被爆66周年 8・6ヒロシマ大行動アピール

著者: 松元保昭 : パレスチナ連帯・札幌
タグ:

みなさまへ   (BCCにて重複失礼)松元

広島の中島さんからの投稿、「すべての核と原発をなくせ!
戦争をとめよう!被爆66周年 8・6ヒロシマ大行動アピール」に賛同し転送させていただきます。

付け加えれば、早急に「反原発放射能被害者全国同盟」ようなものを結成して、すべての被害者救済と加害責任追及に立ち向かうべきときだと思います。(5月13日拙稿《いま問うべきこと、加害責任と被害者補償》より。)

=====以下転載・転送歓迎======

すべての核と原発をなくせ! 戦争をとめよう!
被爆66周年 8・6ヒロシマ大行動アピール

1) 福島原発事故を絶対に許さない!

福島第一原発事故発生から5か月近くがたちました。事態は「収束」どころか、ますます深刻化しています。すでに広島型原爆80発分以上といわれる「死の灰」が、海、山、地下、川、湖、農地、街、学校へとまき散らされ、チェルノブイリ事故をも超える人類史上最悪の事態となって進行しています。誇張ではなく、人類社会が、生命そのものが存続するための根本的な土台が、取り返しのつかない破壊に直面しています。

原発事故によってふるさとを奪われ、職場を奪われた労働者。廃業に追い込まれる畜産・酪農家。自殺に追い込まれる人も後を絶ちません。深刻なのは、猛暑の中、超高濃度の放射能で汚染された事故現場で作業を続ける労働者の被曝です。そして何よりも、子どもたちの命が危険にさらされ続けています。事故直後、政府・東電・保安院・御用学者らが、口をそろえて「たいしたことはない」「避難の必要もない」と言っていたまさにそのとき、メルトダウン→メルトスルーが進行し、ついに水素爆発によって福島県民、子どもたちは大量の被曝を強制されたのです。これは資本と国家による殺人行為です!

まさにフクシマは、ヒロシマ、ナガサキの原爆投下、ビキニの水爆実験、チェルノブイリ原発事故、イラクの劣化ウラン弾被害に続く「核の戦場」にされています。フクシマで起きていることは「第三の原爆」です。自国の政府・資本によって、労働者、農民、漁民、子ども、市民にしかけられた「核戦争」です。

福島を「第二のヒロシマ・ナガサキ」にしてはなりません。どれだけの費用がかかろうと、事故を引き起こした国・東電資本の責任で放射能の封じ込め、除染活動を行わせなければなりません。現場で必死の作業を続ける原発労働者の命と健康を守るための一切の措置を取らせなければなりません。子どもたちの命を守るために、疎開を含めあらゆることをやりぬかなければなりません。仕事が成り立たなくなった労働者、農民、漁民の生活を100%保障しなければなりません。このことをやりぬくには、原発を推進してきた者たちの支配を打ち破り、労働者、農民、漁民、母親、子ども、市民が団結し、自分たち自身の権力を、「本当の民主主義」をたたかいとらなければなりません。

2)フクシマとヒロシマの怒りをひとつに

「福島を返せ!」「未来を返せ!」「子どもの命を守れ!」という福島の労働者、農民、漁民、母親たちの要求・叫びは、「にんげんをかえせ」と立ちあがった被爆者の叫びとつながっています。

そもそも核とは何か。それは労働者・市民を一つの都市丸ごと皆殺しにするという目的で、ただそのために、帝国主義戦争の下で開発されたものです。広島・長崎を一瞬にして地獄に変え、20万人以上の命を奪い、いまもなお被爆者の体をむしばみ続けている原爆=核の「平和利用」など断じてありえるはずがないのです。「核の平和利用」なるものは、核に対する被爆者の根源的な怒りを圧殺し、核をつくり続け、保有し続けるために、ヒロシマ・ナガサキを引き起こした張本人の帝国主義者によってでっち上げられたものです。日本で「核の平和利用」を大宣伝し、原発推進の先頭に立ってきたのが、一貫した改憲論者・核武装論者である中曽根だったことをみても、それは明らかです。

原発は、核兵器の材料であるプルトニウムを製造する工場そのものです。さらに労働者の被曝や、毎年何トンと生み出される「死の灰」・核廃棄物の問題等を一切考慮せず、いまのもうけだけを考えると、原発は資本家にとって「理想のエネルギー源」でした。「もうけがすべて、労働者の命など知ったことではない」-こうした考え方で、原発がどんどんつくられ、ついに行き着いたのがフクシマです。しかしフクシマは、これまでやりたい放題にやってきた資本家や権力者たちに大破産をつきつけました。「安全・クリーン・安上がり……」、すべてウソだったことが暴かれました。ヒロシマ・ナガサキをくり返すな、という被爆者の怒りと闘いを押さえつけ、核による支配を続けてきた者たちを今度こそ逃がしてはなりません。大反撃にたちあがり、今度こそ彼らをやっつけなければなりません。

福島は「悲劇の地」ではありません。怒りの地、核と原発を廃止する歴史的な闘いの始まりの地です。福島の怒りと闘いが、ヒロシマ・ナガサキの被爆者の核に対する根源的な怒りを呼び覚ましています。ヒロシマの被爆者が戦後の反戦反核闘争の原動力になったように、フクシマとヒロシマ・ナガサキが共同して原発を日本から世界から一掃する原動力になろう。

3) 人間をカネと核の下にひれ伏させる新自由主義とのたたかい

電力資本、財界、政府、御用学者らは何の反省もしていません。原発再稼働のために「安全宣言」をでっち上げ、「やらせメール」までやっていた。しかも原子力安全・保安院自身が浜岡原発や伊方原発のプルサーマル計画説明会で「やらせ質問」を依頼していたことまで発覚。こういう連中を一人残らず追放しないかぎり、フクシマは必ずくり返されてしまいます。菅首相の「脱原発」は、「核なき世界」と言って核実験をくり返しているオバマ大統領とまったく同じです。「原発がなくなるのは遠い将来」であり、「ストレステスト」に「合格」した原発は動かし続けるというのです。「安全な核兵器」「安全な原発」「安全な放射能」――こんな考え方をもっている連中と私たちは絶対に相いれません。

財界やマスコミは「原発が止まると日本経済が崩壊し、雇用もなくなる」などと脅しています。ふざけるなというのです。フクシマを何度くり返そうとも、日本中、世界中が放射能に汚染されようとも、原発を動かすことが最優先だというのか。「命よりも原発」というのか。そもそも原発を動かせと叫んでいる資本家、政治家たちは、福島原発事故の前から、労働者の首切り、賃下げ、非正規化をどんどんすすめ、青年労働者から生きる希望を奪ってきた張本人ではありませんか!

すべての原発を止める、廃炉にするたたかいは、人類の存続と相いれない核や原発、そして基地や戦争なしには成り立たないような社会のあり方を変えるたたかいです。労働者や農民、漁民を犠牲にし、人間をカネの支配、核による支配にひれ伏せさせようとする新自由主義を打ち倒すたたかいです。それは都市と農村・地方の分断を打ち破り、国境をも越えて、労働者、農民、漁民、すべての民衆が団結し、人間的なつながりをとりもどしていく歴史的なたたかいです。今、この反原発のたたかいの先頭に立っているのは、新自由主義の矛盾と犠牲を一身に受けてきた青年労働者であり、学生です。「反原発・反失業」を掲げて立ちあがっている青年労働者、学生のたたかいは、エジプトをはじめ全世界で立ちあがっている青年のたたかいとつながっています。

4) 労働組合こそ反原発をたたかう団結の軸に

たたかいの団結の軸となるのは、生産と社会の本当の主人公である労働者です。原発を動かすのも止めるのも労働者です。労働者が団結を取り戻し、労働組合が「一人の労働者も被曝させるな」とたたかいに立ちあがったときに、すべての原発は止まるのです。

日本における原発建設のはじまりは、電産労働運動の解体と一体でした。そしてあの中曽根が強行した国鉄分割・民営化を前後する新自由主義攻撃によって労働者の団結が破壊され、労働組合が反戦反核、反原発の闘いから後退し、電力労組を先頭に原発推進の側に転落していく過程で原発建設は一気に加速していったのです。この労働組合を、原発推進の資本の手先となった腐った幹部の手から、労働者自身の手に取り戻さなければなりません。

かつてこの広島や山口、島根には、電産中国という電力労働者の労働組合がありました。電産中国は反原発を掲げ、地域住民と共に闘って山口の豊北原発建設を阻止しました。こうした闘う労働組合を今こそ甦らせましょう。日本における労働組合破壊と新自由主義の出発点となった国鉄分割・民営化に反対し、「政治和解」を拒否して1047名の解雇撤回を貫く国鉄闘争全国運動を発展させましょう。

福島では福島県教組が、子どもたちの命、県民の命を守れと立ちあがっています。被爆から10年後に白血病で死んだ佐々木禎子さんの話は、「サダコの物語」として全国、世界中の子どもに伝えられてきました。それなのに「直ちに影響はない」ということを平然とくり返す政府・文科省、御用学者たち。原発が安全というのはウソだったと教室で教えたら、ただちに弾圧してくる校長や教育委員会。だが、彼らの支配はがらがらと崩れ去っています。今こそ教育労働者は団結を取り戻し、反原発のたたかいに立とう。「日の丸・君が代」強制とたたかい、8・6ヒロシマのたたかいを守りぬいてきた広島の教育労働者こそその先頭に立ちましょう。

5) 国際連帯の力で勝利しよう

反核・反原発のたたかいは、全世界の労働者民衆の団結した力によってのみ、真に勝利させることができます。核兵器や原発や基地を必要とし、アフガニスタン、イラク、中東、朝鮮半島、世界中で侵略戦争を続け、準備し、労働者民衆に一切の犠牲を押しつけ続ける新自由主義とのたたかいは、全世界労働者の共通のたたかいです。

本日、被爆66周年の8月6日、ヒロシマ・ナガサキ、オキナワ、フクシマ、ビキニ被爆者の大石又七さん、アメリカのシンディ・シーハンさん、イラクのフサームさん、全国・全世界の闘う労働者、農民、漁民、市民が、反戦反核の原点の地・ヒロシマに一堂に会し、核と原発を廃絶する歴史的な大闘争の始まりを宣言しました。

原発再稼働へあがいてきた勢力は、次々とウソ、インチキ、やらせを暴かれ、いまや息も絶え絶えです。玄海、伊方、島根、上関、日本全国の原発の息の根を絶対に全部止めてやりましょう。「段階的に」とか、「期限を決めて」などと言っている場合ではありません。この夏こそ、全原発の即時停止・廃炉を決するときです。ドイツ、イタリア、全世界で原発廃止のうねりが巻き起こっています。トルコの労働組合からは反原発1000万署名運動を取り組むというメッセージが届けられています。

私たちの団結した力が、一切を可能とするのです。フクシマとヒロシマの怒りをひとつに、全世界の人々とともに全原発を停止・廃炉に追い込み、すべての核を廃絶しましょう。

ヒロシマ・ナガサキ、フクシマをくり返すな!
2011年8月6日
被爆66周年 8・6ヒロシマ大行動 参加者一同

(以上転載終わり)