韓国通信NO769
メーデーを4月26日に開催するのは世界的にも珍しい。

1886年5月1日、シカゴの労働者が8時間労働を要求したストライキに由来するメーデー。わが国では1920年から始まった。
映画『ノーマ・レイ』は繊維工場の女工ノーマが労働条件の改善を訴えて仲間とストライキをするまでの奮闘ぶりを描いた。「UNION(団結)」のステッカーを掲げたヒロインの姿がまぶしかった。1979年制作アカデミー主演女優賞を受賞した話題のアメリカ映画だった。

一口で労働者の「おまつり」といわれるが、メーデーには世界中の労働者の闘いの歴史が刻まれている。
記念すべき5月1日から、縁のない休日に移した「連合」の横着ぶりは大いに気になるところだが、日本の首相がメーデーに招待されるのは気になるどころか大いにあきれた話だ。
労働者の組織率は今や過去最低の16.1%。かつて統一して行ったメーデーは三つに分裂。全労働者のうち非正規雇用労働者が4割を超える。
首相をメーデーに招待するのは唯一「連合」だけ。賃上げに理解を示した政府はもはや同志と言わんばかりだ。わが国最大のナショナルセンターとしてやるべきことはほかにないのだろうか。
<はがれる化けの皮>
格差社会が生んだ貧困。庶民を苦しめる物価の高騰。戦争と核の不安。温暖化と相次ぐ異常気象、地震の不安。付け加えるなら不安材料に自民党もあげていい。
国民の不安と怒りが渦巻く中で、「連合」だけが自民党と「お友だち」なんてことはあり得るのだろうか。首相をメーデーに「招くほうも招くほうだが、出かけるほうも出かけるほうだ」という街の声は連合の幹部には届かないようだ。原発事故から14年たって事故の後始末もできないなか、「連合」は原子力ムラ入り? 恥ずかしい。首相をメーデーに呼んだばかりに「連合」の化けの皮がはがされようとしている。会場雛壇には福岡厚労大臣、小池都知事の姿も並ぶ(写真/時事通信4/26付)。 祝メーデー!

尹錫悦大統領の弾劾に伴い行われる大統領選挙の野党候補に、3年前の大統領選挙で0.73ポイントの僅少差で敗れた李在明氏が再度挑戦することになった。一時、尹政権の下で「公職選挙法違反」「土地開発疑惑」などで告発され窮地に立たされたが、「濡れ衣」事実無根と疑惑が晴れて党内大統領選出投票では90%という驚異的な支持で候補者に選ばれた。学歴は小学校卒業。 中高は検定試験を経て大学卒業後、弁護士資格を取得した苦労人である。
数々の挫折を乗り越えて再び大統領に挑戦する李候補は「内乱の終息と危機の克服、統合と国民の幸福を渇望するすべての国民の候補」として、「大統領の第一課題である国民統合の責任を果たす」と述べた。与党の候補は選抜が難航している。
速報⇒5月1小原 紘日、韓国最高裁判所は李在民大統領候補の公職選挙法違反容疑事件を有罪趣旨で破棄し差し戻した。有罪の場合、大統領に当選しても失格の可能性がでてきた。
翌日のハンギョレ新聞は「大統領選まで1カ月、揺れる政局」と野党民主党と政界の衝撃ぶりを大きく伝えた。
初出:「リベラル21」2025.5.03より許可を得て転載
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-6746.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion14202 : 250503〕