米原発企業が、三菱重工の製造責任を追及

著者: 池田龍夫 いけだたつお : 毎日新聞OB
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「日本は世界一安全な原発技術を提供できる」と、安倍晋三首相は各国を訪ねてトップセールスに熱心だ。福島第1原発では汚染水の海洋流出への歯止めが効かず、収束の見通しが立っていない状況をみると、原発輸出に狂奔するとはもってのほかだ。

放射性物質が漏れ出す事故を起こして廃炉が決まった米カリフォルニア州のサンオノフレ原発について、同原発の運営会社であるサザン・カリフォルニア・エジソン(SCE)は7月18日、事故原因となった蒸気発生器を設計・製造した三菱重工に対し、損害賠償を突きつけてきた。その額は約1億3700万㌦=約138億円を上回る(数千億円とも)というから、大変なことだ。三菱重工は「根拠のないものだ」と否定しているものの、米企業相手の訴訟だけに簡単ではあるまい。ある原子炉技術者は「今回の事故は、蒸気発生器の出力をいきなり2倍に大きくした点に問題がある」と指摘しており、三菱重工の〝世界一〟の過信が生んだとも言えそうだ。

原発輸出のリスクは大きい。一企業間のトラブルで終わらない危険性を孕んでいる。

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