維新橋下氏の時代錯誤乃至認識齟齬発言

近時の維新橋下氏の時代錯誤乃至認識齟齬発言に憤っていては、この人物の罠に嵌ってしまいますので、発言は慎みたいのですが、ちきゅう座の論稿を拝見していまして何点かが抜け落ちているようでしたので投稿しました。

まずは「慰安婦」と「米軍への風俗利用提案」関連ですが、人権なり歴史認識に関わる論議は、敗戦後の歴代政権に依る認識と自省を踏まえる必要があるのは当然であり、これ等に違う場合には、我が国周辺の諸国よりのみならず、国際的に非難の対象になるのは必然でしょう。

しかし、在沖米軍への「風俗」利用提案は、批判するにも、聊か観点を異にするのでは無いのでしょうか。 それは、この人物の歴史認識のみならず、現時点での女性の人権に対する認識が現れているからです。 自身が首長を務める自治体、大阪市に於いても、「男女共同社会」の実現に努める筈の地方政治家が、その認識も無く、あからさまに男尊女卑の信条を吐露しているのです。

更に、「風俗」提案は、「同盟国」である米国の軍に於ける女性兵士の位置についての認識に欠ける見解を、堂々と当の米軍に対して公言したのです。 米軍では、本年初頭に始めて女性兵士に、第一線における戦闘に加わっても良い、との判断がペンタゴンより示されました。 実際には、既に、女性兵士は実戦に投入されていて、かなりの戦傷者も出ています。 今回の判断は、公式にCQB(接近戦)での戦闘に参加する資格が女性兵士に与えられたものです。

以下に参照しました米海兵隊での新兵訓練に明らかのように、海兵隊でも兵士は男性のみではありません。 橋下氏は、女性兵士にも「風俗」利用を勧めたのでしょうか。

http://www.youtube.com/watch?v=8F76kiefzc4

Pentagon to Lift Ban on Women in Combat

*ABCニュースに依る女性兵士の戦闘参加許可報道

http://www.youtube.com/watch?v=zLkcLTTfwdw

Female US Marines prepare for front line role

*Telegraphに依る女性海兵隊兵士教練報道

極め付きは、近日、橋下氏は、地方政治家として自滅したとも云える妄動をされたのです。 何と、大阪市長が、何の権限も持たない他自治体(八尾市)にある飛行場を、例の欠陥機である米軍オスプレイの訓練地として、その使用を国に提言されたのです。 地方政治家であるならば、地方自治の本旨に基づき、己が所属の如何を問わずに、地方自治体とその市民を第一に尊ぶべきところを、八尾市とその市民に何の断りも無く、国に訓練地として推挙される愚挙に出られたことは、正しく、地方政治家としてその資質に欠ける自身を天下に晒したものと云えるでしょう。

また、この間に当該事件に関わって、橋下氏を擁護せんとされる報道も存在しているようですが、当の八尾市自体が明確に「反対」を表明されていることを無視は出来ないでしょう。 この件に関しては、麻生副総理の「八尾は住宅密集地。 住民のOKが取り付けられるという前提はあるのか」との疑問が当を得ていると云えるでしょう。 当然のことですが、当の大阪府下の各自治体からも抗議の声が高まっています。 どうやら橋下氏の政治家としての賞味期限が切れたと云えるかのようです。

http://www.city.yao.osaka.jp/0000022490.html

八尾空港へのオスプレイ飛行訓練受け入れ反対について 八尾市

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130607-00000541-san-pol

「大阪市長が八尾市長にやれといえるの」麻生副総理が苦言 オスプレイ受け入れ案

産経新聞 6月7日(金)

http://www.asahi.com/politics/update/0612/OSK201306110155.html?ref=reca

大阪市長会長、府に抗議 オスプレイ「不安あおるだけ」 朝日新聞デジタル版