米国の世界戦略と中国批判

本サイト紙面をお借りして「中国擁護のわけ」を数編書かせて頂いた。しかし小生の,米国による大戦略=中国封じ込め論に対する反論はない。ただ中国はけしからん式の批判はあまたある。

さて,澤藤統一弁護士の「弱者の権利を擁護するために法があり・・・『人権派』弁護士こそが、本物の弁護士である」というご主張(「中国の人権状況を憂うる」ちきゅう座,2019年2月1日)はその通りであると思う。しかし,中国が共産党独裁国家であることを忘れているように小生には思われる。アヘン戦争以来,祖国を植民地主義から解放し1,321万人の戦争犠牲者払って独立を勝ち取った歴史を考えれば,国家を転覆しようとする活動は絶対許されない。例えば法輪功の指導者とその信者はその活動が(憲法で?)禁止されている。法輪功が共産党政府を認めない組織である以上,その活動をしただけで国家転覆罪が適応されて然るべきなのである。

一方例えば,ドイツでナチス礼賛をするか,アウシュビッツの虐殺はなかったと言えば,即逮捕である。その意味で言論の自由はドイツにはない。アデナウア-首相以来のナチス・ドイツ礼賛禁止を解けば,フランスは再び警戒を強め,これまでの友好関係は崩れ,再び両国における戦争の,争乱の可能性が高まるであろう。

非信者の中国人が,法輪功にはいい面があるなどと口走った場合,冗談であっても逮捕される可能性は高いがそのときは弁護士の出番があるのではないだろうか。しかし指導者・信者として活動すれば,人権派弁護士の活躍の場は「ない」のではないだろうか。

日本の三審制は崩壊し,権力の暴走を抑えるための歯止めがなくなった。首相のお友達を最高裁判事に任命できる事態を迎えた。中国や日本が立憲主義乃至法治主義の国だと考えること自体がそもそも間違いではないだろうか,と本記事を読んで考えるようになった。文書改竄をしても起訴されない日本。またTPPのISD条項を認めない共産党中国政府はTPPに絶対加盟しないであろう。

ところでBBCは英MI6や米CIAの操り人形の面が強い。最近はフェ-ク記事だらけ。殊に新疆ウィグル地区についてはデタラメ映像を配信している。欧米のメディアはCIAやMI6によって支配され,「売女マスコミpresstitute」と呼ばれ,真実を流さない。真実を流すブログやサイトは検閲を受け,閉鎖されたり抹消されたりしている。

米国の制裁を受けている,最近のヴェネスエラでは,米国・英国(とその属国)は正当に選挙された大統領を無視して,自薦の若者を大統領にしようとしている。また世論調査会社Aはマデュ-ロ大統領の国民支持率は86%以上としているが,BBCは欧米系の会社Bの支持率だけを報道して会社Aの支持率を報道しない。米国はまたロシア-ドイツ間のノルド・ストリーム2天然ガスパイプの建設中止を要求している。内政干渉もいいところであるが,米国の世界戦略を考えずに,北京・ロシア政府を批判する者は,米国から資金援助されていると見なしても過言ではない。

小生の色眼鏡はBBC,NYTやCNNという文字を見ると益々その度合いを増す。もし人権問題で中国を批判するなら米国の人権侵害も問題にするべきだろう。