第3回の原子力規制委員会の簡単な傍聴報告

第3回の原子力規制委員会の簡単な傍聴報告、ツイートのまとめおよびFFTVによ
る解説をご参考までにお送りします。

第3回(10月3日)会議資料はこちら
http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/20121003.html
議題:(1) 原子力災害対策指針のたたき台について
(2) 特定原子力施設の指定及び措置を講ずべき事項について
(3) 環境モニタリング結果の評価について
(4) 原子力規制委員会が、電気事業者等に対する原子力安全規制等に関
する決定を行うに当たり、参考として、外部有識者から意見を聴く
に当たっての透明性・中立性に関する基本的考え方(案)

傍聴ツイートまとめ http://togetter.com/li/383720
Ustによる解説(フクロウ・FoEチャンネル)はこちら
週刊FFTV-今日の規制委/大間原発問題
http://goo.gl/27svW (過去のライブの上から二つめ)
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1.原子力災害対策指針案:
http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/data/0003_01.pdf
原発から30kmまでをめやすとし(UPZ)、各自治体により、防災計画が来年の3
月までに策定されることとなっているが、その指針となるものを規制委員会で議
論している。第2回、第3回で「案」が示された。さらに検討される。
◆議論
中村委員:現在の災害の対処も含めた指針とする。現災害への対処、防護や防災
での基準を、慎重に考慮して、用語を決めていきたい。地域の定義、被ばくなど
について、被災者の立場に立って配慮をしていきたい。
島崎委員:原子力災害の特徴(後から被害が生じてくる、科学的に知見がない)
などを最初に書く。いくつかのパターンを書く。
傍聴席より:なぜ、被ばく防護に「追加避難」が入っていないのか?、20ミリシー
ベルトを撤回しろ、など

◆問題点
・本来であれば、規制委員会の下に専門部会をつくって議論すべきもの。規制委
員会での議論は、審議時間も短く、事務局だのみになっている。
・被ばく防護対策を打ち出しているが、「避難」がきちんと位置付けられていな
い。
・現在の避難基準(年20ミリシーベルト)が放置されている。

2.環境モニタリング結果の評価について
http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/data/0003_05.pdf
従来は、原子力安全委員会が行っていた環境モニタリングの評価と公表を規制委
員会が行うようになる。原子力規制委員会(監視情報課)にて各機関の環境モニ
タリング情報を集約。1ヶ月に1度、原子力規制委員会として、原則、1ヶ月分
の環境モニタリング結果の評価を実施。その評価結果についてホームページにお
いて公表する。
委員会では、「わかりやすい」公表の仕方についての意見のみ。
中村委員:こういうデータは住民の方に「安心」してもらうために出すもの。羅列して
も仕方がない。どれだけ情報がヒットしているのか事務方に調べてもらっている
傍聴席より:「安心できるデータではなく、正確なデータを!」

3.外部有識者の欠格要件
http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/data/0003_07.pdf
現在の案:
(1)個別施設の安全性を新たに審査する場合:
・過去3年間において当該電気事業者等の役員、従業者であった者
・過去3年間において当該電気事業者等から個人として一年あたり50万円以上の
報酬等を受領していた者
(2) 個別施設の過去の審査結果そのものについて再度審査する場合
・上記に加え、過去に当該個別事案の審査に関与した者

問題点
・「当該」は問題⇒東電の原発の審査を、関電が行っていもよい。
・なぜ、「電気事業者」なのか?「原子力事業者」ではないのか?

4.その他:
田中委員長から、「原子力規制員会の役割は、科学的な知見にもとづく、原発の
安全性に関する評価であり、個々の原発の再稼働判断は、政府なり事業者なりの
判断である旨、委員会の共通認識としたい」との発言。⇒他の委員も賛成。

更田委員:防災指針、地震・津波の指針の見直し、施設の安全設計、安全管理
これらも最新の議論を踏まえて指針の策定が必要。シビアアクシデントにかかる
基準を策定していかなければならない。リスク情報の活用。これと密接に関係し
ているのが、安全目標に関する議論。
原子力を利用しつづけるかぎり、どうあってもリスクは残る。受容可能なリスクの
上限を考えなければならない。