狩野隼人氏の案内により『存在する金融審議会報告書』を読むことができる(2019年 6月 14日,本サイト・ちきゅう座)。またこの時期にあげてくださった審議委員のご努力にも感謝申し上げたい。
この報告書を読む前に小生は,銀行金利が現行の低金利0.165%で行けば金融審議会の報告書通りになると考えていた。つまり前提は少子高齢化であり,消費税そして財務省の緊縮財政である。そこで増子化を進め,年金を増やすために何が必要か。山本太郎氏の立ち上げた「れいわ新選組」の『8つの緊急政策』が最上策であることを確信した。
現行のデフレ・緊縮政策と,1989年に導入された消費税とその後の増税が貧困を助長してきたので,若者や40代の世代が家庭と子どもをもつことを困難にした。その結果,少子化が進んだ。そこで少子化を止め,増子化を進めるには「前提」を変える必要がある。(1)低金利を金利2%程度に引き上げる。そのために(2)新規国債を発行する。
もし銀行預金率(年)が2%になったら,百万円ある人は年に2万円増え,10年で20万円。30年で60万円貯まる。また税収が増えるのでその税収を年金原資に付け足せば年金額は減るどころか増える。
「れいわ新選組」の『8つの緊急政策(以後,八策と呼ぶ)』の八策の1番目は,消費税を0%にする,である。ある家庭の消費額が月20万円とすると,毎月1.6万円を節約できる。すると1年に19.2万円。不急不要の出費があるから約19万円。10年間で190万円だが金利が上がれば200万円,次の10年間で金利1.6%だから320万円になる。300万円として次の10年間で480万円。現行の消費税が0%になれば30年後に約480万円以上が家庭に残る(単利)。
「八策」の2番目は,最低賃金1,500円である。現行は千円未満だから差し引き五百円が残る。1日8時間労働として4千円。月に20日働いて8万円が手元に残る。払えない中小企業等には政府補償をする。財源は以下全て新規国債発行である。そして8万×12ヶ月で96万円が手元に残る。90万円としよう。すると10年間で9百万円。家庭の分も合わせると個人で1,100万円は下らない。
貧困家庭・個人が今より豊かになれば内需は拡大し税収は上がり新規国債発行額は抑えられる。しかし結婚をし子どもを造るにはまだ不十分。だから貯蓄0円の20代-50代に毎月3万円から4万円を支給という政策も期間限定で必要とされよう。
「八策」の3番目は奨学金徳政令である。チャラにする。約555万人の学生や卒業生が奨学金返済から解放される。二人とも借金返済に追われては家庭は造れないから少子化に歯止めがかからない。これを救うのが奨学金徳政令。4番目は公務員を増やす,である。平均年収より100万円低いとされる介護士や保育士や,林業・ダム・橋梁等修理関係者を公務員にする。収入が安定するから内需拡大に貢献。税収も上がる。5番目は第一次産業戸別補償。公務員並みの待遇が要求される。
新規国債発行大量発行によってインフレの心配もあるが,国債発行は金利が2%~3%まで行う。上限はある。他方で富裕層や法人への課税強化。現在法人3665社のうち納税して「いない」企業が75%強だそうだ(田中康夫元長野県知事)。山本氏は累進課税を,田中氏は外形標準課税を提唱している。いずれにしても税金0円は避けねばならない。富裕層への最高税率は現行45%から75%に引き上げる。
新規国債大量発行はMM理論に基づく。政策は貧困個人・家庭・非正規労働者等が対象である。しかしMM理論に対する反発も強い。どうなるかは「れいわ新選組」の候補者がどれだけ当選するかにかかっているだろう。