約で最も多いのが「ふだんの食事」
第4問は「あなたのご家庭では、ここ3カ月で、どのような項目の節約を行いましたか」(答えはいくつでも)である。
回答は多岐にわたったが、一番多かったのは「ふだんの食事(食料品・菓子・飲料・テイクアウトなど)」だった。昨年の調査では、回答者の42.1%が「ふだんの食事」を挙げたが、今年の調査では60.9%の回答者が「ふだんの食事」を挙げた。昨年からなんと18.8%も増加したわけである。
次いで多かった節約は「外食」。昨年の調査ではトップだったが、今年は第2位に。この次に多かったのが「水道光熱費」。これは、電気料金の値上げが影響しているものと思われる。
購入時に価格が気になるティッシュペーパー
第5問は「日用消耗品に対して、購入時に価格の安さを重視するものを教えてください」(答えはいくつもでも)である。
これへの回答は――第1位ティッシュペーパー、第2位トイレットペーパー、第3位衣料用洗剤、第4位台所用洗剤、第5位トイレ用洗剤であった。
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