翁長雄志沖縄県新知事の就任挨拶について、保革を超えた全沖縄の知事としての抱負を語ったものと観るのであれば、翁長新知事自らが「米軍基地が沖縄経済発展の最大の阻害要因であることは明確であります。」との認識の下で、何故、第一に「経済」を語られるのでしょうか。
経済発展の阻害要因の第一を止揚して、アプリオリに「経済」を語ること自体が、基地問題を「基地の整理縮小を加速化し、豊かな生活に導く土地活用を図る」との経済的視点に立った矮小化に繋がらないのでしょうか。
実は、新知事の基地問題への視点は経済の面からのもので、国からの補助等振興策をより多く引き出す手口に過ぎないのではないか、との疑いは、選挙前からあります。 産経新聞に依れば、「沖縄県宜野湾(ぎのわん)市の佐喜真淳(さきま・あつし)市長らが28日、那覇市内で記者会見し、基地問題に関する翁長雄志(おなが・たけし)氏の発言や対応の矛盾点を明らかにした。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設などについて、翁長氏が『反対することで振興策が多く取れる』と発言していたと証言。」と報道されています。 新知事が後に否定した、とのことですが、こうした交渉材料としての基地問題は、保守的政治家の常套手段で己の価値を引き上げる意味での「反対」なのです。
「基地反対で振興策多く取れる」翁長氏の発言や矛盾点、仲井真氏支持の市長証言
俗世間では、例えば、自宅周囲に新しい大規模建築物が計画されている場合には、何はともあれ「反対」し、「反対」自体を交渉材料にして金銭を頂く、と言うのが常識であったので、その昔には、大規模デベロッパーは、その種の金銭の準備に余念が無かったのです。 私の現職時代には、大規模開発の折には、その種の裏金が飛び交い、何と、行政庁の職員にまで、許可を早く下ろしてくれればいくらでも出す、との誘いがあった、と同僚から聞いた程でした。
新知事をその種の金銭強請りの人に準えるのは、失礼なことですが、「反対することで振興策が多く取れる」と信じるまでにその種の交渉事の手続に通じておられるのではないか、との疑いが消えません。
私の疑いが事実であれば、いずれ、反対から条件付賛成に変わるでしょうが、沖縄経済は如何に成長するのでしょうか。