種を超えた愛(299字)

下の300字小説の登場猫と人物は、前作と同じですが、その人物設定を記しておきます。

とら 猫の雄 年齢不詳 イケメン 由里の住むマンションの前に屯していて「宿無しなら来なよ」と言われて同居(?) この小話の作者の女性に好かれた美猫がモデル

由里 女性 年齢不詳 職業不詳 男嫌い 猫好き 性格は、気短で口が悪いが、プロポーション抜群の美形 特技は合気道

因みに、猫の感情表現は豊かですが、顎を擦り付けるのが愛情表現なのか、他の意思表示なのかは分かりません。 猫の顎の下には、臭気を出す腺がありますので、匂いをつけて自己所有の宣言をしている風にも思えます。 同時にそれが愛情表現になっているのかも知れませんが。

猫好きは女性が多いようですが、猫の方も同じ人間ならば、女性の方が好きなようです。 理由は、女性の声が男性よりも小さいからのようです。 聴力が人間よりも遥かに優れていますので、大きな音には弱いのです。 女性は、動作も男性よりも繊細ですから小動物の猫にとっては脅威を感じることが男性よりも少ないのでしょう。 従って、男性が猫に接する際には、動作を出来るだけ大人しく、声も小さめにするのが良いようです。 犬を扱うように大声で命令口調の発声をし、動作を大きくすると嫌われます。

以下、299字で300字以内のミニ小説です。 末尾の問いに貴方の御答えは?

「くっそう。 暑いのにこんなもの胸につけるのヤだな~。 Tシャツだけにしようかな。いや~。エロじじいに見られるのヤだし~。」とシャワーを浴びた由里が着替え中。

少し離れた場所で、同居猫のとらが、由里を見ているが、胸を見上げてさっと眼を逸らす。

視線を落としたとらに気付いた由里が「どしたの? 虫でもいるの?」と近づくと、とらは、踝を翻して由里から離れる。

両手でとらを捕まえた由里が「とらは、由里のものだよ~。」と言いながら抱き上げると、いやいやをするとらを無視して「チューするぞ~。」と言いながら頭にキスする。

とらは「ナ~オ~。」と啼いて由里に顎をこすりつける。

果たして、これは人と猫の種を超えた愛の表現か?