自民党・安倍政権よ、何を血迷って愚かなことをしているのか:亡国協定TPP妥結にアメリカの「手下」として猪突猛進、安楽死させられる日本農業と、多国籍大企業に差し出される私たちの生存と生活

みなさまご承知の通り、自民党・安倍政権は「最後の閣僚会議にする」などと称し

て、たった今現在、自称「最後の会合」において、アメリカの「手下」よろしく、日

本農業を「ダシ」につかいながらTPP交渉の妥結を画策しています。TPPの危険

性や害悪性は徹底して隠蔽されて国民は「蚊帳の外」、そして交渉の早い段階でアメ

リカと内々の口約束をしておいた「落としどころ」を、あたかも「困難な交渉」を演

出する猿芝居で今度こそ実現してしまおうと躍起になっているのです。背後には、特

権的な経済権益を得たい財界の一握りの大資本の意向が強く働いています(決して日

本の経済界全体の意向でも要請でもありません)。

 

しかし、このTPPとやら、締結されたら一体どんなメリットが日本経済や社会、あ

るいは日本の有権者・国民に、そして消費者にもたらされるというのでしょうか。以

前にも私のメールで書きましたように、このグロテスクなまでに、一握りの多国籍大

資本(または大資産家・大富裕層)以外には利益を得る者がいないという、サイ

テー・最悪の国際協定(TPPは単なる貿易協定などではなく、協定各国内での自由

奔放・身勝手・ジコチュー丸出しの大資本の営利行為を最優先で担保・保障する国際

投資協定なのです)に、メリットなど何もないのです。先般も、毎日新聞の「日本の

メリットは」と見出しが書かれた記事に何のメリットも書かれていないので、毎日新

聞社に電話をして記者に問いただしましたが、「首相官邸と話がついている」など

と、わけのわからないことを繰り返しながら「メリットはあると考えている」と、同

義反復の回答をしておりました。TPPは、実は、自民党・安倍政権がゴリ押しして

いるだけでなく、市場原理主義に頭がイカれ、更に「アベ提供の晩飯」に魂までを抜

き取られたマスごみたちによってPRされ世論誘導されながら進められているので

す。

 

そもそも、規制緩和というやりたい放題の経済自由化や、「民営化」という経済活動

の「私物化」、あるいは「公共」や「公正」を放り投げて、大企業大資本最優先の似

非自由競争の政策的実現など、市場原理主義の政策で、低迷する今日の日本の経済や

社会がよくなるわけがありません。それについてはバブル崩壊以降、失われた25年を

経て、もういやというほど日本の有権者・国民は思い知ったはずです。にもかかわら

ず、その市場原理主義の極端に偏った国際版であるTPPを、さながら市場原理主義

アホダラ教信者よろしく、今般、自民党・安倍政権がアメリカの手下となって率先し

て妥結させてしまおうとしているわけですから、愚か極まるのもほどがあるというも

のです。

 

自民党・安倍晋三政権の「3大亡国政策」=(1)日本国憲法違反の戦争法制(武器

輸出や防衛省の組織改悪を含む)と特定秘密保護法、(2)危険な原発再稼働と核燃

料サイクル事業の温存(裏返しの福島第1原発事故の責任放棄・被ばく強制・被害者

切捨て)、そして今回ご紹介する(3)TPP協定妥結・市場原理主義政策の一層の

激化(例:労働法制改悪、社会保障打切り、消費税増税と法人税減税、国家戦略特区

など)、の展開を、もうこれ以上許してはいけません。日本はバブル崩壊(1991年)

以降、愚かにも有権者・国民がニセモノ政治家どもに騙され続け、そのニセモノたち

が展開する愚か極まる様々な政治や政策によって、戦後、営々と築いてきた経済的な

繁栄も社会的な安定も、半ば崩壊状態になってしまっています。しかし、今暴れま

わっている自民党・安倍政権の暴走政治・愚劣政策をこのまま許してしまえば、日本

はもう、取り返しのつかない混迷の国、あるいは「亡国}=滅亡の国家へと転落する

ことになるでしょう。何としても政権交代その他の方法により、これを食い止めねば

なりません。今が歴史の正念場なのです。

 

(もちろん、自民党・安倍政権の政治・政策は、上記以外にも、国土強靭化を口実に

した利権・土建政治の復活とゼネコン強靱化、カジノ推進、選挙対策バラマキの地方

創生、盗聴法・共謀法、マイナンバー(共通番号)制度、NHK私物化とマスコミ統

制などなど、ロクでもないものはたくさんあります。しかし、上記に挙げた3つが、

日本を不可逆的にダメにしてしまう決定的な極悪政策であり、これは政権交代ととも

に、絶対に葬り去らねばならない「巨悪の塊」の政策なのです)

 

以下、TPPの愚かさを箇条書きにしておきます。TPPの具体的な中身について

は、たとえば下記の「サルでもわかるTPP」その他、多くの文献がネット上や市販

図書でありますので、そちらをご覧になってみてください。せめて、どういう内容の

協定なのか、日本にとって何がプラスでそれはどの程度か、何がマイナスでそれはど

の程度か、誰がTPPで潤い、誰がTPPで滅び去るのか、一つ一つ丁寧に具体的に

見なければいけません。また、NAFTA(北米自由貿易協定)や韓米FTAといっ

た、先行事例もあります。市場原理主義国際協定に毒された国々が、今どうなってい

るか、よく見ておく必要もあるでしょう。日本では、未だTPPについては、情緒的

に「お上のやることに間違いはない」式の「TPPのようなものも、日本が生き残っ

ていくためにはやむを得ない」式の「黙認」「容認」「盲従」型の人間が多いことに

は驚かされます。お人好しの「我慢好き」は、今日の市場原理主義が跋扈する社会で

は、大資本や政治家・官僚どもに「食いもの」にされてしまうのだ、ということを十

分に心得ておくべきです。

 

<TPPとその交渉の根本的欠陥>

1.自民党・安倍政権と日本政府は、日本にとってはほとんど得るものが何もないま

まに、日本の宗主国アメリカから注文を付けられたとおりに「ハイハイ」とばかりに

次々と日本の大切なものを差し出し、アメリカの不満をおさえようと躍起になってい

る。交渉とは、基本はGIVE&TAKEだが、TPP交渉では、日本側にTAKE

がない=一方的に(アメリカその他から)収奪されるのみの、単純な「出損同意」

「自発的権利放棄」「自虐的国内開放」となっている。いったい何のために?

 

2.TPPは農業だけの問題ではないし、貿易交渉でもない。基本は上記でも申し上

げたように、多国籍大資本のための「投資協定」であり、その害悪は協定がスタート

してから、様々な分野に徐々に徐々に及んでくることになる。簡単に言えば、多国籍

大資本の金儲けや利益に反するような日本の有権者・国民や消費者の要求・希望・権

利その他は、このTPP協定によって徹底的に踏みにじられるということを意味して

いる。こんなものを「はいそうですか」と言って受け入れる人間は、まさに「馬鹿

者」以外の何物でもない。マスごみはTPPの正体・TPPの本質・TPPの危険性

を隠したまま、きちんと報道していない。愚かにも、目先のことしか考えずに、有権

者・国民や読者に対してニセモノの報道を繰り返している。

 

3.TPP協定の内容と交渉の仔細が徹底して秘密にされている。このこと一つを

とってみても、この協定は行政権力の暴走であり、行政を国権の最高機関として監

視・チェックすべき国会を無視・軽視する日本国憲法違反の行為であるといえる。お

よそ日本の有権者・国民の生活や経済活動、あるいは社会や環境に決定的に(悪い)

影響を及ぼしそうなかような国際協定が、有権者・国民に対して秘密であるだけでな

く、国会議員にも詳細が知らされないままに進められるなどということが許されてい

いはずはない。ただちに国際協定の秘密交渉禁止法を制定し、TPP交渉から脱退せ

よ。

 

4.自民党・安倍政権のTPP交渉において、日本農業は稲作も含めてすべてアメリ

カへの提供物として差し出され、その結果、いわば時間をかけて「安楽死」させられ

る運命におかれることになる。まず真っ先に牛肉・豚肉などの畜産が関税撤廃やセー

フガード撤廃によって壊滅的打撃を受け、それに続いて、日本の主食の稲作が崩壊さ

せられていく。今現在、政府・農林水産省・自民党は、生産者・農家に対して、主食

用米の生産をやめて家畜用の餌米を作るよう、巨額の補助金を投じて生産誘導してい

る。しかし、その餌米を食べる畜産が、今申し上げたように時間をかけて消滅させら

れていくのだから、この餌米はやがて行き場を失い、稲作そのものの廃業へと結びつ

いていくだろう。そして、日本農業は、この稲作と、麦や大豆などのその他の穀物、

及び露地野菜や多くの果実生産と担い手が同じなので、稲作農家の廃業は、そのまま

日本農業の消滅となっていくことになる。そして、それをあたかも促進するかのよう

に、自民党・安倍政権と甘利明というサゴジョー(西遊記)のようなゴロツキ政治

家・幹部官僚たちは、アメリカのために、現在のミニマムアクセス枠(77万トン)

以上の米輸入枠を設定し、更なる主食用米の輸入を促進しようとしているのだ。もち

ろん、こうした行為が、日本の食料自給率を辛うじて支えている基幹農産物を「聖

域」として守り抜けという国会決議に反していることは明白で、ここでも、自民党・

安倍政権の暴走が、日本の農業を崩壊させているのである。TPP農業協定は、日本

農業の安楽死政策とセットで進められている。

 

(もちろん、TPP交渉妥結のために日本政府が差し出している「お供え物」は日本

農業だけではない。マスごみたちは、日本農業があたかも貿易交渉の足手まといのご

とく日本農業を報道しているが、それは筋違いの話である、農業の基本は地産地消が

基本であり、国際的な価格競争に農業をそのままさらしだすのは愚の骨頂である。し

かし、それ以上に、TPPの危険性を農業問題に矮小化して有権者・国民に伝えるマ

スごみ報道の「害悪」が重大な問題であり、近未来に日本の経済や社会をメチャク

チャにしてしまう「時限爆弾」のようなロクでもない内容の協定が含まれていること

も有権者・国民に対してしっかりと伝えられなければならないことは申し上げるまで

もない)

 

5.最後に、もう一つ腹立たしいことを指摘しておく。こうした日本農業を崩壊させ

るTPPに対して、背水の陣を敷いて体を張ってでも阻止をしなければならない役回

りの農協系統が、あろうことか、この自民党・安倍政権と「蜜月」といわれるまでに

癒着し、この間、一貫して自民党・安倍政権存続に組織を挙げて寄与してきたこと

だ。とりわけ今回の動きでは、憲法違反の戦争法案が強行採決で成立するのを待って

いたかのように、その直後に次期参議院選挙の農協系統代表候補を、早々と自民党・

安倍政権の推薦を受けて立候補表明させているから驚きである。しかも、その候補者

は熊本県の農政連幹部で、あの川内原発のすぐそばの出自ではないか。原発再稼働が

農業を壊滅させることは福島第1原発事故の結果を見れば一目瞭然であるにもかかわ

らず、農協系統は、そんなことはどうでもいいとばかりに、原発再稼働に邁進する自

民党・安倍政権の推薦を受けて喜ぶ始末である。そのココロは、前回のメールでも申

し上げたように、農協系統に巣くう一部の堕落した愚か者の幹部たちにとっては、T

PPだろうが、原発だろうが、戦争法制だろうが、特定秘密保護法だろうが、そんな

ものはどうでもよくて、従ってまた、日本の生産者・農家・組合員でさえもどうでも

よくて、ただただ支配権力によって自分たちの組織や自分たち幹部の地位と利益が庇

護され、財政支出などを通じて供与される「利益」=エサさえ確保できればそれでい

い、という、もう隠すことができなくなった愚かなセンチメントをいみじくも表して

いるといえる。節操がないにもほどがあるではないか。許しがたい背信行為であり、

協同組合組織・精神の風上にも置けない腐敗幹部たちである。

 

みなさま、TPP協定破棄に向け、一斉に立ち上がりましょう。TPPは農業だけの

問題ではありません。TPPは時間をかけて日本全体を多国籍大資本の「草刈り場」

へと仕立て上げていく、まさに「亡国協定」そのものです。断固として、これにス

トップをかけていきましょう。農協系統の役職員、そして組合員のみなさまは、腐敗

した幹部たちが推薦する自民党・安倍政権癒着候補への投票を拒否し、選挙運動への

協力も拒否いたしましょう。そのロクでもない推薦候補とは真逆の候補者を当選させ

ることがTPP撲滅の大きな第一歩となるでしょう。騙されてはなりません。今がも

う正念場なのですから。日本農業にとって、あとはもうありません。

 

●サルでもわかるTPP(プロジェクト99%)

http://project99.jp/?page_id=75

 

●農文協ブックレット TPP反対の大義

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032527585&Acti

on_id=121&Sza_id=C0

 

(1)牛肉セーフガード、4年発動なしで廃止(日本農業 2015.10.1)

(2)TPP交渉 高額豚肉、10年で無関税(日経 2015.10.2)

(3)TPP交渉 米産コメ輸入拡大で調整(読売 2015.10.2)

(4)TPP自動車合意へ、部品域内調達 40%台半ばで調整(毎日 2015.10.2)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(5)TPP交渉:問われる政治・行政手法(鈴木宣弘 日本農業 2015.9.18)

(6)TPP交渉不成立でも市場開放求めるアメリカ:医療、教育、水道(内田聖子

『食べもの通信 2015.10』)

(7)「農業・農村の所得倍増」って、農家の所得じゃないの(朝日 2015.10.1)

(8)長年の米過剰作付解消の理由、参院選にらむ自民党と農協の蜜月(吉田俊幸高

崎経済大名誉教授 『エコノミスト 2015.10.6』)

(9)参院比例に藤木氏、農政連推薦、自民が公認(日本農業 2015.9.25)

 

1.TPP交渉 瞬間風速

これが国会決議に基づいて、国益と日本農業の存立を守るべき役回りの政府がなす

べきことなのでしょうか。日本農業をアメリカや外国に売り渡す「売国奴」そのもの

です。この他に、生産現場が衰退・崩壊を始めたために「国産バターが品切れ」状態

に陥りつつある日本酪農に対して、大幅な酪農製品の輸入枠を設けるという愚かな

「対策」まで用意されています。日本の生産者・農家のみなさま、怒りましょう。も

う絶対に自民党には投票をしてはいけません。自民党は民主党と違ってTPPを推進

しないと言って選挙公約をしていました。みなさまは裏切られたのです。騙されたの

です。かれら自民党・安倍政権に怒りの一撃を与えましょう。一人残らず選挙で落選

させるのです。

 

(これで牛肉の国内生産のみならず豚肉の国内生産も、まもなくボロボロなってしま

うでしょう。また、国内の水田の半分近くを生産調整で他の作物に転作していなが

ら、更にアメリカなどからコメを輸入するというのですから、この自民党・安倍政権

は、日本の稲作農家を馬鹿にしているのです)

 

(1)牛肉セーフガード、4年発動なしで廃止(日本農業 2015.10.1)

http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=34839

 

(2)日本農業新聞 e農ネット – 豚肉セーフガード調整 12年目で廃止に(日本農業

2015.8.1)

http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=34142/?iphone_to

_pc=iphone&iphone_to_pc=iphone

 

(3)TPP交渉 高額豚肉、10年で無関税(日経 2015.10.2)

http://www.nikkei.com/article/DGXKASFS01H9F_R01C15A0MM8000/

 

(4)TPP交渉 米産コメ輸入拡大で調整(読売 2015.10.2)

http://www.sankei.com/economy/news/150929/ecn1509290002-n1.html

 

(5)TPP自動車合意へ、部品域内調達 40%台半ばで調整(毎日 2015.10.2)

http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2015100202000266.html

 

(自動車は現地生産が進んでおり、また、残された関税率も、ピックアップトラック

など、一部の車種を除けば、大したものではありません(数%)。また、オーストラ

リアなどの国では、もともと自動車の国内生産がないので、むしろ関税撤廃は「望む

ところ」です。交渉事でもないものを、あたかも交渉事であるかのように報道する、

マスごみに騙されてはいけません。自動車部門での「交渉」など、シラミのくしゃ

み、のような小さな話です。:田中一郎)

 

(6)(毎日新聞)■注目ニュース■ TPP協議さらに続行 米が譲歩姿勢

環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉の閣僚会合は2日夜(日本時間3日

午前)、会合をもう1日延長し、3日も協議を続けることになった。最大の難題と

なっている医薬品データの保護期間をめぐる知的財産分野で、米国が歩み寄りの姿勢

を示し、オーストラリアとの隔たりが狭まりつつあり、最終合意に向けて大詰めの交

渉を続ける。

 

▽TPP閣僚会合:医薬品大詰めで再延長 米が譲歩姿勢

http://mainichi.jp/m/?InVVkc

 

2.TPP交渉:問われる政治・行政手法(鈴木宣弘 日本農業 2015.9.18)

 

(一部抜粋)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

環太平洋連携協定(TPP)などをめぐる一連の政治・行政手法は、端的に言うと詐

欺ではないだろうか。TPP推進の背景には、情報を操作し、なし崩し的に国民を欺

き、米国と一部の業界経営陣の利益と自身の権益・地位を守るためにずる賢い策を弄

(ろう)する「極めて優秀」な人たちがいる。

 

(中略)TPPの日米合意の落しどころは、とっくに固めてあるのに、「これだけ厳

しい交渉を続けて、ここで踏みとどまったのだから認めてくれ」と言い訳するための

芝居。その一方で、将来不安で悩み、廃業も増えた農家の苦しみをよそに、合意内容

発表のXデーを待ち望み、首尾よく国民を歎いて事を遂行する達成感に浸っているか

のようである。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(鈴木宣弘東京大学大学院教授のTPP交渉批判です。事の本質をズバリと見抜いて

います。ご一読を。:田中一郎)

 

3.TPP交渉不成立でも市場開放求めるアメリカ:医療、教育、水道(内田聖子

『食べもの通信 2015.10』)

http://www.tabemonotuushin.co.jp/tuushin0.php?pg=

 

(米オバマ民主党政権下で成立したアメリカのTPA、大統領に貿易交渉権限が一括

委任されているとはいっても、その内容は、オバマ政権の貿易交渉結果のアラ探しを

して、民主党政権を政治的に追い込むために作られたようなTPAで、これまでのも

のとは性格が違っている。そんなアメリカ民主党政権にとっては、TPP協定は、仮

に成立しなくても、日本に対して農産物に加えて、保険、医療、金融、農業、サービ

ス、IT、知的財産権など(アメリカの優位分野)での大幅な譲歩が取れれば、それ

でいいという割り切りもある。アメリカが日本をもはや「収奪」の対象としてしか見

ていないことは、TPP交渉の過程で、ちらちらと垣間見えたアメリカの本音ではな

かったか。この内田さんのレポートは、なかなか鋭い内容の必読ものです。ところ

で、みなさま、もう『食べもの通信』は定期購読を始められましたか?:田中一郎)

 

4.「農業・農村の所得倍増」って、農家の所得じゃないの(朝日 2015.10.1)

http://www.asahi.com/articles/DA3S11992339.html

 

(岸内閣が60年安保闘争による国民からの猛反発を受けて退陣した後、自民党政権

は池田隼人政権による「所得倍増計画」の時代となり、第二次高度経済成長が展開し

た。その「2匹目のドジョウ」をねらって、無能の塊のような自民党・安倍政権が、

生産者・農家をだます殺し文句として使ったのがコレ、すなわち「農業・農村の所得

倍増」だった。アベノミクスとセットにして、安倍政権から生産者・農家にあたかも

所得倍増をプレゼントするかのごとき嘘八百の大宣伝がマスごみを動員して行われた

が、嘘八百は嘘八百にすぎない。実際には、米価をはじめ、農産物の価格が再びの自

民党・安倍政権スタートとともに暴落をしはじめ、生産者・農家の所得は倍増するど

ころか,1/2に縮小してしまっている。そして、話が違うではないかと、自民党・

安倍政権の話をよく聞いてみれば、「農業・農村の所得倍増」とは、新たに農業・農

村に参入してくる企業や大資本の所得倍増のことだった。つまり、今、苦労をして農

業を支えている生産者・農家は、生産性が低いから、さっさとやめていただいて、や

めた後に残る農地は新規参入する企業や大資本(外国資本を含む)が買い受けて、そ

して、その企業や資本の所得や利益を倍増します、という話だった。ここでも、自民

党に長年投票を続けた生産者・農家は、その自民党にコケにされているわけである。

あまりにも気の毒というか、お人好しが過ぎるというか・・・・:田中一郎)

 

5.長年の米過剰作付解消の理由、参院選にらむ自民党と農協の蜜月(吉田俊幸高崎

経済大名誉教授 『エコノミスト 2015.10.6』)

http://mikke.g-search.jp/QENM/2015/20151006/QENM20151006se1088089001056000c.

html

 

(農産物の価格を市場にゆだねよ、などと書いているところがバカ丸出しだが、しか

し、この小論文は現状の日本の農業、特に稲作農業と、農協の実態を比較的よくス

ケッチしているように思われる。農協栄えて農業滅ぶ、言い古された言葉だが、これ

が今ピッタリくるのが、いかにも嘆かわしく悲しい。農協と自民党・安倍政権との

「蜜月」の具体的な表れが、何度も申し上げて恐縮ながら、下記のようなことであ

る。憲法違反の戦争法案が強行採決され、日本中が自民党・安倍政権に対して怒りを

あらわにしている、その時に、強行採決のわずか数日後に、かようなことを決めて公

表するという、この農協の一部幹部たちの根性が、私にはまったく理解できない。た

だただ、自民党・安倍政権に「ご忠義」の態度を示したい一心なのか? :田中一

郎)

 

6.比例に藤木氏、農政連推薦、自民が公認(日本農業 2015.9.25)

http://www.jacom.or.jp/nousei/news/2015/09/150925-28143.php

 

(なお、新聞情報によれば、公約違反のTPP交渉推進を止めようともしない自民党

のウソつき国会議員たちが、大挙してアメリカ(ジョージア州アトランタ)へ押しか

けているそうである。彼らは口々に「国益」を守れと叫んでいるという。「サルでも

わかるTPP」の何たるかを理解できない「サル以下」の自民党国会議員どもが、ま

さに「サル芝居」「サル回し」を行って、有権者・国民や生産者・農家を最後の最後

まで欺こうとしているわけである。末期症状を呈している日本の政治と政治家の茶番

である。彼らには、もはや日本に帰ってくる場所がないことを思い知らせてやろうで

はないか。