”確保“とは、逃走中の容疑者の身柄を「確保」、食料の「確保」、避難路の「確保」、などというときに使用することが多いのではないか。たしかに「〇〇数の確保」だけれど、皇族方にしてみれば、どこかもの扱いされていると感じてはいないかと余計な心配をしてしまう。
『読売新聞』は、2月1日、「衆参両院の正副議長と各党・会派の代表者らは31日、安定的な皇位継承に関する与野党協議を衆院議長公邸で開き、議論を再開した。各党・各会派は皇族数の確保策について今国会中に一定の結論を得ることで一致したが、主張の隔たりは大きく、議論は難航することも予想される(「皇族数の確保策、今国会中に結論…これ以上先延ばしできないの認識で一致も主張には隔たり」2025年2月1日)と報じた。
『毎日新聞』は、3月16日の「社説」で「皇族確保の与野党協議 安定継承を念頭に結論を」と題して「皇族数の確保策を検討する与野党協議が再開された。2021年に政府の有識者会議が出した報告書を踏まえ、昨年5月に議論を始めたが、意見がまとまらず事実上中断していた。このままでは皇族の数が減り、皇室活動が先細りするばかりだ。今国会中に一致点を見いだす必要がある」とし、末尾では「有識者会議の報告書は政治的対立を懸念し、皇族数確保に論点を絞っていた。喫緊の課題について結論を急ぐのは当然だが、与野党は皇位継承の観点を踏まえて協議に臨む必要がある。天皇の地位は憲法に「国民の総意に基づく」と明記されている。持続可能な皇室像について正面から議論し、国民が納得できる結論を得る。それこそが政治の責務である。」と結んでいる。
記事中にある2021年の有識者会議、「皇位継承に関する有識者会議」が、①女性皇族が結婚しても皇族として残る ②女性皇族と旧宮家の男子と養子縁組をする、という、ほんとに中途半端な、曖昧とした案をまとめたものだから、「全体会議」でも、男系にこだわり、女性天皇・女系天皇につながる①案に反対す保守派がいる限り一致は見られないだろうし、②に至っては、時代錯誤も甚だしく、現実性に乏しいだろうし、他の「妙案」とて、あろうはずがない、と私は考えている。
その後、「全体会議」は、開かれているのだろうか。結論が出たというニュースはみあたらない。会期が迫っている今の国会は、石破総理の商品券問題や何やかやでそれどころではなく、また見送られる可能性が高い。
私は、皇位継承者がいなくなるというのならばそれでいいのではないか、とも。残る皇族方には、お引き取り願って、自立の道を拓く努力をしてもらい、それまでは国の責任で必要最小限度の支援をしなければならないだろう。おのずと憲法の第一章は不要となり、削除されることになる。あの世から、そんな日来ることを願うことになるのだろう。
いや、今からできることもある、と考えているのですが、どうお考えでしょうか。以下もご参照ください
「私の言いたかったこと」を報告しましたが~大嘗祭に思うこと: 内野光子のブログ
初出:「内野光子のブログ」2025.3.21より許可を得て転載
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2025/03/post-a9d080.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
〔opinion14154:250321〕