2006年(平成18年)に成立した教育基本法(平成18年法律第120号)については、すでにちきゅう座でなんだかんだ検討・批評されているのであろう。「遅れてきたじじい」としての僕はあえて無駄な議論をしてみる。この基本法は第一次安倍内閣の唯一の具体的成果であろう。こんな化け物をなぜ成立させてしまったのか、遅すぎる反省をせざるを得ない。個人の尊厳、真理と平和などは現在の世界的・普遍的価値(人類が永遠にこれらを普遍的と見なすか否かは別にして)を希求する
人間の育成、普遍的にして…、個性豊かな文化の創造を目指す教育が旧基本法(昭和22年法律第25号)の前文では謳われている。新基本法では
これらの語句が消えているわけではないが、より重要な意味は別の価値に与えられている。「個人の尊厳を重んじ、真理…を希求し」という文言に続いて、「公共の精神を貴び、…伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する。」となってくる。「公共の精神」とはいったい何か?「個人の尊厳」とどのように折り合いが付くのか?伝統って、誰が決めるの?それぞれの個人にとっては、大事にしたい、敬愛する伝統があろう。それは人様々だ。他方で、過去の身分社会を色濃く反映した、あまり大事にしたくない伝統もあろう。それを一律に「継承」させるのが新しい教育か?僕から見れば、全く押しつけがましい態度がこの新教育基本法の基本精神だ。1945年8月15日以前の復活だ!還暦かな?