連帯・共同ニュース 第62号

裏で進められる政府の新基地建設を注視せよ

2010年7月14日 第62号

 ■そういえば七夕もあっという間に過ぎた。七夕は牽牛織女という中国の古い伝説から来ているのだとしても、タナバタという言葉は万葉集の「棚機つ女(たなだたつめ)」から出ているらしい。折口信夫の説である。日本社会は世界の方から新しい文化や風俗を取り入れながら、生活や地域で培われてきたものを存続させてきた。そこでは世界の先端の制度や風俗と地域の伝統的な文化や生活の葛藤が演じられてもきた。僕らが日常や暮らしの中で垣間見る底の抜けたような不安感はこれらの葛藤を思い起こさせる。それは大きくは日本が何処に行くのかという問いかけとなってきているように思う。沖縄で生まれている事態は僕らにこのことを鋭く迫っている。<沖縄―オキナワ―琉球>、どのような言葉で語られようとそれが喚起するのは基地―戦争の現在性と日本(ヤマト)より射程の長い日本列島の文化や歴史の存在である。

 ■9条改憲阻止の会のメンバーで高江ヘリパッド建設反対現場に入っているTさんからの報告が来ているので紹介をする。高江ヘリパッド(ヘリコプター離発着陸帯)建設を開始しようとした防衛局は住民の抵抗にあいながら、あれやこれやの手段を弄して進められようとしている。反対する住民は2007年から7月から始めた座り込みを現在まで一日も欠かすことなく続けている。3~6月は天然記念物であるノグチゲラの繁殖期にあたるため工事は中止になっていたが、防衛局は「7月1日には絶対工事をやる」と捨て台詞を残しているため、現地では緊張は高まっている。7月1日には彼らは顔を見せず、その後も動きは見えない。参院選挙も終わり彼らは動き出すだろうと見られている。「この一週間、天然記念物のノグチゲラの<つがい>とか、イノシシになりたてのウリ坊より少し大きい兄弟がよく庭とか近くの路に出現しています。本来、森の奥(北部訓練所・ジャングル戦闘訓練所)に生息するはずであるがなぜ人の生活区域へ出てくるのだろうか(?) 森の奥で秘密裏に工事が行われていて、小動物の生活域が奪われている可能性が大きい」とあるが、また「この二、三日、三機編隊ヘリコプターが高江集落をゲリラ部隊に見立て夜間<午後10時過ぎまで>訓練を繰り返している」(Tさんの手紙)と伝えてもいる。辺野古新基地と同時的に進められている高江へリパッド建設はなるべく目立たないように様々の工作がなされている。手紙にあるように、小動物たちは隠されて権力の所業を伝えているのではないか。

 ■恒例の夏の合宿<8月22日[日]~23日[月])。詳しくは次号で報告。

 (文責 三上治)

 〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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