2月8日の衆議院選挙の公約、エネルギー政策、とくに原発をどうするかの公約をあらためて調べてみた。原発への否定的な政党は少数であることはわかっていたが、その中でも微妙な違いがあり、主要政党が、福島の原発事故を忘れたかのように、堂々と原発回帰を主張するようになった。新聞等で、各党の公約の比較などが見受けられるが、少数政党の公約が切り捨てられてしまうこともあった。 そんな中で1980年から、地球規模での環境問題に取り組む国際環境NGO 「FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン)」が、つぎのような詳しい分析を行っている。
<#衆院選2026>各党マニフェストを比較!【原発・エネルギー編】~各党の特色は? 昨年との違いは?(2026.1.30 満田夏花)
https://foejapan.org/issue/staffblog/2026/01/30/staffblog-27809/
中に、以下のようなわかりやすい表があったので、お借りしたい。急ごしらえの公約もあって、不明な点が多いのがわかる。立憲民主党が公明党と新党「中道改革連合」を結成するにあたって、これまでの「原発ゼロ」から「将来的に原発に依存しない社会を目指しつつ、安全性と実効性のある避難計画の確認と地元の合意を条件に原発再稼働を容認」することにしたのである。旧立憲議員は、どう釈明するのだろう。

また、地球温暖化防止のために活動する全国の市民・環境NGO/NPO法人「気候ネットワーク」は、さらに丁寧な比較をしていた。中の「再生可能エネルギー」「原子力」についての各党比較表を紹介したい。これらを参考に、どうあるべきなのか。国を守る、国民の命を守るというのであれば、軍事予算を廃炉に向けて、再生可能エネルギーの拡充に充てるべきではないのか。
第51回衆議院議員選挙ー各党選挙公約の気候変動エネルギー政策に関する分析ー(2026年1月29日)
https://kikonet.org/content/39140
・再生可能エネルギー
2035年の電力部門の脱炭素化と再生可能エネルギー100%を目指すこと
・日本共産党は、2035年度の再エネ電力比率を8割とし、40年度までに100%とした。
・れいわ新選組は、2030年までにエネルギー供給の70%、2050年までに100%を目指すとした。
- 中道改革連合は、再生可能エネルギーの最大限活用を掲げたが具体的な数値は示さなかった。
- 国民民主党は、2030年代には電源構成比で再エネ比率が40%以上と、現行とほぼ同じ目標を示した。
- 自由民主党は昨年の参院選では再エネの最大限導入を掲げていたが、今回はその記述が無くなった。
- 日本維新の会は、再エネ導入拡大を掲げたが、具体的な数値目標は示さなかった。
- 参政党、日本保守党、チームみらいは再エネの最大限導入も掲げず、具体的な数値目標も示していない。
=============================================
| 自由民主党 | 再エネ100%目標の記載なし ・再生可能エネルギーの主力電源化を徹底 | △ |
| 中道改革連合 | 再エネ100%目標の記載なし ・再生可能エネルギーの最大限活用 ・再生可能エネルギーの導入を最大限加速させ、持続可能な社会を次世代へ引き継ぎます。 | △ |
| 日本維新の会 | 再エネ100%目標の記載なし ・地熱等わが国に優位性のある再生可能エネルギーの導入を拡大 ・再エネ大量導入を目的とした送配電網整備を加速 | △ |
| 国民民主党 | 再エネ100%目標の記載なし ・「再生可能エネルギー発電促進賦課金」を廃止 S+S+3Eを大前提に、共生・自立・分散型のエネルギーネットワークを構築 ・2030年代には電源構成比で再エネ比率が40%以上となるよう自治体等の関係者の合意を得つつ着実な取り組みを進めます | △ |
| れいわ新撰組 | 2030年までにエネルギー供給の70%、2050年までのできるだけ早い時期に100% ・エネルギー消費量を6割削減し、2050年までに自然エネルギー100%、温室効果ガス排出ゼロを目指します。 ・2030年までにエネルギー供給の70%を、再生可能エネルギーでまかなうことを目指す。そして2050年までのできるだけ早い時期に再生可能エネルギー100%を達成する | ◎ |
| 日本共産党 | 2035年度の電力比率で再エネ8割、40年度までに100% ・大胆な再エネ導入で、2035年度の電力比率を8割とし、40年度までに100%をめざします。 ・再エネの優先利用の原則を確立 | ◎ |
| 減税日本・ゆうこく連合 | 再エネ100%目標の記載なし | ― |
| 参政党 | 再エネ100%目標の記載なし ・再エネより「CO2 排出実質ゼロ」の次世代火力発電を推進! ・脱・脱炭素政策で、電気料金高騰・環境破壊・資本流出を助長する再エネ推進を止める ・高コストの再生エネルギーを縮小し、FIT制度、再エネ賦課金を廃止する | × |
| 日本保守党 | 過度な再エネ依存の見直し ・再エネ賦課金の廃止。 ・再生可能エネルギー(太陽光・風力発電)は、日本の山や海の環境を破壊し、電力供給を不安定にし、電気代を高くするもの。百害あって一利なし。 | × |
| 社会民主党 | 再エネ100%目標の記載なし ・再生可能エネルギーの普及で脱原発をすすめる | △ |
| チームみらい | 再エネ100%目標の記載なし ・平野部も限られていることから再生可能エネルギーの大規模導入にも地理的な制約があります。 そのため、国内に存在するあらゆるエネルギー資源を最大限に活用しつつ、大容量電源の確保とゼロエミッション社会の実現を両立させる技術開発・設備投資を加速させる必要があります。 ・火力発電の一時的維持を明確化し、無理な再エネ拡大による国民負担増と供給不足を回避 | × |
・原子力
脱原発を掲げ、小型原子炉など含めた原発新増設を認めないこと
第7次エネルギー基本計画やGX2040ビジョンでは、「原子力依存の低減」の文言は削除され、原子力を「最大限活用」する方針が示された。しかし、原子力を推進することは結果的に原発のトラブル時などで火力に頼らざるをえない状況をつくる。原発の新増設にあたっては、時間がかかりすぎ、求められる気候変動対策にはならない。同時に、多額の資金が必要なことから経済的にも国民負担を増加させる。
- 脱原発を掲げたのは、日本共産党(すみやかに原発ゼロ)、れいわ新選組(即時廃止)、社会民主党(再生可能エネルギーの普及で脱原発をすすめる)だった。
- 中道改革連合は、将来的に原発に依存しない社会を目指すとしたが、原発再稼働は条件付きで認めた。
- 自由民主党、日本維新の会、国民民主党、参政党、チームみらいは、原発の再稼働を条件付きで認めるだけでなく、次世代型原子炉の開発も推進するとした。
=============================================
| 政党名 | 記載内容(抜粋) | 評価 |
|---|---|---|
| 自由民主党 | 脱原発の記載なし/再稼働推進・次世代革新炉開発 ・立地自治体等関係者の理解と協力のもと再稼働を進めます。新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・設置に取り組みます。 | × |
| 中道改革連合 | 脱原発の記載なし/原発に依存しない社会を目指す ・将来的に原発に依存しない社会を目指しつつ、安全性が確実に確認され、実効性のある避難計画があり、地元の合意が得られた原発の再稼働 | ○ |
| 日本維新の会 | 脱原発の記載なし/再稼働推進・次世代革新炉開発 ・新規制基準の許可を得た原子力発電所の早期再稼働を進めます。 ・米国と共同研究している小型原子炉(SMR)や、有毒性を低減する高速炉など、安全性の高い次世代型原子炉の実用化に向けて研究開発に取り組みます。 | × |
| 国民民主党 | 脱原発の記載なし/原子力発電を最大限活用・次世代革新炉開発 ・原子力発電を最大限活用 ・安全基準を満たした原子力発電所の早期再稼働 ・次世代軽水炉や小型モジュール炉(SMR)、高速炉、高温ガス炉、核融合炉、浮体式原子力発電等次世代革新炉の開発・建設(リプレース・新増設を含む)の推進。 | × |
| れいわ新撰組 | 脱原発/原子力発電所の即時廃止 ・原子力発電所は即時、廃止。国が事業者から買い上げ、最先端の技術を用いて慎重に廃炉をすすめる。 ・原発は廃止し、グリーン産業に10年間で少なくとも200兆円(毎年国費5兆円、民間資金15兆円)の投資を行い、持続可能な産業への転換を加速させる | ◎ |
| 日本共産党 | 脱原発/すみやかに原発ゼロ ・原発の再稼働、新増設に反対し、原発ゼロの日本をめざします。 ・原発を再稼働させず、新増設も輸出も認めない ・原発・核燃料サイクルからただちに撤退する ・再生可能エネルギーへ抜本的に転換し、原発立地地域も再エネ関連産業で再生をはかる | ◎ |
| 減税日本・ゆうこく連合 | 脱原発の記載なし | ― |
| 参政党 | 脱原発の記載なし/原子力推進 ・次世代原子力・核融合・新たな火力・水力・バイオマス・水素・地熱など、民間投資だけでは賄えない分野には特に積極的に国として投資し、日本発の新技術を育成し実用化することで、エネルギー自給率の向上とエネルギー価格の低減および、世界での新たな分野での主導権確立を推進する。 ・次世代型小型原発や核融合など新たな原子力活用技術の研究開発を推進。 | × |
| 日本保守党 | 脱原発の記載なし | ― |
| 社会民主党 | 脱原発 ・40年超の老朽原発の再稼働などあり得ません | ◎ |
| チームみらい | 脱原発の記載なし/原子力推進 ・2030年での原子力比率 20〜22 %の達成を目指し、国主導で再稼働支援策を整備。 ・2030 年時点で 25 基以上の運転を実現 ・次世代型原子力(SMR、高温ガス炉など)の技術開発と普及を2030年代後半以降に見据えて支援 | × |
初出:「内野光子のブログ」2026.2.2より許可を得て転載
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2026/02/post-c5b55f.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
〔opinion14663:260203〕










