福島の親子 甲状腺ガン検査に不信(『アエラ』記事より)

今週号の週刊誌『アエラ』(2013年11月18日号)に「福島の親子 甲状腺ガン検査に

不信」という記事が掲載されました。いわき市の「放射能市民測定室 たらちね」

や,西尾正道元(独)国立病院機構北海道がんセンター院長の活躍が伝えられていま

す。

福島県立医大も福島県も,事故から2年半以上が経過したというのに,未だにかよう

な非人道的で,反県民的な「福島県民健康管理調査」を続けているのかと思うと,読

んでいて,怒りで身の置き場にも困る状態です。たくさんの,まじめでまっとうな

「福島県民健康管理調査」の改善策が提案されているにもかかわらず,何故,そうし

たことが反映されることもなく,いつまでたっても改善されないで,こんな状態なの

でしょうか?

また,昨今は,(1)朝日新聞のシリーズ記事の「プロメテウスの罠」の「医師,前

線へ」に,3.11「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」直後の福島県立医

大,及び関連した医者・医師・医学者達が何をしていたかが細かく報道され,更に,

(2)緊急被曝医療体制の刷新に向け,原子力「寄生」委員会が動き出したこと,な

どが新聞報道されています。

(1)については,下記のツイッターサイトで見ることができますが,事故直後に安

定ヨウ素剤の服用を地域住民に告知(を用意・推進)すべき立場にあった山下俊一長

崎大学教授や明石真言放射線医学総合研究所緊急被ばく医療研究センター長、あるい

は原子力安全委員会や経済産業省,文部科学省などの政府・霞が関の役人・御用学者

達や福島県庁の人間達が,如何に無責任でひどい立ち回りをしていたかがよくわかり

ます。

山下や明石らは,朝日新聞記者のインタビューに対する当時の回想答弁でも,その場

しのぎの,いい加減で不誠実な言動を続けているのです。こんなのが「福島県民健康

管理調査検討委員会」の委員を長くやって,子ども達の初期被ばく調査の不作為や,

その後の尿検査実施のもみ消しなどを裏委員会を設けてやっていたわけですから,何

をかいわんやでしょう。この国では,何故,ここまでに酷い犯罪行為が,罪を問われ

ることもなく,起訴されることもなく,責任を追及されることもなく,時間だけが過

ぎていくという「みじめ」で「情けない」状態なのでしょう。

また,(2)については,「緊急被曝医療体制が強化されて結構なことだ」などと考

えてはいけません。実態はその逆で,原子力「寄生」委員会が被曝医療体制に(権力

的な)「統制」をかけることで(大学・病院・診療所・研究所等の被曝医療ヒエラル

キー体制への組み込み),霞が関を頂点にする全国的な「被曝医療コントロール体

制」が創られるのであって,その究極の目的は「被ばく被害のもみ消し」(被曝評価

の統一)と「原子力ムラが認める人間以外の被曝治療の徹底排除」(ALARA原則

に従い,原子力ムラが無用と判断する医療・治療はしないことを徹底する」です。ろ

くでもない,どころか,恐ろしい原子力医療ファッショ体制が出来上がってくること

が予想されます。今でも,アエラ記事にあるように,被害者・被曝者は自由に甲状腺

の検査を受け,セカンド・オピニオンを入手することができません。検査するサイド

が「統制」されているからです。今後,これがもっとひどくなっていきます。

原子力ムラとの「最終戦争」が続いています。甘い考えは捨てましょう,殺すか,殺

されるか,いずれかです。

(参考までに,今から約2年前の,同じくアエラの記事も再度ご覧になっておかれる

といいでしょう。ここに書かれていることが,我が国の原子力ムラ主催の医療の現実

です。そもそも「医療」なのに,何故,文部科学省が所管しているのでしょう? お

かしいと思われませんか?:「市民の検査はできません」(長谷川煕『アエラ 2011.

7.25』))

<プロメテウスの罠:「医師,前線へ」(抜粋)>

● 『朝日新聞』プロメテウスの罠 医師、前線へ: :21 まさかの広範囲汚染-

Togetter

http://togetter.com/id/uchida_kawasaki

● 『朝日新聞』(プロメテウスの罠)医師、前線へ:22 聞く度に話変わった –

Togetter

http://togetter.com/li/587941

● 『朝日新聞』(プロメテウスの罠)医師、前線へ:23 消えたファクス –

Togetter

http://togetter.com/li/588313

*雑誌「AERA」 – 偽装天国 ニセ食材こう見抜け – 2013-11-18日号 – 雑誌ネット

http://www.zassi.net/detail.cgi?magaid=AERA

<原子力「寄生」委員会が被曝医療体制を見直しへ>

●東京新聞 被ばく医療体制大幅見直し 全国に拠点病院、原子力規制委 社会

(TOKYO Web)

http://archive.is/iD0a7

●被曝医療に拠点病院 政府方針、原発重大事故に備え 派遣チーム新設も:朝日新

聞デジタル

http://www.asahi.com/articles/TKY201311040506.html

(下記は同じく,ジャーナリストの桐島瞬氏執筆のもの)

*セシウム検査で判明した子どもの体内被曝の深刻度<dot.(AERA×週刊朝日)

※週刊朝日  2013年10月4日号 – 福島原発事故と放射能汚染 そしてチェルノブイ

リ地方の現状{北の山 じろう}

http://kitanoyamajirou.hatenablog.com/entry/2013/10/06/210504

(下記はこの関連で,毎日新聞の日野行介記者の報道)

*クローズアップ2013福島、子供の甲状腺検査 高まる県民の不信<毎日新聞>

– 福島原発事故と放射能汚染 そしてチェルノブイリ地方の現状{北の山 じろう}

http://kitanoyamajirou.hatenablog.com/entry/2013/04/29/043000

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion4651:131113〕