2025年10月20日のことになるが、自民党と維新の会との合意文書全文を一読することをお勧めしたい。あらためて読んでみると、実に、おそろしく、こわいことが書いてある。
自由民主党と日本維新の会の合意文書
https://storage2.jimin.jp/pdf/news/information/211626.pdf
あす、2月8日の選挙では、自民党単独で過半数、維新を合わせるとその議席は「3分の2をうかがう勢い」だという調査もある(『毎日新聞』2026年2月6日)。となると、合意文書の大方が、その気さえ出せば、国会の議論を短縮して、各種の法律が成立してしまう可能性が高い。以下は、8頁ある文書の「インテリジェンス政策」と「エネルギー政策」の部分である。

エネルギー政策では「原発推進」をうたうが、廃炉、使用済み核燃料の処理については何も語ることはない欺瞞性が露わである。
インテリジェンス政策においては、「内閣情報調査室」を「国家情報局」に格上げし、国による「インテリジェンス(情報収集・分析などの情報活動)」を拡充する構えである。
昨年11月には、参政党と国民民主党が「スパイ防止法法案」議会に提出している。いずれも具体性に乏しいだけに、どんな内容になるのか、国会での議論が尽くされるのか、不安が募る。昨年に提出された国民民主党と参政党の「スパイ防止法案」と今回発表された中道の政策は以下を見て欲しい。
国民民主党(2025年11月26日)
https://new-kokumin.jp/wp-content/uploads/2025/11/4969eb4a0762a37935114707329c942b.pdf
参政党「スパイ防止法案を提出(特定秘密保護法改正案も含む)」(2025年11月25日)
https://sanseito.jp/news/n6108/
中道改革連合「2026衆院選主要政策」
https://craj.jp/election2026/policies/
これらを要領よくまとめた記事や図表などを探したが、見当たらなかった。自分で作成すべきだが今はとりあえず、東京新聞の以下の図表をお借りする。これは昨年の11月段階のものであるので「中道改革連合」の政策が見当たらないが、中道改革連合「2026衆院選主要政策」の中の「インテリジェンス政策」には「横断的なインテリジェンス体制を強化します。」の一行しかない。人権・プライバシー侵害のリスクがある「スパイ防止法」制定を目指す勢力にどう向き合うのか、不安にもなる。

「急浮上した<スパイ防止法>制定 自民・維新は早期成立出合意 野党には賛否<監視社会>に拍車がかかる」(『東京新聞』2025年10月28日)より。
ところで、必要があって、神奈川大学非文字資料研究センターの『国策紙芝居から見る日本の戦争』(「戦時下日本の大衆メディア」研究班編著 勉誠出版 2018年2月)を繰っていたら、つぎのような紙芝居「スパイ御用心」を見つけた。解説によれば、1941年12月20日公開、日本教育紙芝居協会によって東京市内の国民学校で巡回実演された作品という。日本が真珠湾攻撃をした12月8日直後の作品である。前年の40年11月10日には紀元2600年記念式典が国を挙げて行われ、12月6日には内閣情報部が「内閣情報局」に格上げされていた。この紙芝居には、以下のような背景があった。1941年に入ると3月7日には「国防保安法」が成立、太平洋戦争開戦の直前の10月15日はゾルゲ事件で尾崎秀実が逮捕され、10月18日には東条英機内閣が成立しているのである。
紙芝居では、頁の左下の絵のように「宣伝に乗るな、謀略にかかるな、情報は漏らすな」と「少国民」に訴えているわけだ。現代の情報環境は大きく変化し、ネット社会での個人レベルの情報は、ほぼ全国民、全開にひとしいと思われるが、スパイ防止法では、さらに監視の対象となりかねない危惧がある。また、与党のみならず、一部野党からも声高に叫ばれている「外国人対策」とも相通ずるところがある。この紙芝居をわらって通り過ぎることができなくなったのである。

初出:「内野光子のブログ」2026.2.7より許可を得て転載
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2026/02/post-babae0.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
〔opinion14673:260207〕









