福島での鼻血~甲状腺がん多発に問題を矮小化するエセ反原発派の跋扈

3.11から4年がちょうど経過したことを契機に、またぞろ鼻血ブーやら甲状腺がん多発をあげつらう輩の発言が、このちきゅう座でも見られるが、これらの論者は一人の例外としてなく、問題の深刻さを矮小化し原発事故被害の真相を隠ぺいすることに躍起となっているエセ反原発論者であることを指摘しておきたい。

 

まず鼻血ブーの方だがベータ線を放出する核種による内部被曝が鼻の粘膜の毛細血管を切断に至らしめたと雁屋哲が俗流グルメ漫画「おいしんぼ」で大体的に取り上げたことで話が拡散したが、もしこの説が正しいのなら人体に毛細血管が存在するのは何も鼻の粘膜に限ったことではなく、眼の結膜、網膜、咽頭、脳、肺、腎臓、肝臓など重要な臓器はほぼ毛細血管からなっているといってよいのだから、それこそ全身到る所で毛細血管が切断され、例えば網膜剥離、脳梗塞、腎不全などが多発し、福島県下の病院はこれらの疾病患者でとうの昔にあふれ返っていなくてはならないが、そのような情報が伝えられることは皆無と言ってよい。実はそうした情報は安倍反動政府以下の言論統制によって完全に遮断され、鼻血問題だけを流しそちらに気をとらせて問題の真相を覆い隠す高度の言論統制によることであり、雁屋やそれを取り巻く連中はその手先なのである。最近オーストラリアに雲隠れしていた雁屋がこれに関するインチキ自己弁護本を刊行し、それをまたこの取り巻き連中がちょうちん持ち言説を垂れ流しているが、決してその言葉に踊らされてはならないだろう。

もう一方の甲状腺がん多発の方だが、これについて筆者は、以前から福島第一原発事故によるものではなく、事故時15歳前後だった児童が6歳以下の時代に何らかのヨウ素131被曝をこうむったことによるもので、青森・山梨・長崎の3地域でも同様の発症パターンが見られ、ついでに言えば韓国でも同様な事例が見られることから、かつて多地域にわたる大規模被曝が生じたと考えるべきと主張してきた。これも問題を福島だけに局限化しようという言論操作のなせる技で、岡山大津田敏秀などはまさに曲学阿世の徒としなくてはならない。

これは空間的な矮小化だけでは済まないのであって、甲状腺がんで通常の数十倍の異常多発となっているのだから、その他の固形がんも当然異常多発するとみるべきで、すでに現今の日本では二人に一人ががんを発症し、三人に一人はがん死するのであるから、今後日本の住人はすべてがん死することが既定のものとなっていると推測出来よう。

であるなら、福島で避難生活を送っている方たちのうち、少なくとも原発汚染による地域からの方たちは今更避難継続しても無駄だから、故郷にすぐに帰って静かに余生を送るべきではないのか。

私は以上を踏まえて、これも安倍反動内閣がかつての恐るべき原子力事故の実体を覆い隠そうとする巧妙かつ組織的な言論操作であって、それは国内だけでなく海外の反原発団体をも動員した徹底的なものであることを強く訴え、それらの発する言説にはよほど注意して当たるべきことを警告しておきたい。

2015年3月14日

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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