祝! 「非核市民宣言運動・ヨコスカ」に神奈川県弁護士会人権賞

毎月、 「非核市民宣言運動・ヨコスカ」から、「たより」が届く。24頁建の立派なもの。やっていることは米軍や自衛隊との対決なのだから深刻なはずなのだが、ゆるーい運動のセンスが、素晴らしい。

本日(1月24日)届いた「たより」が、実は12月号のようだ。まずは「いずも」空母化決定への抗議行動の記事。抗議のヨットと較べて、「いずも」の巨大さに目を瞠る。いかにも、市民手作りの運動なのだ。そして、9頁のお知らせを見て驚いた。

突然のお知らせですが、このたび「非核市民宣言運動・ヨコスカ」は、第23回神奈川県弁護士会人権賞をいただくことになりました。ご支援いただいているすべての皆様に、謹んでご報告致します。

受賞理由

1972年に米空母ミッドウェイが横須賀港を母港としたことを契機に発足し、基地のない町を作ろうと、平和の声を上げ続けてきた。「糾弾より対話」をモットーに、敵を作らない地道な活動を続け、1976年2月に始まった月例デモは、2017年に500回に達した。基地問題を解説したブックレットの発行や自衛官の人権問題にも取り組んでいる。

「地道な運動」は続けてきましたが、なにかをなし得たと言えるものはほとんどなく、「人権賞」受賞にふさわしいか、とまどいもあるのですが、小さな運動への励ましと受け止め、贈呈式に望みたいと思います。なにより、反基地運動を、人権という視点から見ていただけたことを、たいへんうれしく思います。 安保関連法成立後の横須賀は、米艦防護、米イージス艦への給油等、関連法発令の現場であり、海上自衛隊施設の増強等の課題が目白押しです。「人権賞」に背中を押してもらいながら、地域の皆さんとともに、対話を重ね、平和構築の歩みを続けていきたいと思います。

神奈川県弁護士会のホームページにはこうある。

2019年2月3日(日)に開催される『人権シンポ in かながわ2019』において贈呈式を行います。当日は受賞者から受賞のお言葉をいただく予定です。贈呈式は12時45分から横浜開港記念会館講堂で行いますので、ぜひご参加下さい。

神奈川県弁護士会人権賞とは

当会は、横浜市緑区で発生した米軍機墜落事故訴訟弁護団からの寄付をきっかけに、平成4年3月に人権救済基金を設立しました。その有意義な使途のひとつとして、人権擁護の分野で優れた活動をした個人、団体を表彰することにより、人権擁護の輪を広げ、人権の更なる発展と定着に寄与したいと考え、平成8年に人権賞を創設いたしました。

表彰の対象としている活動は、次のような人権擁護活動をされたものです。

人権の侵害に対する救済活動
人権思想の普及・確立のための活動
その他、人権擁護のための活動

憲法が定める様々な基本的人権の擁護、確立のための活動、特に高齢者・障がい者・子ども・外国人・刑事被告人・被疑者・犯罪被害者等の人権に関する問題、両性の平等に関する問題、消費者問題、公害環境問題、労働問題、平和問題等の人権課題など、人権の保障がまだ十分でない状態にある人たちの人権の擁護・確立のための諸活動を行い、優れた功績を挙げた民間の個人、グループ、団体に賞を贈っております。

今年(2019年)の神奈川県弁護士会人権賞 受賞決定者は2名。
もうひとりは、西野博之さん。不登校児童の問題が社会に提起され始めた頃から、子ども達の居場所作りに献身的に取り組み、生きづらさを抱える若者達、様々な障がいのある人達に、ともに地域で育ち合う場を提供するなどの活動を続けてきた方だという。

非核市民宣言運動・ヨコスカについてはこんな記事もある。

「表彰事項」

「基地の街横須賀で、40年以上持続して平和の声を上げ続けてきた。基地問題をわかりやすく解説した各種ブックレットを発行している(30冊)。自衛官ホットライン、アンケート、裁判支援等、自衛官の人権問題にも取り組んでいる。
「糾弾より対話」をモットーに、「敵を作らない活動」を続けている。

推薦理由

「平和なくして人権なし」平和憲法の理念を守る当団体の活動はまさに人権賞にふさわしいと考える。

「たより」が、「反基地運動を、人権という視点から見ていただけたことを、たいへんうれしく思います。」と言っているのが、印象的である。弁護士会は、当然のごとく、人権課題の例示として平和問題を挙げている。人が平和に暮らすことは人としての権利なのだ。しかも、平和でなくては精神的自由も、経済的権利も成立し得ない。多くの人権をなり立たせるものとしての基礎的な人権。平和的生存権という名称を冠するか否かにかかわらず、平和は人権である。まさしく、「平和なくして人権なし」なのだ。

なお、「たより」は毎月発行。年間定期購読料は郵送料込みで2000円。
申込先は、下記のとおり。
横須賀市本町3-14 山本ビル2F
電話/FAX 046-825-0157

(2019年1月24日)

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『人権シンポ in かながわ2019』
2月3日(日)
横浜開港記念会館講堂

9:30
映画「新・あつい壁」上映
製作:「新・あつい壁」製作上映実行委員会
監督:中山 節夫
出演:趙 珉和、安藤 一夫、ケーシー高峰
講演 死刑廃止に向けた日弁連の取り組み
講師:小池 振一郎さん(弁護士・第二東京弁護士会)
詳細はこちら

12:45
神奈川県弁護士会人権賞贈呈式
受賞者
西野 博之さん(NPO法人フリースペースたまりば理事長)
非核市民宣言運動・ヨコスカ
14:00
シンポジウム「自衛隊は必要」と考えるあなたへ
~でも、「憲法に明記」はこんなに危険~
講演Ⅰ「憲法に自衛隊を書かないことの意味」
長谷部 恭男さん(早稲田大学法学学術院教授・憲法学)
講演Ⅱ「いま軍隊化する自衛隊」
半田 滋さん(東京新聞論説兼編集委員)

初出:「澤藤統一郎の憲法日記」2019.1.24より許可を得て転載

http://article9.jp/wordpress/?p=11967

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/

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