違法ポスターをはずさない、現職市長候補~佐倉市では、また、こんなことが

私たちの佐倉市も、市長選、市議選の選挙が始まった。もう数週間前から気になっていたのだが、現職市長と財務大臣の顔と名前が大きいポスターが、街のあちこちにいっせいに張り出された。大臣の名前の上には「弁士」となっているから、申し訳のような演説会予定みたいなものも刷り込んではいるのだろうが、事前運動にしては半端ではない数なのだ。それも、地元の不動産会社山万のマンションや分譲地の塀にしっかりと結び付けられ、山万所有の空き地には、木枠のついた立て看板が100mいや50mごとに並ぶこともある。買い物や散歩に出るたびにいやというほど目にして、気分が悪くなるほどである。

この間、麻生・安倍の忖度道路スキャンダルもあったし、新札発行の発表を何でこのタイミング?の疑問も残る財務大臣の顔だけに、やりきれない。そのポスターは、告示日が過ぎても、いっこうに撤去される様子もない。

計画道路沿いの空き地に続く<二連>の立て看板。

念のため、市の選挙管理委員会に電話をしてみた。そのポスターの存在は把握していて「告示日以降は完全に違法です。事前に指導はしていたのですが」と話していた。「通報もありますので、通告、指導します」とのことだった。どのくらい「本気」でやってくれるのかな。

なかには、こんなものが。貼り忘れたのか、誰かがはがしたのか。といっても数十メートル先にはたっていました。

その上、この現職市長候補Wと地元業者には、もう一つスキャンダラスな要素が加わるのだ。というのも、4年前の市長選の<狂騒>を知っている人から見れば、「エッ?!」なのである。4年前の市長選の折にも、ユーカリが丘駅前への順天堂大学誘致をめぐって、市に25億の助成金を伴う誘致に慎重だった現職と推進派の候補者との熾烈な醜い争いだった。誘致推進を前面に押し出した現職の対立候補の後ろ盾は、大学誘致を駅前開発の目玉にしたかった山万で、その選挙活動は、実にえげつないものだったことは記憶に新しい。その一部は、このブログでも10本近い記事にしているので、関心のある方は、参照いただきたい。

ところがである、前回市長選で、対立候補N陣営は、現職候補についてさまざまな怪文書を街中に配布したり、山万の管理地には対立候補Nと地元の著名人?マラソン指導者Kの顔写真のポスターを張りまくったりしたのである。告示後の選挙運動中にも、そのポスターが撤去されることはなかった。なんとポスターの顔が変わっただけの今回の展開なのである。

前回、再選された現市長に、そして山万に、「節操」というものがないの? いやはや、現代は、右も左も「節操」なんて死語になってしまった感もある。目の前の「利益」に動かされて身を処することが横行している。今回、山万がかつての攻撃対象の現市長を担ぎ出したのには、あまりにも露骨な経過があった。これもすでに、当ブログで記事にしている。

・佐倉市は、不動産屋に?山万の空きビルの一部を借り上げて、貸室業をやるらしい!
(2018年12月10日)
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2018/12/post-2945.html

佐倉市が、国から補助金約5000万を引き出した上、駅前の山万のビルの空きスペースを「スマートオフィススペース」と称して、年間840万円の賃料で借り、起業家などの市民に貸し出すという計画、予算が、市民の知らない内に議会を通ってしまったのである。山万は少なくとも、佐倉市という安定したテナントを10年間確保したことになるし、市長は、地元業者の支援を確実にすることになった。その互酬関係のために、国の税金と佐倉市の税金が投入されたことになる。貸しオフィスの利用がフルに稼働しても、元が取れるのは5年先だという。もし、利用者が少なかったら・・・、なんとも心もとない計画である。納税者の市民は、もっと怒ってもよいのではないか。

現職市長の選挙事務所に「あのポスターは公職選挙法違反ではないですか」と電話すると、「すぐに撤去します、徐々に撤去しているところです」とはいうが、前回は、投票日の翌日に撤去するまで、放置された。警察は、「適切に処理する」と、どこかの総理大臣みたいなことを繰り返している。日本は「法治国家」なんですよね。選管や警察は何をしているのだろう。

芽吹きの良い季節なのに。東側のモクレンが頑張っていました。

 

初出:「内野光子のブログ」2019.04.15より許可を得て転載

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/

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