【1月25日(土)】第22回 ヘーゲル研究会のお知らせ

 明けまして、おめでとうございます。
         本年もよろしくお願いします。   2025年 元旦
 先の研究会では、Gesinnungというドイツ語の訳をめぐって少し議論をしました。日本の翻訳文化のレベルの高さはつとに有名ですが、たしかに上古の時代以降、漢語を換骨奪胎して日本語の文脈に組み入れ、自家薬籠中のものとした先人の努力には感謝のしようもありません。なるほど花鳥風月に瞬間的な美を見出し、それを短詩型に落とし込む国民的な感受性は優れものであることは間違いありません。しかし漢語があればこそ、苦手ながら抽象的普遍的な思考の訓練が可能になったのです。ちなみに漢語を我がものとできなかったビルマ語においては、外来の抽象言語を表現するのに困難があります。もし日本語が大和言葉だけで漢語がなかった場合を想像すれば、その困難は想像できるでしょう。翻訳文は異常に長くなるという意味で、言語使用のエコノミーにも反するのです。
 研究会の後に手にした書から、次のような翻訳対照表を見つけましたので、翻訳文化の得失を考える上での参考になると思い貼付しました。

福吉勝男「自由と権利の哲学」(世界思想社 2002年)から
                      記
1.  テーマ:ヘーゲルの市民社会論
中央公論社「世界の名著」の「ヘーゲル・法の哲学」から
第三章 国家(§257~§360)を講読会形式で行ないます。今回は§270からです。

★国内では数少ないヘーゲル「法(権利)の哲学」の専門家であり、法政大学などで教鞭をとられた滝口清栄氏がチューターを務めます。
1.  とき:2025年1月25日(土)午後1時半より
1.  ところ:文京区立「本郷会館」Aルーム
――地下鉄丸ノ内線 本郷三丁目駅下車5分 文京区本郷2-21-7 Tel:3817-6618
1. 参加費:500円
1.  連絡先:野上俊明 E-mail:12nogami@gmail.com Tel:080-4082-7550
参加ご希望の方は、必ずご連絡ください。
※研究会終了後、近くの中華料理店で懇親会を持ちます