鎌倉平和学習会 関西電力の老朽3原発再稼働への同意を撤回してください

福井県の杉本達治知事は4月28日、同県立地の関西電力美浜原発3号機、高浜原発1、2号機の再稼働に同意した。私たち鎌倉平和学習会は同30日、これに抗議し撤回を求める書面を福井県知事に宛ててメールで提出した。この3基は運転開始から40年以上たつ老朽原発で、本来は廃炉にすべき原発である。
原発の運転期間を縛る原子炉等規制法の「40年ルール」は、原子力規制庁のなし崩しの運転期間延長により形骸化している。再稼働に必須な「地元同意」を出した原発立地県は、福井県が初めてだ。廃炉を決めていない他県原発の再稼働を誘発する突破口になりかねず、福井県知事による「再稼働同意」を認めてはならない。以下は同知事に宛てた文面のコピーである。

2021年4月30日
杉本達治福井県知事

神奈川県鎌倉市「鎌倉平和学習会」
代表 神谷扶左子

関西電力の老朽3原発再稼働への同意を撤回してください

私たち鎌倉平和学習会は、神奈川県鎌倉市で日本国憲法を拠り所に様々な問題を学びながら活動しています。無党派の市民運動として、これまで改憲の動きや教育の右傾化、原発再稼働などへの抗議活動に参加し、また安全保障関連法や沖縄の辺野古新基地建設など戦争につながる政策に反対してきました。
杉本達治知事は、貴県立地の関西電力美浜原発3号機、高浜原発1、2号機について「総合的に勘案し、再稼働に同意することにした」と述べました。この3基は運転期間40年を超える老朽原発です。私たちは原発再稼働に反対する者として、知事の同意に強く抗議し撤回を求めます。
原子炉等規制法による「原則40年ルール」が設けられてから、運転40年を超える原発再稼働への地元同意は、福井県が初めてとなります。他県の老朽原発再稼働への扉を開きかねず、きわめて遺憾です。私たち鎌倉市民にも「福井県民は同意していない」「事故が起きたら、今度は取り返しがつかない」などの声が届いています。
老朽原発は、原子炉圧力容器の鋼鉄が中性子線を長期間浴び続けているため劣化し、脆くなっていることが知られています。安全検査を実施済みと聞きますが、想定外の事故を恐れます。3基のうち美浜3号機は2004年、老朽配管の劣化による事故で11人が死傷する事故を起こしています。住民の避難計画も不十分だと聞きます。
あとに続く世代のためにも、杉本知事には脱原発を望む県内外の多くの世論に耳を傾け、考え直していただきたいと思います。私たち鎌倉平和学習会は、貴県の「老朽原発再稼働への同意」を撤回するよう強く求めます。 (2021年4月29日NT)